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ウソつき賢者の領地再建 ―クスッと笑える!?、勘違い領主コメディ(復讐から始まったはずなのに……)―  作者: 秋月心文


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18/42

ロドス領なんだけど……

「うちの領の鉄製武具が売れなくなった」


 ロドス領に接するララソ領。その領主ドドソソ・ララソは苛立っていた。

 決して、きらきら星を演奏しているのではない。

 そういう名前なのだ。


 彼は考えた。


 病原菌を持つネズミを放ち、疫病を流行らせれば、ロドス領の生産量が低下するはずだ。


 くくく……。


 目標に選んだのは、先日疫病が流行ったとかいう川下の町だ。

 町民は、さぞ弱っていることだろう。


 この町は我が領に近く、工作にはもってこいだ。

 町の近くで、感染させた50匹のネズミを放った。


 カンペキだ。


 しかし、疫病は流行らない。


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


「もっとたくさん、投入するんだ!」


 今度は、250匹のネズミを用意した。

 複数の町の近くで放つ。


 それでも疫病は流行らない。


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


「もっとたくさん……」


 今度は、500匹のネズミを用意した。

 しかし、用意している途中でネズミに逃げられた。


 おたおたしている間に、自領に500匹の感染したネズミが広がる。


 ララソ領内では多くの感染者が出た。

 しかも、物凄い勢いで感染が広がっている。


「くそう、なんだ!」


 ロドス領とかかわると、呪われるのか?。

 そうに違いない。


 こうして、「呪われた領」という異名が広がり始めた。



 ◇ ◇ 一方、ロドス領 ◇ ◇


 急にネズミが増えた。

 だが、それによる病気は蔓延しない。


 そういえば、この領では病気がすぐ治るんだった。

 そんな「ウソ」をついた気がする。


 でも、問題が発生していた。


「ネズミによる被害が増えております」


「疫病!?」


「いえ、食料をかじられています」


「あぁ……」


 対応として、代官たちは「ネコ」を導入した。

 なかなか優秀で、ネズミは激減したらしい。


 対応を急ぐあまり、ネコを大量投入しすぎたようだ。

 どんだけ集めたんだよ。


 今やネコ好きの聖地になっているとか。

 ネコ好きにはうれしい環境かもしれない。


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 職人たちにネコグッズの案を話したところ、目を輝かせて食いついてきた。

 彼らの儲けに対する嗅覚は本物だ。


 ネコじゃらし。


 ネコ用ベッド。


 ネコ用トイレ。


 爪とぎ器。


 やがて、それらは大きな産業へと成長していった。



 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 代官から、新しい報告があった。


「ネコによる被害が増えております」


「今度はネコかよ!」


「夜うるさいとか、壁を爪とぎに使われたとか……」


「数が増えたとか?」


「増えてますね」


「あぁぁ、ネコも繁殖スピードがハンパないんだった」


「去勢していかないといけないな……」


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 最近は「ネコ領」などという異名まで付き始めた。

 気づけば、ロドス領の紋章にもネコが入っている。

 すっかりネコ領じゃないか。


 いつの間に?

 っていうか、誰が?

 まぁ、いいけど。


 ロドス領なんだけど……。

 いつかファリス・ロドスが、

 ファリス・ネコ

 に改名されそうで怖いんだが……。

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※※ 次回 6/27 21:00 公開 ※※

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