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転生したらみんなが恋人いる謎の世界だった。どうして私だけいないの。  作者: まやまや
転生した世界。皆が豊かで平和すぎる世の中だったのに私だけ彼氏がいない。

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19話 帰宅後の家族会議

学校から帰宅すると、主人公はリビングにいた母に今日の出来事を話した。


「ねえ、お母さん。うちの学校、ほとんど全員に恋人がいるみたい」


「あら、そうなの」


母は洗濯物を畳みながら、平然とうなずいた。


「それでね……私ね 彼氏いなかったの」


その瞬間、母の手からタオルが落ちた。


「えっ……?」


「だから、今、私彼氏がいないんだって」


母は主人公の顔をじっと見た。


次に髪を見て、全身を上から下まで確認した。


そして突然、両手で顔を覆った。


「う、うそでしょう……!」


「なんで泣くの!?」


「こんなに美人で、いかにもモテそうな顔をしているのに!」


母はソファに崩れ落ちた。


「スタイルだって悪くないのに! どうして彼氏がいないのよおおお!」


「こっちが聞きたいよ!」


母は本気で号泣していた。


まるで主人公が受験に落ちたか、家の財産を全部失ったかのような泣き方だった。


そこへ父が帰ってきた。


「ただいま。どうしたんだ? 誰か亡くなったのか?」


母は涙を拭きながら、父に駆け寄った。


「あなた……落ち着いて聞いて」


「あ、ああ」


「この子……学校で彼氏がいないんですって!」


父の鞄が床に落ちた。


「なにぃ!?」


「そんな国家の一大事みたいに言わないで!」


父も主人公の顔をじっと見つめた。


「この顔で?」


「この顔で」


「このスタイルで?」


「このスタイルで」


両親は顔を見合わせた。


そして同時に泣き始めた。


「どうしてなんだあああ!」


「育て方を間違えたのかしらあああ!」


「彼氏がいないだけで育児失敗扱い!?」


リビングが完全にお通夜のような空気になった。


そのとき、弟がジュースを飲みながら部屋に入ってきた。


「何騒いでるの?」


主人公は助けを求めるように弟を見る。


「ねえ。あんたは恋人なんていないよね?」


「いるよ」


弟は当然のように答えた。


「……え?」


「彼女。小学校の同じクラスの子」


「弟にまで負けたあああ!」


今度は主人公が叫ぶ番だった。


母はさらに泣き、父は天井を見上げた。


「ついに家族で恋人がいないのは、この子だけか……」


「家族内ランキングまで最下位になった!」


弟は冷蔵庫からもう一本ジュースを取り出しながら言った。


「お姉ちゃん、高望みしてるんじゃない?」


「小学生に恋愛指導されたくない!」


「まずは自分から話しかけないと」


「正論を言うな!」


母は涙を拭き、突然立ち上がった。


「こうしてはいられないわ!」


「何をする気?」


「今夜、家族会議を開きます!」


父も真剣な顔でうなずいた。


「議題は、どうすれば娘に彼氏ができるかだ」


「もっと大事な議題があるでしょ!」


「候補者を最低でも十人は集めないとな」


「お見合い会場を作るな!」


弟は携帯を取り出した。


「僕の友達の弟、紹介しようか?」


何歳やねん。


「家族総出で動き始めた!」


こうしてその日の夕食は、主人公以外の家族全員による緊急恋愛対策会議となった。


主人公の意見だけは、最後まで一度も聞かれなかった。

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