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転生したらみんなが恋人いる謎の世界だった。どうして私だけいないの。  作者: まやまや
転生したら男でした。

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113/164

113話 この国の国家予算(2)

主人公は、そのまま勢いで国の収入まで調べてみた。


画面には、今年度の歳入が一覧で表示されている。


項目金額

所得税約8兆2,500億円

法人税約6兆7,400億円

防衛特別税など約2,000億円

相続税約1,000億円

酒税・たばこ税・関税・印紙税など約2兆1,500億円

税収合計約17兆4,000億円

国のその他収入約2兆9,000億円

国有地の地代・不動産収入約7兆円

歳入合計約27兆3,000億円


「……27兆3,000億円?」


主人公は思わず画面を二度見した。


今年度の歳出は、25兆7,000億円だったはずだ。


「えーっと……引き算すると……」


端末に計算させる。


表示された数字は――


1兆6,000億円の黒字。


「めちゃくちゃ余ってるじゃん!」


思わず声が出た。


前世では、国というものは毎年のように「財源が足りない」「税収が足りない」「増税が必要だ」と言っていた気がする。


ところが、この国は違う。


普通に歳入が歳出を上回っている。


「いや、強すぎるだろ。この国の財布……」


主人公は、改めて歳入の内訳を眺めた。


すると、一つだけ妙に目立つ項目がある。


国有地の地代・不動産収入――約7兆円。


「……7兆円?」


一瞬、意味が分からなかった。


「地代と不動産だけで?」


そこで主人公は、はっとした。


「あ、そうか。この国、土地が全部国のものだった」


この国では、住宅地も商業地も工業地も、土地そのものは基本的に国が所有している。


国民や企業は土地を購入するのではなく、国から借りて使用する仕組みになっている。


当然、借りている以上は地代を払う。


そして、その地代が毎年、国の収入として入ってくる。


「……国、大家さんじゃん」


しかも、ただの大家ではない。


全国規模の大家である。


都市の一等地も、郊外の住宅地も、工業地帯も、地方の土地も、すべて国が所有して貸し出している。


「そりゃ7兆円も入るわ……」


税金による収入が約17兆4,000億円。


そこへ、税金とは別に約7兆円もの地代収入が加わる。


「毎年7兆円の家賃収入みたいなものか……」


少し考えてから、主人公はつぶやいた。


「国、不動産王じゃん」


しかも、土地を売ってしまうわけではない。


国が土地を持ち続けている限り、毎年安定して地代が入ってくる。


これなら、消費税がなくても相当な収入を確保できる。


さらに、この国では高齢者向けの社会保障費もない。


そのうえ、毎年莫大な地代収入まである。


「なるほど……だから税金をそこまで高くしなくてもいいのか」


主人公は画面を眺めながら、ようやく納得した。


税金が安い。


消費税もない。


それでも国の財政は黒字。


そして国民には、子育て支援をはじめとしたさまざまな制度が用意されている。


「……もしかして」


主人公は、普段の街の様子を思い浮かべた。


外食を楽しむ家族。


休日に買い物へ出かける人たち。


広めの家に住み、趣味にも普通にお金を使っている国民たち。


前から不思議に思っていた。


この国の人たちは、どこか生活に余裕がある。


「そっか……」


主人公は小さく頷いた。


「税金が軽くて、国にもちゃんと収入があるから……みんな生活に余裕があるのか」


そう考えると、今まで不思議だったこの国の暮らしぶりにも、少し納得がいった。

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