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ゴミ捨て

「あなた、今日からよ」

「分かってるけど、恥ずかしいな」

「きっと、すぐ慣れるわよ」


 今日からゴミの捨て方が変わる。

 といっても、それは分別の話ではなく、ゴミの運び方の話なのだ。


「じゃあ行ってくるよ」

「頭の高さが上下しない様に気を付けてね。行ってらっしゃい」

 私はゴミ袋を両手で抱え、腰を落とした。

 そして、摺り足でゆっくりとゴミ捨て場へ向かった。


 日本はゴミ削減の一手として、アメリカ式に“サプライズゴミ捨て法”を打ち出した。

 それは、サプライズパーティーで誕生日ケーキを落とさず、ロウソクの火も消さないあの慎重な運び方を、ゴミの運び方に応用するというものだった。

 それにより、ゴミ捨ては特別な事であり、当たり前の様に物を捨ててはいけないと国民に知らしめるのだ。


「おはようございます」

「おはようございます。…サプラーイズ」

 ゴミ袋を抱えたまま体勢を立て直すお隣さんの横を、私は複雑な笑みを浮かべて通り過ぎた。


 ゴミ捨て場の人感センサーは、そんな私に反応してピロピロと安っぽいハッピーバースデイトゥーユーを繰り返した。

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