第28話:警察への要求あるいはカオスな世界
バロが何をするのか…
おもむろに壁から何かが出てくる。
ん?スピーカー?
『うっせぇぞ!ポリ公!
こっちには女子高生4人を人質に取ってるんだぞ!
下手なことしたら、こいつらの命はねえと思え!』
バ、バロ、何を言ってるの?
スピーカーから発せられた声は犯人(安室(父))の
声そっくりだった。
私は大急ぎでバロを捕まえ、
どういうつもりか問いただす。
「バロ!、何やってるのよ!ってか
事態をややこしくしてどうするの!」
「レイ様の望み通り、警官の突入を防いでおります」
「やり方ってものがあるでしょ!?やりかたが!?」
「いえいえ、レイ様このまま私にお任せください」
任せられないんだけど…不安でしかないんだけど…
安室(父)は落ち着かない様子で
「これ以上大げさにしないでくれよ…」なんて
不安がってるけど…
「馬鹿な真似はやめて投降しろ」という警察の言葉も
無視してバロはさらに状況をややこしくさせる。
『お前ら無能な警察なんざ怖くはないんだ!
なんなら見せしめに人質の一人を殺して見せるか?
ここまで来たら、人殺しもやってやるよ!』
なおも警察を挑発するバロ、
「あぁ~もうやめてくれ~俺が悪かったからよ~」
安室(父)が私に向かって懇願してくる。
いや、バロが勝手にやってるんであって
私がどうこうしてるわけじゃないんですけど…
『人質を殺されたくなければ逃走用の車を用意しろ!
車を持ってくるのが遅れたら人質の指を
一本ずつ切ってお前らに投げつけるからな!』
もう完全な極悪犯…
外を包囲している警官も何やら慌てた様子で
「ま、まて、要求を呑む!すぐに車を
用意するから早まるな」
とこちら側へ伝えてくる。
「レイ様、これで警官が今すぐに突入して
来ることはないでしょう。
ご命令をつつがなく遂行できました」
「うん、ご苦労様って、バカ~‼
これじゃ事態を悪化させただけじゃないの!
みなさいよ!安室さんも、ぶるぶる震えちゃって
いるじゃない!」
安室さんの方を見てみると、生気のない目でぶつぶつと
「きっと死刑になるんだ、死にたくない、死にたくない」
と繰り返しつぶやいている。
この居間の空間がかつてこれほどカオスな状態になった
ことがあっただろうか?
サキとチカはテレビでやってるこの事件の報道を
食い入るように見ながらおせんべいをかじってるし、
安室さんの精神は崩壊寸前だし、
バロは、私は優秀でしょう?とドヤ顔してるし
…
これも全て、地下にあるガソタムが全部悪いのよ!
私は絶対悪くない、うん、悪くないはず…
悪くないんだからこの状況も神様が
必ず何とかしてくれるはず。
さて、じゃあ私もごはんの支度をしちゃおっかな~
とうとう私まで現実逃避をするようになり
ますますカオスに拍車がかかる居間だったのである。
居間だけに…




