勇者って誰?
「誰がいるんだよ……」
唯一、魔王様を殺せる存在というのが、気になった。
「勇者ですわぁ~」
おぉぅ!
確かに、魔王を殺せる定番じゃないか……。
「勇者なんて本当にいるのか?」
「おりますわぁ~」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「話を聞く限り、俺は魔王領と仲良くしたいんだが……」
「それは、内緒の方がいいですわぁ~」
「そうなの?」
「魔王領と仲良くすると、クフィール王国が敵と認定してきますわぁ~」
なるほど、確かにそうだな。
「勇者が、いつか暴走するかもしれませんし……」
その危険もあるか。
俺はクフィール王国の攻撃は当たらないと「ウソ」をついている。
しかし、王国は現代技術の塊である魔王軍と何百年も戦っているという。
王国も何か、とんでもないものを持っていそうだ。
だから王国に敵視される訳にはいかないか……
「わたくしの手で運べる範囲は、分けてあげますから……」
「カレー食べたい」
「はい」
ローラは即答した。
「ラーメン食べたい」
「はい」
即答で返ってくる。
いきおいで、あるかどうかわからないものまで聞いてみた。
「餃子食べたい」
「はい」
あるのかよ!?
「チョコレート食べたい」
「はい」
あるのかよ!?
「シュークリーム食べたい」
「はい」
あるのかよ!?
「他にもいろいろあるなら、ぜひ食べたい」
「はい」
「できれば職人さんたちに
再現してもらいたいから、少し多めで……」
「はい」
なんだろう……。
うっとうしいと思ってた縦ロールさんが、とても頼れる存在に感じる。
もしかして、これが胃袋を掴まれるっていうヤツか……。
「俺からは、何を渡したらいい?」
「愛を注いでくださいまし……」
「な!!」
もしかして、関係を迫られてるのか?
「冗談ですわぁ~」
こいつ……
「わたくし、女性じゃないので、注がれても困りますわぁ~」
そう言って、ケタケタ笑った。
え? でも、わたくしって言ってるし。
もしかして、男の娘ってヤツなのか?
「男だったの?」
「男でもありませんわぁ~」
「どゆこと?」
「私の種族は性別なんてないのですわぁ~」
どうやって生まれてるの?
「子供とか作らないの?」
「長命だから、必要ありませんわぁ~」
意味わからん。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
そういえば、何か重要なことを忘れてる気がする。
「さっきの勇者ってヤツ……。
魔王領を攻めにいく可能性はありそうか?」
「今のところ、大丈夫みたいですわぁ~」
「監視してるってこと?」
「もちろんですわぁ~」
「今どういう状態? 俺からも何かした方がいい?」
「何もしない方がいいと思いますわぁ~」
「そうなの?」
「勇者は今、手足を欠損してるんですもの」
何か、イヤな気がした。
すご~く、イヤな気がした。
俺の領内で手足が欠損している人間に心当たりがあったからだ。
「そいつの名前は?」
知らない名前が返ってくることを祈った。
「ファリス・ロドスですわぁ~」
もう、わけがわからなくなった。
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※※ 次回 7/07 21:00 公開 ※※
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