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転生したらみんなが恋人いる謎の世界だった。どうして私だけいないの。  作者: まやまや
転生した世界。皆が豊かで平和すぎる世の中だったのに私だけ彼氏がいない。

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28話 学校公認!? 恋愛応援キャンペーン

登校中、主人公はいつもの通学路を歩いていた。


すると、近所の人たちが次々と声をかけてくる。


「あっ、彼氏がいない子だ!」


「今日も頑張って! 積極的に話しかけるのよ!」


「応援してるからね!」


主人公は思わず振り返った。


「私、何の大会に出場してるの!?」


学校に着くと、今度は廊下からひそひそ声が聞こえてきた。


「ねえ、知ってる? あの子、美人なのに彼氏がいないんですって」


「声、丸聞こえなんだけど!」


げんなりしながら教室に入った瞬間、クラスメイトが元気よく声をかけてきた。


「おはよう!」


「おはよう!」


「……それで、彼氏は?」


「朝の挨拶の直後に確認すること!?」


教室中が大爆笑に包まれた。


一時間目・国語


先生が教科書を開く。


「では、主人公の気持ちを答えなさい」


「はい」


「彼氏がいない悲しみです」


「勝手に物語を変えないでください!」


二時間目・数学


先生が黒板に数字を書く。


「恋人は一組で二人」


「数式じゃなくて現実の話になってる!」


三時間目・英語


先生が黒板に英文を書く。


「Repeat after me.『I need a boyfriend.』」


「そんな例文あります!?」


四時間目・理科


先生が実験器具を見ながら首をかしげる。


「化学反応が起きませんね」


「実験は成功してます!」


「恋愛反応の話です」


「理科から離れてください!」


休み時間


主人公は逃げるようにトイレへ駆け込んだ。


「ここなら静か……」


すると、隣の個室から声が聞こえてくる。


「彼氏できた?」


「ここまで聞きに来ないでー!」


個室から出て手を洗っていると、今度は別の生徒が声をかけてきた。


「まだ更新なし?」


「何の速報ですか!」


五時間目・社会


先生が黒板に「少子化」と書く。


「今日は少子化について考えましょう」


主人公は嫌な予感を覚えた。


「嫌な予感しかしない……」


先生は主人公を見る。


「まずは彼氏を作りましょう。クラスでいないのは、あなただけですよ」


「社会問題を私一人で背負わせないでください!」


六時間目・体育


体育教師が笛を鳴らした。


ピーッ!


「集合!」


全員が整列する。


「今日の目標!」


「はい!」


「50メートル走は全力!」


「はい!」


「彼氏作りも全力!」


「そこは返事しません!」


音楽


先生が楽譜を配る。


「今日はラブソングです」


その瞬間、クラス全員が主人公を見る。


「見ないで歌って!」


美術


先生が言った。


「今日は好きな人を描いてください」


主人公が手を挙げる。


「風景でいいですか?」


「現実から逃げない」


「美術で人生相談しないでください!」


家庭科


先生が黒板に文字を書く。


「今日は恋人との将来について考えましょう」


「またですか!」


授業が終わり、廊下を歩いていると、他クラスの先生とすれ違った。


「こんにちは」


「こんにちは」


「彼氏を作りなさい」


「定型文なんですか、それ!」


今度は保健室へ逃げ込む。


保健室の先生が優しく尋ねた。


「何か悩みある?」


「あります!」


「彼氏?」


「違います! 学校全体です!」


廊下に出ると、用務員さんが掃除をしていた。


「今日も掃除したけど、彼氏は落ちてなかったな」


「落とし物扱いしないでください!」


主人公は再びトイレへ避難した。


「ここなら静か……」


すると、また隣の個室から声がする。


「彼氏できた?」


「個室越しに聞く話!?」


主人公が手を洗っていると、別の生徒が近づいてきた。


「彼氏、紹介しようか? 小学一年生なら紹介できるけど?」


「年の差ありすぎだろ! 犯罪じゃないか! ……というか、まず手を洗ってから紹介してください!」


放課後


なぜか主人公は校長室へ呼び出された。


校長先生は腕を組み、真剣な表情で主人公を見る。


「君」


「……はい」


「彼氏を作りなさい」


「そこからですか!?」


校長先生はさらに真剣な顔になる。


「高望みはやめなさい」


「進路指導より恋愛指導のほうが熱心じゃないですか!」


「学校全体が心配しているんだ」


「心配の規模が大きすぎます!」


その瞬間、廊下や職員室から先生たちが顔を出した。


「頑張れ!」


「応援してる!」


「ファイト!」


主人公は思わず天井を見上げて叫んだ。


「この学校、私の恋愛しか議題がないんですかーー!!」


校舎中に笑い声が響く。


主人公は通学バッグを抱え、


「もう帰りまーす!」


と叫びながら校門へ向かって走り出した。


すると突然、校内放送が流れる。


『本日の連絡です』


主人公は足を止めた。


「今度こそ普通の連絡だよね? 忘れ物とか……」


放送委員の声が校内に響く。


『最後に一つ。恋人がいないのはこの学校に一人だけです。積極的に恋人を作りましょう』


主人公はゆっくり振り返った。


「お前もか! 放送までするな!」


そして校舎に向かって叫ぶ。


「なんで私なんですかーー!」


再び学校中に笑い声が響き渡りた。


そして帰り道。


近所まで戻ってきたところで、小学生たちが主人公のそばに寄ってきた。


「あ、彼氏いない人だ!」


主人公は思わず足を止める。


「……なんで知ってるの?」


「この辺じゃ、みんな知ってるよ」


「なんで!? 誰やねん、こんな噂流してるの!」


どうやらいつの間にか、「美人なのに彼氏がいない人」という噂が近所にまで広まっているらしい。


「広まりすぎだろ!」


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