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起動させないしガソタム〜おじいちゃんが地下に残した遺産ーTrue Story~  作者: じょん-ドゥ


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13/59

第13話:ガソタム大地に立つあるいは粒子の制服

一通りの説明を話し終わった。

なんか、ごちゃごちゃ言ってたけど覚えられないよ…

っていうか、若干眠たくなってきたし…

私が睡魔に襲われているのを察してかバロが

 

「…では、さっそくガソタムを一歩動かしてみましょう

 左操縦桿を前に倒し、右ペダルを少しだけ

 踏み込んでください」

 

言われた通りに操縦桿を前に倒し、右ペダルを…

少し?

少しってどれぐらい?

うーん、まあシミュレーションなんだから何とかなるだろう。

ペダルをほんの少しだけ踏み込んでみた。すると…

 

低い駆動音が鳴り始める。

別モニターにガソタムの全身映像が映っていて

今、どんな体勢なのか一目でわかるようになっている。

 

映像のガソタムの右足がゆっくりと持ち上がっていく

動きが映し出される。本当にゆっくりだ。

 

「レイ様、もう少しペダルを踏み込んでください」

 

バロにそう言われもう少しペダルを踏み込む。

足が持ち上がるスピードが少し速くなった。

なるほど、ペダルで動きの速さを決めるのか。

 

上がり切った足は、そのまま前に出て、

今度は下に下りて行く。その瞬間、


ズゥゥゥン…!座っているシートに重厚な振動が伝わる。

おぉ、と思わず声が漏れる。

 

「すごいよ!バロ、これ動いてるよ!」

 

あまりのリアルな振動に眠くなっていた頭は

すっきりと覚醒した。

 

「もちろんでございます。レイ様

 源造様がお創りになられた最高傑作ですから」

 

どこかしらバロも誇らしそうに言ってくる。

 

「一歩目は無事に踏み出せました。

 次は、そのまま3歩前進。

 その次に左レバーを右に倒して

 ペダルを踏んでください。

 右に回りましたらそのまま慣れるまで

 歩き回ってください」

 

バロの指示通り、操縦を行う。

歩くたびに響く振動、これ楽しいかも。

3歩目が終わりそのままレバーを右へ

お、面白すぎる。

歩き回るうちに車とか踏みつぶしているけど

なんだかそれも快感だ。

時折、バロから「現態勢を常に確認してください」なんて

注意が入るけど…

 

 

どれぐらいガソタムを動かしていたのか…

ちょっと楽しくなって夢中で動かし続けてしまった。

 

「お疲れ様です。レイ様

 本日の訓練はここまでにしましょう」

 

バロが訓練の終了を告げる。

ふぅ、そんな難しくはなかったかな…

なかなか心地よい疲労感が体を襲う

ふとメインモニターに映し出されている景色を見ると

校舎や壁がボロボロに破壊されている…

まあ、最初はこんなものよね…

 

気が付けば、体は汗だくになっていた。

あー、早くシャワー浴びたいわ…

って、そういえば…

 

「ねえ。バロ

 ガソタムから居間に戻る時どうするの?

 地下につながる階段は塞いであるんだけど…」

 

そうなのだ、

訓練で汗だくになり、若干ヘトヘトになった体で

あの、塞いだ板を壊すとかやりたくない。

 

「居間に戻る方法ですか?

 それは搭乗したときの逆を行くだけですよ?

 あぁ、ご安心ください、パイロットスーツはもちろん

 途中で分解され、元の制服に戻りますから」

 

「えっ?逆?」

 

その瞬間コックピットのハッチが開いていく

ゆっくりとシートが動き出し外に出されていく私。

 

「バロ!逆って事は私また裸になるの?」

 

「はいレイ様、ちゃんとそのシーンも記録しますので

 ご安心ください」

 

「安心できるかぁぁぁぁ!」

 

シートが居間に向けて上がっていく。

さすがに最初の落下時ほどのスピードではないが

どんどん上昇していく。

この無駄に凝ったシステム何とかしてよ…

 

 

なんやかんやで居間に戻る私。

ご丁寧に今までシートだった物は形を変え

ビーズクッションに戻っている。

 

私も元の制服に戻っているが…少し疑問が…

 

「ねえ、バロ、この制服ってどうやってあのピンクの

 服に変えているの?」

 

「ピンクの服?あぁ、パイロットスーツの事ですか

 あれは、パイロットスーツを粒子状態にして

 別にセーブしてあるのです。

 搭乗時に

 今着ている制服は、特殊な装置を使って

 粒子状に変換し、別スロットにセーブして

 その後、パイロットスーツをロードするわけです」

 

「粒子にして…って

 それって一回粒子状に、ばらばらにしたって事だよね?

 外で粒子になって裸になるって事ないよね?」

 

私のもっともな質問。

バロはその質問に答えてくれる。

 

「ははは、レイ様、おじいさまの発明です

 その可能性はほぼ無いかと」

 

いや、おじいちゃんの発明かどうかは知らんけど…

 

「外で服が粒子になる確率はわずか3%です。

 ほぼ0%ですな、心配いりません」

 

3%…と言われてもピンとこない

私が、うーん!?と唸っているとさらにバロが

 

「ネットの情報ですと

 ガリガリ君で当たりを引く確率が3%らしいです」

 

「結構多い!?」

 

い、意外と多いんじゃないそれ?

当たりを引くなんて結構よく聞く話だよ?

そんな確率じゃ、私が「おはよー」って教室に入った瞬間

パーって制服と下着が粒子になり拡散し、

みんなの前で裸になる…なんてことも…

 

頭の先から血の気が引く感覚がする。

この制服、もう二度と着られない…

下着も処分しよう、いつ消えるか分からない下着なんて

安心して着ることなんて出来ない…

 

明日は予備の制服を着ていこう。

この制服は封印だ…

間違って着ないようにちゃんと印をつけて

クローゼットの奥にしまっておこう。


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