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【完結済】ウソつき賢者の領地再建  作者: 秋月心文


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37/62

勇者って誰?

「誰がいるんだよ……」

 唯一、魔王様を殺せる存在というのが、気になった。


「勇者ですわぁ~」

 おぉぅ!

 確かに、魔王を殺せる定番じゃないか……。


「勇者なんて本当にいるのか?」

「おりますわぁ~」


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


「話を聞く限り、俺は魔王領と仲良くしたいんだが……」

「それは、内緒の方がいいですわぁ~」

「そうなの?」

「魔王領と仲良くすると、クフィール王国が敵と認定してきますわぁ~」

 なるほど、確かにそうだな。


「勇者が、いつか暴走するかもしれませんし……」

 その危険もあるか。


 俺はクフィール王国の攻撃は当たらないと「ウソ」をついている。

 しかし、王国は現代技術の塊である魔王軍と何百年も戦っているという。

 王国も何か、とんでもないものを持っていそうだ。

 だから王国に敵視される訳にはいかないか……


「わたくしの手で運べる範囲は、分けてあげますから……」


「カレー食べたい」

「はい」

 ローラは即答した。

「ラーメン食べたい」

「はい」

 即答で返ってくる。


 いきおいで、あるかどうかわからないものまで聞いてみた。

「餃子食べたい」

「はい」

 あるのかよ!?

「チョコレート食べたい」

「はい」

 あるのかよ!?


「シュークリーム食べたい」

「はい」

 あるのかよ!?

「他にもいろいろあるなら、ぜひ食べたい」

「はい」


「できれば職人さんたちに

 再現してもらいたいから、少し多めで……」

「はい」

 

 なんだろう……。

 うっとうしいと思ってた縦ロールさんが、とても頼れる存在に感じる。

 もしかして、これが胃袋を掴まれるっていうヤツか……。


「俺からは、何を渡したらいい?」

「愛を注いでくださいまし……」

「な!!」

 もしかして、関係を迫られてるのか?

「冗談ですわぁ~」

 こいつ……


「わたくし、女性じゃないので、注がれても困りますわぁ~」

 そう言って、ケタケタ笑った。

 え? でも、わたくしって言ってるし。

 もしかして、男の娘ってヤツなのか?


「男だったの?」

「男でもありませんわぁ~」

「どゆこと?」

「私の種族は性別なんてないのですわぁ~」

 どうやって生まれてるの?


「子供とか作らないの?」

「長命だから、必要ありませんわぁ~」

 意味わからん。


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 そういえば、何か重要なことを忘れてる気がする。


「さっきの勇者ってヤツ……。

 魔王領を攻めにいく可能性はありそうか?」

「今のところ、大丈夫みたいですわぁ~」

「監視してるってこと?」

「もちろんですわぁ~」


「今どういう状態? 俺からも何かした方がいい?」

「何もしない方がいいと思いますわぁ~」

「そうなの?」

「勇者は今、手足を欠損してるんですもの」


 何か、イヤな気がした。

 すご~く、イヤな気がした。

 俺の領内で手足が欠損している人間に心当たりがあったからだ。


「そいつの名前は?」

 知らない名前が返ってくることを祈った。


「ファリス・ロドスですわぁ~」


 もう、わけがわからなくなった。

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※※ 次回 7/07 21:00 公開 ※※

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