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【完結済】ウソつき賢者の領地再建 続編を新作として準備中  作者: 秋月心文


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35/62

500年も人を殺してますわぁ~

 実際に粛清されたのは親衛隊の40人だ。

 屋敷からは、遺体が運び出された。

 だが、領民は正確な事情も人数も知らない。

 情報だけが曖昧に伝わり、独り歩きした。


 結局「ファリスが屋敷で大量粛清した」という噂だけが広まっていた。


 町に出ると、とてもドン引きされるようになった。

 少し前まで嫌われているだけだったのが、

 今では完全に恐れの対象に変わっている。

 もしかすると、変な二つ名がまた増えてるかもしれない。


 店によっては俺の顔を見る途端、店を閉めてしまうほどだ……。


 道行く家族は、

 俺の顔を見せないように子供を抱きしめる。

「見ちゃいけません……」

 子供にささやく声が聞こえてるんだが?


「はぁ……」


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 少し前まで、

 特殊な小道具が必要な時、

 青いネコ型ロボットにお願いするノリで……

「職人さん、お願い~」

 ……という流れで良かったのだが……


 ローラが来てからというもの、すべてがバグりすぎだ。

 でも、俺はローラのとんでもグッズを使えない。

 さらに、ローラは俺の言うことは聞かない。


 加えて、ローラは命を軽く考えすぎてる。

 ホントに、同じ日本出身なのか……?


 そう考えてると、目の前にローラが現れた。

「急に音もなく出て来るな!!」


「500年も経てば、人は変わりますわぁ~」

「は?」

「わたくし、これでも長命種ですわぁ~」

「500年……」


 ってことは、バb…

「その先を考えたら、締めますわよぉ~」

 首に手を当てる。

 そっと、それでいて容赦なく首に力を込める。

 いつでもトドメを刺せるように。


 ゴクリッ……。

 殺せないとわかってるけど、苦しいのは避けられない。

 俺は降参を示す意味で、両手をあげる。

「よろしい……」


「わたくし、魔王軍の所属なので、

 もう500年も、人を殺してるのですわぁ~」

 ローラは昔話をするような口調だった。


「え?」


「向こうが攻めて来るんですもの。

 もう何百年も……。

 だから当然ですわぁ~。

 そう思いますよねぇ~?」


「……そうなのか?」


「なので今さら、

 日本のような倫理観を期待されても……ねぇ~?」

 納得はした。

 だが、気持ちは追いつかなかった。

「いや、だからって40人はやりすぎだろ……」


 ……とはいえ、

 このときの俺はまだ知らなかった。

 ローラが魔王軍でどういう立場だったのかを。

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※※ 次回 7/06 21:00 公開 ※※

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