久しぶりの集まり
「それで、ウィリアム様とアラベラ様はキスはされました?」
「キッッ……!」
お昼休み、ミライ様も加わった5人でご飯を食べていると、唐突にこんなことを言い始めた。
むせる人男子、顔を真っ赤にする女子、それぞれの反応にミライ様はにっこりしていた。
「うんうん、良き反応ですね!」
「ミライ様、からかうのはやめてください!」
「えっへへー。いや半分真面目なんですけどね?」
きゅるるん、という顔をしながら手を顎に当ててのぶりっこポーズ。
可愛いんですけどね。ちょっと昔のミライ様を思い出して複雑な気持ちになる。
「わ、私たちはまだ学生ですし、何よりまだ正式な婚約者ではありませんので……。」
「僕はアラベラが望むならいつでも。」
「も、もう!」
「あー……生きててよかった。ウィリアム様のこのイケイケな感じ最高です、ご馳走様です。」
ウィリアム様と私に向かって手を合わせて拝むミライ様。
そんな様子にダビとリタ様が顔を見合わせて驚いていた。
「本当に、まったくの別人ですね……。」
「そうだな……テンション的には、あまり変わらないかもしれないが……。」
「いやー、本当。記憶を失ってる私は恐ろしいことをしていましたね。こんなに美しく優しいアラベラ様をライバルだなんて。それでいてウィリアム様の前だとかなり照れ屋な……、」
「ミライ様やめて下さい恥ずかしいです……。」
「記憶が戻ったのは僕としても助かったけど、ベラは僕のものだからね?」
「わっっ分かっております!アラベラ様はウィリアム様の婚約者です!はわ……推しカプのモブになれた……。」
「これはこれで危ないんじゃねぇの?」
「だ、大丈夫よ!ね、ミライ様!」
「はい!私は正常です!」
勉強エリアで話をしていた時よりも、生き生きとしているのは、やはり私とウィリアム様がいるからなのかしら……。
いえ、このゲームの製作者ですもんね。自分で作ったキャラクターとこうして話せるのはきっと楽しいのよね。
そんなことを思いながら、久しぶりにみんなで食べるお昼ごはんは美味しくて楽しかった。
苦しい現実を突きつけられて、そのことばかりが頭をよぎって辛かったから、少しだけ気が楽になった。
でも、現実から目を逸らしてばかりもいけないので、今後の話を聞かなくちゃ。
「ミ、ミライ様、あとでお話しよろしいですか……?」
「え?あ、はい勿論!ウィリアム様、少し、またアラベラ様をお借りしますね!」
「……すぐ返してね。」
「勿論です!睨まないで下さい、何もしませんので!」
「その言い方だと、渡したくないんだけど……。」
ウィリアム様に、じと。と睨まれるミライ様は、更に嬉しそうな顔で笑った。
周りから見たら違う意味でヤバイ人と思われるから!ミライ様落ち着いて!




