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ウソつき賢者の領地再建 ―クスッと笑える!?、勘違い領主コメディ(復讐から始まったはずなのに……)―  作者: 秋月心文


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4/9

終わってるな、この領地(改訂版)

第1話の構成を入れ替えたので、必然的に、第4話にも修正が生じました。

既に読んで下さった方、すみません。

 さて、俺は領主になってしまったわけなのだが……


 領地経営に必要な情報が見つからない。


 机の中には、無造作にぶち込まれた借用書。

 一番直近の借金返済期限まで、あと7日。


 ファイルにすらまとめられていない。


 執務室の本棚を見る。

 スッカラカンだ。


 おまえ、何してたん?


 これから領地経営していくためには、情報が必要だ。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 財務官の集まる部屋をのぞくと、カードゲームで遊んでいる。


 帳簿すら見当たらない。


 本棚の中は、ゲームでいっぱいだ。


 経営というものを知らんのか、おまえら……。


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 ため息が出る。


 領主の記憶からたどってみる。


 頼れそうな人物はいないか。


 体を鍛えた記憶……うん、強靭な体になりそうだね。

 剣術を鍛えた記憶……うん、なかなかの腕前みたいだね。

 攻撃魔法を鍛えた記憶……うん、すごく魔法を勉強してたんだな。


 ……って、領地経営の記憶はないんか~い。


 ……ん?


 そうだ。


 この屋敷には、執事がいた。


 多くの使用人は領主を恨み、あるいは恐れていた。

 だが、この執事だけは違った。


 幼い頃から領主に付き添い、駄目なことは駄目だと教えてきた人らしい。


 執事の名前は、ルディア・スミス。


 早速、執事を探した。


 途中で出会う使用人の視線が憎しみに満ちていて、ちょっとしんどい。


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 執事を見つけた。


 落ち着いた老紳士のようなたたずまいだ。


「スミスさん」


 話しかけると、執事が不思議そうな顔で見た。


「あれ? 名前間違えた?」


「いえ、合っておりますよ、領主様」


「この領の経営状態を知りたい!」


「え?」


 執事が固まった。


「何か、おかしなこと言った?」


「いえ……」


「私、20年お仕えしておりますが、その言葉は初めて聞きました」


「早速、ご用意します」


「ありがとう、お願いします」


「………」


 何か言いたそうな顔だった。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 執務室で待っていると、屋敷中が大騒ぎになっていた。


「隠せ! 隠せ!」


「ここは書き換えろ」


「これは燃やせ!」


「計算が合わんぞ!」


「これも書き換えろ!」


「この書類も燃やしてしまえ!」


 おまえら……。


 全部、聞こえてるよ!


 ん~。


 これは……


「わからないことが、わかった」


 ……というヤツか?


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 案の定、提出された報告書は改ざんだらけだった。


 計算まで間違えている。


 まぁ、予想はしてたけど。


 数字は信用できないとしても、この領の状態は見えてきた。


 人口は減少中。


 子供はほとんどいない。


 数年ごとに疫病が流行る。


 水害も繰り返し発生。


 治水工事は一度もなし。


 終わってるな、この領地。


 う~ん。


 やるべきことが山積みだ。


 領主のもとには5人の地方代官を経由して税が納められている。


 おそらく5人とも、大幅に中間搾取している。


 まずは正確な情報を――


 いや、その前に重税をやめさせるべきか。


 課題が多すぎて、頭が回らなくなってきた。


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 金はない。


 信用もない。


 頼れる味方は執事だけ。


 借金返済まで、あと7日。

 お読みいただき、ありがとうございます!


 少しでも続きが気になったら、

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