はぃぃ?
代官の報告では、この領に特産品が出来たらしい。
高値で飛ぶように売れているそうだ。
「へぇ、それは何ていう商品?」
「灰です」
「はぃぃ?」
「灰です」
いや、繰り返さなくても……
「どういうこと?」
「薪などを燃やすと、灰になります」
「うん」
「それを畑に撒くと、作物が一瞬で収穫できます」
「だから高値で売れてます」
「ですが、他領の灰では効果が薄いそうです」
「そうなの?」
「えぇ」
「だから爆売れです」
「薪の種類が違うからじゃないかと言われていて、薪まで売れています」
「んんっ!!」
「薪が売れるってことは、たくさん木を切ってるのか?」
「はい!」
「それはまずい」
「売れてるのにですか?」
「あぁ。山は木を切りすぎると危ない」
「そうなんですか?」
「山崩れの危険がある。長雨が来るまでは大丈夫かもしれないが……」
地図を広げ、伐採場所を確認する。
薪を切り出している山の近くには、いくつもの集落があった。
特に一番大きな町の近くでは、山の木がほとんど伐採されていた。
「怖いなぁ……」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「それにしても、灰かぁ……」
「領主様の指示で使い始めましたので……」
「あぁ、うん」
「ご存じかと思っていました」
「うん。効果絶大だよな!」
種を撒いたその日に収穫できるもんな……。
「その理由を調べようと、他領から研究者も大勢来ています」
あぁ、そっちは心配してない。
他領に《フェイク》を使える人はいないだろうし。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「あと、食糧の価格が……」
「うん?」
「暴落しています」
「えええ!!」
思わず大声になった。
「採れすぎまして……」
あぁ、なるほど。余っちゃったのか。
「それで、別の作物への転作を勧めています」
「うん、その方向でお願い」
いろんな作物が増えた方がいい。
しかし、価格暴落かぁ……。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ふと、先日オリハルコンを買ってもらえなかったことを思い出した。
「もしかして、オリハルコンも暴落してるのかな?」
「はい。それはもう……」
「オリハルコン製の武具が、少し前の鉄製武具と同じ値段で出回っています」
「鉄製の武具は大幅に値下がりしました。他領から苦情が来ているという噂も聞きます」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「マジかぁ」
価値のあるものがたくさん採れれば、みんな豊かになると思ってたんだけどな……。
世の中、そんなに単純じゃないらしい。
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※※ 次回 6/26 21:00 公開 ※※
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