ロドス領なんだけど……
「うちの領の鉄製武具が売れなくなった」
ロドス領に接するララソ領。その領主ドドソソ・ララソは苛立っていた。
決して、きらきら星を演奏しているのではない。
そういう名前なのだ。
彼は考えた。
病原菌を持つネズミを放ち、疫病を流行らせれば、ロドス領の生産量が低下するはずだ。
くくく……。
目標に選んだのは、先日疫病が流行ったとかいう川下の町だ。
町民は、さぞ弱っていることだろう。
この町は我が領に近く、工作にはもってこいだ。
町の近くで、感染させた50匹のネズミを放った。
カンペキだ。
しかし、疫病は流行らない。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「もっとたくさん、投入するんだ!」
今度は、250匹のネズミを用意した。
複数の町の近くで放つ。
それでも疫病は流行らない。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「もっとたくさん……」
今度は、500匹のネズミを用意した。
しかし、用意している途中でネズミに逃げられた。
おたおたしている間に、自領に500匹の感染したネズミが広がる。
ララソ領内では多くの感染者が出た。
しかも、物凄い勢いで感染が広がっている。
「くそう、なんだ!」
ロドス領とかかわると、呪われるのか?。
そうに違いない。
こうして、「呪われた領」という異名が広がり始めた。
◇ ◇ 一方、ロドス領 ◇ ◇
急にネズミが増えた。
だが、それによる病気は蔓延しない。
そういえば、この領では病気がすぐ治るんだった。
そんな「ウソ」をついた気がする。
でも、問題が発生していた。
「ネズミによる被害が増えております」
「疫病!?」
「いえ、食料をかじられています」
「あぁ……」
対応として、代官たちは「ネコ」を導入した。
なかなか優秀で、ネズミは激減したらしい。
対応を急ぐあまり、ネコを大量投入しすぎたようだ。
どんだけ集めたんだよ。
今やネコ好きの聖地になっているとか。
ネコ好きにはうれしい環境かもしれない。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
職人たちにネコグッズの案を話したところ、目を輝かせて食いついてきた。
彼らの儲けに対する嗅覚は本物だ。
ネコじゃらし。
ネコ用ベッド。
ネコ用トイレ。
爪とぎ器。
やがて、それらは大きな産業へと成長していった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
代官から、新しい報告があった。
「ネコによる被害が増えております」
「今度はネコかよ!」
「夜うるさいとか、壁を爪とぎに使われたとか……」
「数が増えたとか?」
「増えてますね」
「あぁぁ、ネコも繁殖スピードがハンパないんだった」
「去勢していかないといけないな……」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
最近は「ネコ領」などという異名まで付き始めた。
気づけば、ロドス領の紋章にもネコが入っている。
すっかりネコ領じゃないか。
いつの間に?
っていうか、誰が?
まぁ、いいけど。
ロドス領なんだけど……。
いつかファリス・ロドスが、
ファリス・ネコ
に改名されそうで怖いんだが……。
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※※ 次回 6/27 21:00 公開 ※※
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