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ウソつき賢者の領地再建 ―クスッと笑える!?、勘違い領主コメディ(復讐から始まったはずなのに……)―  作者: 秋月心文


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28/62

婚約者ですわぁ

「ホ~ホッホッ、やっと会えましたわね。ファリス・ロドス」


 小柄な体に不似合いなほど長すぎる金髪縦ロールの少女が、目の前にいる。

 見た目はまぁきれいだけど……。

 なんというか、ものすごくうさん臭い。


「え~と、誰?」


「いやですわ。あなたの婚約者、ローラ・タルテですわぁ~」

 ローラ・タルテ……

 ローラタ……

 うん、縦ロールさんで覚えよう。


「婚約者ぁ?」


「親同士の話で決まった婚約者ですわぁ~」

 おいおい、マジかぁ……。

 領主の両親は、すでにどっちも他界していて確認のしようがない。


「それで、わたくしの部屋は、どちらかしら……」


「おい、ちょっ……」


「それにしても、ず~いぶん小さなお屋敷ですわぁ~」

 好き勝手、言いやがる。


「あら、部屋が全部埋まってますわぁ~」

 3人で住むつもりだったしね……。


「何で、わたくしの部屋がないのかしらぁ~?」

 知るか……。


「おかしいですわぁ~! おかしいですわぁ~!!」

 おかしいのは、おまえだ!


「うちは、使用人、ひとりしかいないので……ね」

 頭に#マークが浮かんできそうです。

 いや、もう3つくらい浮かんでるかも。


「それなら、勝手に増やしますわぁ~」

 そう言って、彼女は謎めいた操作をした。


 ポン! 


 そんな音がした気がした。


 屋敷が15階建てになっていた。


 奴隷館、もとい職人工房より、高層になってる。



「わたくしが最上階と、次の階を使いますわぁ~」


 俺は唖然としていた。

 どゆこと?


「後は、好きに使うといいですわぁ~」


 鍵束を渡してきた。


「オートロック付なので、締め出し注意ですわぁ~」


 オートロックって……。


 なんでタワーマンション?

 なんで現代風なの?


 中世らしさが皆無になった。

 

「えーと、もしかして、前生が日本人だったり?」


「も~ちろん、ですわぁ~」


 はぁぁぁ? 転生者ですとぉ?


 こんな話をしていると、エリナが服の裾を引っ張ってきました。


「ねぇ、ホントなの?」


「いや、親同士が決めた話らしいし、

 うちの両親、もういないし……」


「そっちじゃなくて……」

 え? どっち?


「もしかして、エリナも前生日本人?」


「うん」


 えぇ?


「ところで、15階まで階段で上るのはしんどくない?」


「もちろん、エレベーターがついてますわぁ~」


「えぇぇぇ!?」


「電源は太陽光パネルと蓄電池ですわぁ~」


 中世らしさは、どこへ……。


 案の定、職人さんたちが全員、

 もの珍しそうに集まってきました。


「何だこりゃ……」


「こんな構造、初めてだ。どうなってんだ……」


「ドアが勝手に開いたぞ……」


 何だか、大騒ぎになってきました。


 

「今日から、よろしくお願いしますね。旦那さま」


「違うからな!?」

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※※ 次回 7/02 21:00 公開 ※※

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