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転生したらみんなが恋人いる謎の世界だった。どうして私だけいないの。  作者: まやまや
転生したら男でした。

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126話 子ども家庭庁のおねいさんの栄転(1)

子ども家庭庁のおねいさんは、主人公からの告発を受け、一か月の謹慎処分となっていた。


そして謹慎が明けた初日、彼女は上司の部屋へ呼び出された。


「君には、これまで我が庁に多大なる貢献をしていただいた」


上司は満面の笑みを浮かべていた。


「は、はい……」


告発されて謹慎を受けた直後なのに、なぜか褒められている。


「我々としても、君にはいずれ幹部となり、子ども家庭庁を支えてもらいたいと考えている」


「幹部……ですか?」


「そうだ。そこで今回は、さらなるステップアップのため、とっておきのポジションを用意した」


上司は彼女の肩をたたいた。


「期待しているぞ。頑張ってくれたまえ」


「ありがとうございます!」


彼女は思わず頭を下げた。


謹慎は痛かったが、どうやら将来の幹部候補という立場までは失っていないらしい。


もしかすると、新しい部署の責任者にでも任命されるのかもしれない。


部屋を出た直後、彼女の端末に辞令メールが届いた。


彼女は期待に胸を膨らませながら、メールを開いた。


そこには、大きな文字でこう書かれていた。


『子作り国家試験・試験監督を命ずる』


彼女はその場で固まった。


「……え?」


もう一度、画面を見た。


『子作り国家試験・試験監督』


何度見ても同じだった。


「これ、ステップアップじゃない! 罰ゲームよ!」


子作り国家試験の試験監督。


それは、子ども家庭庁の職員たちが口をそろえて「絶対にやりたくない」と言う、悪名高いポジションだった。


試験中は長時間にわたって受験者と試験官を監督し、細かな規則違反がないか確認し、問題が発生すればすべて責任を負わされる。


しかも、受験者と試験官からの苦情も多い。


精神的にきついうえ、少しでも判断を間違えれば始末書である。


彼女は全速力で上司の部屋へ戻った。


「上司! これは何かの間違いですよね!?」


「間違いではないよ」


上司は落ち着いて答えた。


「私、謹慎明けなんですよ!? もっと普通の部署から復帰させてください!」


「君ならできる」


「できるかどうかじゃなくて、やりたくないんです!」


「君には期待しているよ」


「その言葉で全部押し切ろうとしてません!?」


「幹部を目指す者には、困難な現場を経験してもらう必要がある」


「それ、左遷を格好よく言い換えているだけですよね!?」


「左遷ではなく、栄転だ」


彼女は机に両手をつき、涙目で訴えた。


「お願いします! せめて別の部署にしてください!格下げでもいい。広報でも、清掃でも、端末管理でも何でもやります!」


「君には期待しているよ」


「二回目!」


「これは君にしか任せられない重要な仕事だ。」


「絶対、ほかの人が全員断っただけでしょ!」


上司は笑顔のまま、彼女の端末に着任案内を送信した。


「明日の午前八時、第一国家試験会場へ出勤するように」


「明日から!?」


「頑張ってくれたまえ」


「行きたくありません!」


「君には期待しているよ」


「三回目! もうその言葉、聞きたくない!」


しかし辞令は正式に発令されている。


拒否すれば、今度は一か月の謹慎どころでは済まない。


彼女は床に崩れ落ちた。


こうして、かつて幹部候補と呼ばれていた子ども家庭庁のおねいさんは、幹部候補として、職員全員が恐れる子作り国家試験の試験監督として働くことになった。


かなりの人が、幹部候補だったが自ら脱落している部署だった。


端末の画面には、上司から最後のメッセージが届いていた。


『君には期待しているよ』


彼女は無言で通知を消した。

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