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ウソつき賢者の領地再建 ―クスッと笑える!?、勘違い領主コメディ(復讐から始まったはずなのに……)―  作者: 秋月心文


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13/27

うちの庭、どうなってんの?

 代官から、ちゃんと数字の合った報告書が届いた。

 今度は計算も合っている。

 うーん。

 ごまかしのない報告書は、やっぱりいい。


 エリナは俺の膝の上でくつろいでいる。

 読んでないよね?

 ……わかんないよね。

 ……と思っていたら、


「あ!」

 エリナが指をさした。


「ここ、間違ってる……」


 っていうか、計算もできるのね。


 マジか。

 新しい代官、大丈夫だと思ったんだけどな。

 とはいえ、中抜きではなくただの書き間違いらしい。


 少しホッとした。

 忘れないうちに修正しておこう。


 こうして、5地域分の報告書を読み終えた。


 税収は、灰のおかげで二毛作、三毛作、四毛作のような効果が出て増加。

 さらにオリハルコン山の収入もある。


 一方で、上水道や公衆トイレなど公共事業への支出も増えていた。

 結果、不足分はこちらで補填するしかない。


 まぁ、仕方ない。

 とりあえず不足分はエリナから借りることにした。


「すみません、エリナ様……」


「ん……」


 何も説明しなくても貸してくれる。助かる。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 そんな折、職人たちが家賃のようなものを納めてくれた。

 領主邸の敷地を借りているからだという。

 今はお金が足りないので、ありがたく受け取る。


「こんなに?」


「少ないくらいです……」


「え? そんなに売れたの?」


「なんだか町の人が、俺たちに同情的なんです」


「涙ぐみながら買ってくれる人もいます」


「食べ物までくれたりして……」


「なんで?」


「さぁ……」


 職人たちの品物が良すぎて感動したんじゃないか?


 うん。

 たぶん、そうだろう。


 職人たちの工房が「奴隷館」なんて呼ばれていることとは……。

 関係ないよね?

 ……ないよね?


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 収入は入った。

 だが、エリナから借りっぱなしだったので、そのまま返済へ回す。


 もちろん焼け石に水だ。

 借金は、まだまだ残っている。


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 だが、俺には秘策がある。

 そう。

 オリハルコンを作ればいい。

 これで一気に返済できる。


 ふふん。

 ……と思ったら。


 エリナがまた、光る石を持ってきた。

 複製してほしいらしい。

 本当に光る石が好きだな。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 予想外の事態が起きた。


 例の商人の店へ換金に行ったのだが――


「オリハルコンは余ってるから、もういらない」

 ……と言われた。


 俺の計画がぁぁぁ!


 そうだった。


 この商人経由で、オリハルコン山の鉱石を買い取ってもらっていたんだった。

 そりゃ余るか。


 エリナがポケットから例の石をチラッと見せる。


「そ、それは……」


 なんだろう。

 デジャヴだ。

 最近も同じ流れを見た気がする。

 まさか。

 またか?


「それはヒヒイロカネじゃないか!」


 あぁ。

 またその流れですか。


 こうして、エリナの懐はまた潤った。

 でも、俺の財布は相変わらず空っぽだ。

 エリナから借金する生活は、まだまだ続きそうである。

 ヒヒイロカネは、オリハルコンよりさらにずっと高価らしい。


「どこで拾ったの?」


「庭に落ちてた……」


 どゆこと?

 うちの庭、どうなってるんだ?

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・・ 次回 毎日 20:00 公開 ・・

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