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起動させないしガソタム〜おじいちゃんが地下に残した遺産ーTrue Story~  作者: じょん-ドゥ


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14/60

第14話:戦闘訓練での模擬戦あるいは親友の来訪予告

学校から帰るなり訓練を行う毎日だった。

 

家に帰るなりバロが「訓練を始めます」と

急かすように私を促す。

さすがに予備の制服まで粒子にされても困るので

 

「まって、着替えさせて」

 

と捨てても惜しくない部屋着に着替えてから

訓練に向かうのが習慣になってしまった。

 

一度、バロに訓練で変身した

パイロットスーツをそのまま持ち帰らせてと

提案したのだが、バロ曰く、

 

「パイロットスーツは空気中の元素を固定して

 形成している物を、コックピットから発生させている

 特殊な電波で形状を保っているのです。

 コックピット外だと10分ほどで分解されてしまいます」

 

「……」

 

仕方ないのでガソタムに乗り込む前にぼろ着に

着替えているわけだ。

 

当然毎回、理不尽な変身システムで裸になるのも

許容…いや、納得してないけど…

毎回裸になりながら搭乗している。

 

そんな訓練を続けて数日、今日はバロと

模擬戦を行うということになった。

 

既にガソタムの目の前には仮想敵、

ガソタムと同程度の大きさのロボットが鎮座している。

 

「レイ様、訓練の成果を見せて頂きます」

 

スタートの合図とともに私が前進する。

バロは胸を貸すつもりなのか、まだ、一歩も動かない。

 

私が操るガソタムの太もも部分から筒状の物体が射出され

それを手で受け止めると、光の刃が発生する。

ビームサーベルというらしい。そのまま速度を上げていき

 

「バロ、もらった~!」

 

バロが操るロボットの胴体を横一文字に切り裂く…

と思った瞬間、バロはバックステップで後方に回避、

 

「まだまだ!」と追撃しようとした瞬間、

バロの機体は私の足元に進み小さくうずくまる。

 

とっさの事なので、私はバロを回避できず

そのまま盛大にすっ転んでしまった…

 

「レイ様、状況判断がまだ甘いです。

 追撃は慎重にしてください」

 

バロの的確な指導?により私の操縦技術は

ものすごい速さで上達していく…

って…

 

「じゃっ、なぁぁーぁぁい!

 バロ!別に私はガソタムをうまく操縦できるように

 なりたいわけじゃない!」

 

そうなのだ、ガソタムの戦闘シミュレーション…

つい楽しくなって毎日やってしまったけど…

私は普通の女子高生!

ガソタムのパイロットになりたいわけではないのだ。

なのに…

 

ここで一つ言い訳をさせてもらってもいいかな?

戦闘シミュレーション、歩けば振動がして

モニターにはリアルな風景

ライフルを撃ち、的に当たる爽快感。

こんなの、どこのテーマパークにもあるわけない。

そりゃ、はまってもしょうがないじゃない。

 

なんて自分に言い訳をしながらバロに言われるままに

訓練が生活の一部に組み込まれていたのだった。

 

翌日…

 

学校の放課後、サキとチカが私の席に寄ってくる。

最近、バロの立てたスケジュールのせいでそういえば

二人と遊びに行っていなかった。


たまにはバロを無視して遊びに行ってもいいかもしれない。

そう思い、遊びに誘おうと思った矢先、サキの方が

先に声をかけてきた。

 

「うらら~、最近私達一緒に遊びとかしてないよね?」

 

…うん、本当に申し訳ない…だけど訳を説明なんて…

 

「でさ、そろそろ、うららの家に遊びに行ってもいい?

 引越してから結構経ったし、金曜日の夜とか

 お泊り会とかしたいな~」

 

…私の背中に汗が噴き出す。私の家?

引越しの片づけはほぼ終わってる。

(バロが日中、勝手にやってくれた)

掃除とかも行き届いている。

(バロが日中、勝手にやってくれた)


しかし…

 

家にはバロがいる。

バロを目の当たりにした一般人はどう思うのだろうか?

 

あんなに流暢にしゃべるAIロボットなんて他にはない。

それどころかバロがガソタムの話題を出したら…

サキ達を家に招きたい。招きたいが…どうする?

 

「サキ、うららの予定とかも確認しないとだめよ、

 友達なんだからうららの事も考えてあげないと」

 

チカがサキを窘める。その様子を見て私の、心が

…心が痛む

 

「え~、うらら週末予定あるの?

 私達、家に行ったら迷惑?」

 

…そんな風に言われたら断れない、

しょうがない…

 

「良いよ、大歓迎だよ、サキもチカも家に来て!

 お泊り会で女子会楽しみだね」

 

精一杯の笑顔を作り二人に伝える。

二人は「やったー」なんて言っているけど

私の頭の中はバロをどう説得するかを考えるのに

一杯だった。


自宅にて…

 

帰宅するなりバロが、

「レイ様、早速訓練を…」と言い出してきたけど

私はそれを遮る。

 

「ちょっと待って、バロ!話があるんだけど!」

 

バロが投影するホログラムも驚いたようなしぐさをして

「どうしましたか?」と聞いてくる。

本当によくできたAIだ。

 

「週末、今度の金曜日、友達が二人遊びに来るんだけど」

 

バロに状況を説明する。すると

 

「そうでしたか、ご心配いりません。

 私の持てる限りの性能を使って、レイ様のお友達には

 最高のおもてなしをさせて頂きます」

 

「しなくていいのよ!

 バロの存在なんて知られたらなんて思われるか?

 バロみたいなAIなんて今の世の中に無いのよ。

 当日はおとなしくしていて、出てこないで!

 電源も切っておいて!」

 

おもてなしをしようとするバロに向かって

私は牽制をする。

 

「?…

 なぜでしょうか?私は源造様がお創りになられた

 スペシャルAIロボットです。

 最高傑作であるガソタムも自慢すればよろしいのに」

 

あ、危なかった…

放置していたらガソタムの事をばらされていた…

 

「いい!バロ、私はバロの事もガソタムの事も隠して

 おきたいの!

 今の世の中、SNSとかあるんだから、

 バレたら広まっちゃうから!

 私は逮捕とかされたくないの! わかった?」

 

精一杯の抵抗…

これでバロが分かってくれたのなら…

 

「…かしこまりました。

 執事として主の要望は最大限に叶えます。

 当日はサポートに徹し、前には出ないように

 いたしましょう」

 

サポートって言うのがなんだか不安だが

サキ達の前に出てこないって約束してくれたし

まあ、何とかなるか。

 

当日は絶対に隠し通す。

そう心に誓った最中にバロが

「では訓練を…」と気が抜けるような事を言ってくる

…本当に大丈夫かな…


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