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ウソつき賢者の領地再建 ―クスッと笑える!?、勘違い領主コメディ(復讐から始まったはずなのに……)―  作者: 秋月心文


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14/27

ウソつきに裁判をさせるな

 今日は裁判をやることになりました。


「それも領主の仕事なの?」


「当たり前です」

 執事にバッサリ言われた。



 裁判は、どちらがウソをついているかを裁くものだった。


 ウソつきの俺に、そんなことさせるかね?



――裁判1:いない牛の行方――


A「牛を盗まれた、黒いヤツだ」


B「俺の牛だ」


「警察は、何と言ってた?」


A「警察?」


 周りのみんなが、不思議そうな顔をした。


 この世界には、警察という組織はないらしい。


 なんてこった……。

 捜査から始めないといけないのか?


 だが、この体には便利な能力があった。

 さすが賢者だ。


 小動物を操り、その感覚を共有できる。


 小鳥を飛ばし、AとBの家を調べた。


 Aの家には牛が15頭。


 Bの家には牛が19頭。さらに裏庭に1頭隠されていた。


 黒い牛は、どこにもいない。


 裏庭に隠している時点で、Bが怪しい。


 さらに、その牛の足元には紙切れが落ちていた。


 売却証書

 黒牛 一頭

 売却日 昨日


 それで……問題の牛はどこへ行った?



 Bに聞く。


「その牛はどうした?」


B「食べてしまいました」


 Aに聞く。


「盗まれる前、お前の牛は全部で何頭いた?」


A「数えたことがありません」



 Bに聞く。


「食べる前、お前の牛は何頭いた?」


B「20頭です」


「お前の牛は20頭だったと言ったな」


B「ああ」


「では、裏庭の1頭は何だ?」


 Bの顔が固まった。


 Bに牛の代金を支払うよう命じたが、応じない。



 牛は畑を耕す大事な労働力だ。


 そこで、Aの家で牛の代わりに働くよう命じた。


 数日後、Bは素直に代金を支払ったそうだ。



――裁判2:貸したお金――


C「貸したお金を返せ」


D「借りてない。証文もない」


C「大事な金なんだ」


 エリナがDの袖をめくった。


 そこには、硬貨の跡が残っていた。


 執事が説明する。


「この地方では、お金を貸した時、

 硬貨にインクを付け、借り手の体に押して証文代わりにします」


 なるほど。


「印を押した硬貨は、証拠として借り手が持つ決まりです」


 俺はDの腕を見た。


「普通は黒インクですが、今回は赤インクですね」


 でも、Dは、借りた覚えはないという。


 そこで、2人の財布を調べさせた。


 すると、Cの財布から赤いインクの付いた硬貨が出てきた。


 普通なら、借り手に押した硬貨は貸し手の財布へ戻らない。


 つまりCは、借りてもいないDに無理やり印を付けたのだ。


 俺はCの訴えを退けた。



 明日も裁判があるらしい。


 どれどれ……。


 ん?


 なんじゃこりゃ……。


――裁判3:私の子供――

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※※ 次回 6/25 21:00 公開 ※※

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