魔王がやってきた
俺はエリナの頭をなでなでしていた。最近のことをほめていた。
「それにしても、ナツウメがマタタビだってよく知ってたね」
「うん、前世でも、ネコ飼ってたし、ネコには詳しいの」
「そか~」
俺もネコ好きだからシンパシーを感じるな。
「どんなネコ飼ってたの?」
「大きいネコ。毛がフサフサの長毛種で」
「うん」
「あんな感じの」
エリナが指をさした先には、デカいネコがいた。
エリナくらいなら背中に乗せられそうだ。
領内のネコはしっぽを除いた体長が60cmくらいだが、これは2m弱はありそう。
しっぽ含めたら、俺の身長より全長長いかも。
ふつうのネコより3倍くらい大きい。
色は、オレンジ色だ。ミケネコの赤色部分だけって感じ。
3倍で赤いヤツ?
もしかして「赤い〇〇のニャア」とかいうノリか?
「うちのはメインクーンって種類。見た目は似てるけど」
「けど」
「うちのは、あんな色じゃないし、あんなに大きくない」
「へぇ」
確かにデカすぎる。
「あれも、同じ種類なの?」
「さぁ? 知らない」
「ネコに詳しいんじゃなかったの?」
「知らない。しっぽが3本のネコなんて」
「いや、それネコじゃねぇ!」
でも、見た目はメインクーンとかいう長毛の猫種に似てるらしい。
エリナが前世で飼ってたのは、キジ三毛とかいう猫柄で、白地に黒とオレンジの縞模様らしい。
こいつは、オレンジ一色。あきらかに不自然だ。
もしかして、飛べるようにしたから大きくなったのかな?
もちろん、目の前のネコっぽいヤツも浮いていた。
ポンッ……
そんな音を立てて、ネコっぽいヤツが、人の姿に変わった。
頭に角が生えている女性の姿だ。
モデルのような体型で、かなり色っぽい。
しかも、全裸。
ローラがコートを被せる。
「来てたんですのぉ~」
全裸にコートって……。マニアックすぎない?
ふつうに服出してやれよ。
「知ってる人?」
「魔王様ですわぁ~」
「は? はぁぁぁぁ?」
「ここだと神術使えないのだろう?」
「妾が、身を隠すにはいい場所だと思うてのぉ~」
魔王様に住まれたら、クフィール王国に攻められそうで怖い。
いや、ラシド教団や勇者まで来そうなんだが……。
「なぁに、わからんって……」
「すぐ近くに教会も建つことになったんですから……」
「ここならネコも多いし、身を隠せると思ったのじゃが……。
この領のネコは発育悪すぎではないか?」
「いや、ふつうのネコ、あんなに大きくならんから……」
「そうなのか?」
色もしっぽの数もあきらかに違うんだし。
「せめて、もっと目立たない恰好になれないんですか?」
「どんな感じの?」
「こんな感じの」
エリナを指さした。
「ふむ、幼女が趣味なのじゃな」
「違うわ」
ポンッ……
そんな音を立てて、エリナと同じくらいの背丈に変わった。
角も消えている。
「これでどうじゃ?」
「まぁ、それなら……」
一応目立たないかな。
「旦那様の幼女趣味も、困ったものですわぁ~」
「違うから、絶対違うから」
「そうか? まんざらでもないという顔をしておるぞ?」
え? 俺、そんな顔してる?
「ファリスは渡さない」
「お? そうか、そうか先約がおったか?」
「わたくしもおりますわぁ~」
「お前、性別ないじゃん」
「別に妾は、2番目でも良いぞ。
お主の好きな姿になってやっても良いのじゃぞ」
「ファリスは渡さない」
「そうか、そうか……」
エリナと同じ背丈の魔王が、エリナの頭をなでなでする。
エリナは頬をふくらませて、ムッとしている。
「とりあえず、妾の服の手配と、住む部屋を案内してくれんか?」
「はぁい、もちろ~ん」
そういってローラはタワマンの中に勝手に魔王の部屋を用意し案内していく。
え~と、俺の意思は?
タワマン自体はローラが建てたので文句言えんけど、
一応、俺の領地なんですけど?
まぁ、幼女姿なら大丈夫か
新しい教会のミミレ神官を通じて、バレそうで怖いんだが……
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・・ 次回 毎日 20:00 公開 ・・
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