78話 調べてみた
怪しまれないように、本が隠されている場所へ行くのは三か月に一度だけにしていた。何度も出入りすれば、監視される可能性があるからだ。
しかし、本を何度読み返しても、五十年以上前の歴史について新しい情報は見つからなかった。
おそらく、お父さんも同じように調べたのだろう。
残された手がかりは、地図に何も記されていない「空白地帯」だけだった。
どうして、この場所だけ地図から消されているのか。
気になった主人公は、空白地帯の近くまで行ってみることにした。
そこには、数メートルもの高さがある巨大な壁がそびえ立っていた。壁はどこまでも続き、中の様子はまったく見えない。
少し近づいただけで、警備員がこちらへ向かってきた。
「ここから先は立入禁止です。すぐに離れてください」
周囲に人の姿はなかった。こちらが壁に近づいた瞬間、AIカメラに発見されたのだろう。
別の日には、飛行機から上空を確認できないか調べてみた。
だが、空白地帯の上空は飛行禁止区域に指定されていた。民間機は大きく迂回し、ドローンを飛ばすことも法律で禁止されている。
地上からも、空からも、中を見ることはできない。
ここまで徹底して隠されているのなら、やはり空白地帯には何かがある。
そして、神の世界はここにある。宇宙人もそこにいる。
主人公は、そう確信するようになっていたがどうすることもできなかった。




