はい、ダウトォ~
「おいおい、どうなってるんだぁ?」
俺は、怒り心頭だった。
エリナ親衛隊に今回の戦争を調べさせていたのだが……
とんでもない話になった。
最後にエリナを狙ったのが、エリナ親衛隊だったのです。
ことの発端は、親衛隊員が何人か帰ってこなかったことでした。
……で、調べてみると、そいつらの額にレイノルドのナイフが……
いや、なんか、嫌な気がしてたけど……
だって王国軍の攻撃は当たらないってウソにしてたのに、
俺にはザクザク刺さったから……。
冒険者なのかぁ……って思ってたんだけど、一番イヤなオチだったとは。
いろいろ聞き取りを進めると、この親衛隊は
元々、クフィール王国諜報部でうちの国を担当していたらしい。
それが誘拐事件をきっかけに団長以下は一応、こちらの傘下に入った。
だが、末端までは統制できていなかったようだ。
末端の隊員がエリナの生存を王国へリークし、それに第一王子が喰いついた。
戦争のドサクサに紛れて、エリナを殺すつもりだったらしい。
こんな危ない連中を抱え込んでたなんて……
さて、どうしよう?
「わたくしなら、親衛隊を全員殺しますわぁ~」
って、おい、いきなり何を言い出す!
ん? まさか今、俺の心を読んだ?
「ふふ……」
何も言わない。まぁ、そういうヤツだよな。
親衛隊長だけは信じてもいい気がしてる。
問題は末端か……
どうやったら、見分けられるんだ……
「わたくしなら、皆殺しですわぁ~」
いや、わかったから……。
とりあえず、この話は置いておこうか……。
「わたくしのスマホ使いますぅ~?」
いや、スマホで解決する話じゃないだろ……。
え? 何? スマホあるの?
いや今、問題なのは……そこじゃねぇ……。
「親衛隊員を全員連れて来てくださいなぁ~。
来ない人は即刻、殺害決定ですわぁ~」
親衛隊長は慌てて、隊員を呼びにいった。
親衛隊員を目の前に並ばせる。
まるで記念写真でも撮るみたいだ。
ローラがスマホのような何かを取り出す。
「はい、チーズ! ですわぁ~」
親衛隊員は「チーズ……」の意味をよくわかってないようだ。
パシャッ。
記念写真を撮るだけかよ……。
「中段右から、3番目のあなた、目をつぶってますわぁ~。
手前の左から、4番目のあなた、横むいてますわぁ~。
だから、やりなおしですわぁ~」
こうして、ダメ出しが数回続いた後……
「はい、ご苦労さまぁ~」
ローラは俺にSNSのような画面を見せてきた。
左側には顔写真、右側にはコメント。
すごい勢いで流れていく。
「これは?」
「SNSですわぁ~」
えーと……。だから、どういうこと?
っていうか、お前以外誰もスマホ持ってないじゃん?
よく見ると、左側の顔写真は今、目の前にいる親衛隊員。
横に書かれている文字は……
A:えすえすえす? なんだ? それ?
B:えす…なんとかってなんだ?
……SNSの話題に変わってきた。
もしかして、心で思ったことが自動的につぶやかれるん?
「理解が早くて助かりますわぁ~」
「はい、この中で、まだ隣国と繋がってる人、正直に手を上げるですわぁ~」
……隣国との繋がりの話題に変わってきた。
A:手なんか上げる訳ないじゃん。
ば~か……。絶対、ばれないって……
B:もしかして、バレてるのか?
とりあえず、手をあげなきゃばれないだろ……
おぉぉ……クロいヤツ、いっぱいじゃん。
「はい、ダウトォ~」
「ぎゃぁ~」
ローラは情け容赦なく、
本音がクロだった連中の心臓を撃ち抜いていった。
「お、おい!」
「はい、ダウト、ダウト、ダウトォ~」
「ぎゃぁ~」「ぐぁぁ~」
次々と心臓が撃ち抜かれていく。
「やりすぎだ!?」
「とにかく、やめろって!」
「ダウト、ダウト、ダウトォ~」
「ぐぁぁ~」「うわぁ……」
さらに、もっと撃ち抜かれていく。
「だから殺すなって!」
「もう、終わりましたわぁ~」
俺の制止もむなしく、
隣国と繋がっていた連中が殺害された。
全部で、40人ほどだ。
フロアには、重い沈黙が落ちた。
親衛隊長ですら青い顔をしている。
この前の戦争の被害者より、多いんだが……
「思ったより多かったですわぁ~」
「こんなに殺して……」
「裏切り者を生かしておく理由ないですわぁ~」
何も俺がよく使うフロアで、やらなくてもいいじゃんかよ……。
連中のひとりが心臓を撃ち抜かれた人に、
エリナからパクったらしいビンを取り出す。
っていうか、いつの間にパクった?
「おい、これを飲むんだ……」
しかし、奇跡は起きなかった。
「あれ? あれ、すごいポーションじゃなかったん?」
いや、それより――
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
スマホ?の画面が消えた。
「消えちゃった……」
「操作しなかったら、消えるのは、当たり前ですわぁ~」
まぁ、そうだろうけど。
「ところで、このスマホ、俺にももらえるの?」
「もちろん」
「やった」
「あげませんわぁ~」
くれないのかよ……。ちぇっ。
「それじゃぁ、スッキリしたから、失礼しますわぁ~」
「あ、おい……」
こうして、よくわからないまま
ローラに翻弄されつつも、
裏切り者問題には一応の決着がついた。
親衛隊の裏切り者は一掃された。
だが、このやり方で残った隊員の信頼を得られるとは思えない。
しかも、ローラという物騒なヤツまで抱たままだ。
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・・ 次回 毎日 20:00 公開 ・・
※※ 本日は、この1話のみです ※※
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