100話 男の健康診断
昼休み、主人公の携帯端末に国から通知が届いた。
『健康診断実施のお知らせ』
『男性国家試験未合格者は、子ども家庭庁の担当職員と相談のうえ受診日時を決定し、今年度中に必ず受診してください。正当な理由なく受診しなかった場合、罰則の対象となることがあります』
「健康診断を受けないだけで罰則って、重すぎないか?」
主人公が画面を見ながらつぶやくと、教室のあちこちから同じ話題が聞こえてきた。
「俺、通知が届く前に先生に相談して来週行くことになった」
「俺は一か月後。予約が混んでいるらしい」
「俺なんか冬休みだぞ」
子ども家庭庁のおねいさんに既に部活動や試験や特別授業の日程を確認しながら、余裕を持って予約していた人が多かった。
しかし主人公には、健康診断を後回しにできない事情があった。
子ども家庭庁の担当職員による特別授業が、毎日予定されているためだ。
放課後、主人公はさっそく担当の先生に相談した。
「あの、健康診断のお知らせが届いたんですけど」
「ああ、それね」
先生はタブレットを取り出し、病院の予約状況を確認した。
「来週は満員。一か月後もほとんど空いていないわね」
「じゃあ、かなり先になりますか?」
「あっ」
先生の指が止まった。
「明日、病院が空いているわ」
「明日?」
「明日に予約したわ」
「相談開始から決定まで十秒!」
主人公の端末に、予約完了通知が届いた。
『受診日時・明日午前九時』
「心の準備をする時間は?」
「今夜あるじゃない」
「睡眠時間を心の準備に使わせないでください!」
先生はタブレットを閉じると、にっこり笑った。
「それじゃあ、今日の特別授業はやり方を変えるわ」
「嫌な予感しかしません」
「明日の検査に備えて、特別メニューよ」
最初は尿の採取だった。
先生の前で、尿を採取された。
「これって先生の前でやる必要ってある?」
「必要あるの。不正があるかもしれないし」
次は、便の採取だった。
これは、トイレでの採取だった。先生に励まされられながら採取した。
「これって出なかったらどうするつもり?」
「でなくでも、後日病院に提出すればいいよ」
「今やる必要ないじゃないですか?」
「適正な検査するためには必要なの」
「こんなんで不正なんかするか」
「不正するかもしれないわよ」
子ども家庭庁のおねいさんが笑っていた。
最後に、主人公の体液の採取だった。
この検査に不合格になるとあとで大変らしい。
この検査で不正がないように、初回は必ず子ども家庭庁の担当者が採取することが国で決まっていた。
主人公は子ども家庭庁のおねいさんに何度も搾り取られた。
最後ぐったりした。
次の日、3つの検体をもって健康診断に行った。
結果は正常だった。
子作り検査も問題なしでした。




