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ウソつき賢者の領地再建 ―クスッと笑える!?、勘違い領主コメディ(復讐から始まったはずなのに……)―  作者: 秋月心文


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5/7

石ころに負けた(改訂版)

第1話の構成を入れ替えたので、必然的に、第5話にも修正が生じました。

既に読んで下さった方、すみません。

 新しい家族ができた。名前はエリナ。


 領地視察中に、道端で死にかけていたので拾ってしまった。


 母親の形見だというペンダント以外は、なにもかもボロボロだった。


 服や靴を買ってあげたい。


 でも、領主が自由に使える金がない。


 借金返済の期限も近い。


 とりあえず、当座の資金を作る必要がある。


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 しかし、俺には秘策があった。


 俺は再び《フェイク》を使おうと思っている。

 道端に落ちているゴミを拾った。


「これ、全部、金!」

 という「ウソ」をついてみた。


 どうよ! 

 これぞ、一攫千「金」ってヤツだ。

 

 その時、ブブーという音が脳内に響いた。

 現実は変わらない。

 発動しない。


 そういえば、領主と対決した時に聞いたあの音を、まだ聞いていなかった。

 よくわからないけど、あの音を「リキャスト音」と名付けることにしよう。

 もしかして、あれが聞こえるまで使えないのか?



 ・ ・ ・ 3日後 ・ ・ ・

 

 待っていた「リキャスト音」が脳内に流れた。

 これで、またスキルが使えるらしい。


「これ、全部、金!」

 という「ウソ」をついてみた。

 澄んだ音が脳内に響いた。


 空気が一瞬入れ替わる感覚がした。

 発動した。


 やはりリキャスト音で間違いないようだ。


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 エリナが赤く光る石を取り出した。


「これ、複製できる?」


「こういうの好きなの?」


「うん」


「これ、全部、この赤く光る石!」と「ウソ」をつく。


 ブブーという音が脳内に響く。

 リキャスト待ちか。


 ・ ・ ・ 数時間後 ・ ・ ・


 リキャスト音が脳内に流れたので、

「これ、全部、この赤く光る石!」

 と「ウソ」をつく。

 澄んだ音が脳内に響き、空気が一瞬入れ替わる感覚がした。

 やはり発動した。


 もしかすると、「ウソ」の内容によってリキャスト時間が違うのかもしれない。

 少なくとも今回は数時間で使えるようになった。


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 そういえば、エリナはなんでこの石を欲しがったのだろう。

 珍しい石だとは思う。

 でも、宝石の知識なんてない。


 光るキレイなものが好きなのかな。


 そういうところは、やっぱり女の子っぽい気もする。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 何はともあれ、金を売りに市場に行った。


「ちっ、ファリス・ロドスか!」

 店主が嫌そうな顔で俺を見る。

 ほかの店主も同じ反応だ。


「あんたと取引なんてできないよ」

「帰った、帰った」


 エリナが上目遣いで店主の手を握る。

「お願い……」


 店主がエリナの胸元を見て、ハッと態度を変えた。

 その時、エリナの胸元で何か光った気がした。


 何だよ。女の子には甘いタイプなのか?



 やっと商談ができるようになった。


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 金は安かった。

 とても安かった。

 この辺では金がザクザク採れるらしい。


 マジか。

 それとも、俺が相手だからそう言っているのか。


 エリナがこっそり石を見せる。


「い、今のは……」


「こ、これは……」

(まさか、伝説の……?)


 商人がすごい勢いで食いついてきた。


 金の100倍を提示してきた。

「イヤ……」

 エリナが首を振る


 今度は1000倍。

「イヤ……」

 エリナが首を振る


 8000倍で……

「それなら、いいよ。1個だけなら……」


「まだ、お持ちなんですか?」

「うん」


 エリナが石を次々と取り出して見せる。


 商人の目が点になっていく。


「さらに10倍なら考えてもいい」

「わかりました……」


 つくづく女の子に甘いヤツだな。


 エリナがポケットへ入れていた小さな石が、とんでもない金額になった。


 でも、これで少しは領地経営が楽になるか。


 ◇ ◇ ◇ 翌日 ◇ ◇ ◇


 オリハルコンという鉱石が、手に入ったらしい。

 今、オークションが始まってる。


 見てみると、昨日の赤い石だった。

 売った値段より高くなってるぅ……


 これ、そんなに希少なの?


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 エリナがポケットから例の石を取り出して言う。


「また、作ってね……」


「おう!」


 エリナは満足そうだった。


 やっぱり光るキレイなものが好きなんだろうな。

 お読みいただき、ありがとうございます!


 少しでも続きが気になったら、

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