↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
69/74

ハッピーエンドに必要なこと

ミライ様のあの発言のせいで、ウィリアム様はかなり微妙な顔をされていたけれど、どうにかミライ様と二人でお話ができることになった。


「それで、ミライ様。私は今後どうすれば……。」

「あー、そうね、とりあえずウィリアム様とキスをしてください。」

「いや、だからそういうのは……。」

「そういうのは、じゃなくて、これもハッピーエンドに必要なことなの。」

「そう、なんですか……。」


ミライ様は真面目な顔で言っていたので、冗談ではないのだろう。


「このゲーム、乙女ゲームなので。アップデート後の追加シナリオでも、そこまでシリアスにはしたくなかったのよね……。」

「あのっ、その追加シナリオの結末って……。」

「アラベラの性格は歪まなくなって、未来に戻ったミライは、ヴァネッサとアラベラの3人で楽しくお茶会をするのよ。ヴァネッサも、ニコラルートだとライバルにはなるけれど、いじめてきたりはしない。」


その光景を想像していたのだろうか、ミライ様は目を細めて微笑む。

そんな素敵な未来が……私の行動次第で……。


「それって、アラベラの周りの人たちが助かるってことですよね?」

「そうね。それには、ウィリアムとのキスは必須だから、ちゃっちゃとするように!」

「な、なんかタイミングとか……。」

「うーん、本当だったら夏にひまわり畑で……ってそれ過去(オートモード)の私が邪魔したやつだ……。」


ミライ様は頭を抱えて、ぐぬぬ……と唸っていた。


「オートモードのテスト、そういえばちゃんとしてなかったんだよなぁ……。」

「ま、まあ、過ぎたことですし……。っていうかひまわり畑ってイベントスチルでもあったんですか。」

「あるわよ。二人が仲睦まじく過ごしているスチルが。主人公が端でにっこり笑ってるの。」

「わぁ、現実と大違いですね……。」

「悔しいー!ひまわり畑で寄り添う、生のウィリアラ見たかったぁ……。」


ひとしきり唸ると、多少はストレス発散したのか、ミライ様はこちらを見てにっこりと頬笑んだ。


「キスさえしてしまえば、大丈夫なはずだから!頑張ってね、()()()()()()。」

「そ、そんな話が……。」

「あるのよ。はい、じゃあ第二回テンセイシャ会議は終わり!」


そう言われて、勉強ルームから出てくると、「お話は終わった?」とウィリアム様が声をかけてきた。

ウィリアム様、待機されてたのね……。


「はい、バッチリです!それではアラベラ様、よろしくお願いします。」


バチンとウインクを飛ばしてミライ様は、そのまま図書室の奥に去っていった。

そういえば、ミライ様も図書委員だったことを忘れていた……。


「何をよろしくなの?」

「ああ、いえ、ウィリアム様と……。」

「僕と?」

「ええっと……今度お話ししますね。」


ウィリアム様にじっと見つめられて、恥ずかしくなって顔を背けてしまった。


「僕に隠し事?」


眉を下げて寂しそうな顔をされるウィリアム様。前よりも表情が豊かになった……というより、私が分かるようになったのかしら。


「ち、違うんです。そうじゃないんですけど、私の心の準備といいますか……。嫌な話ではないんです、決して。」


だって、ウィリアム様とキスをしなきゃいけないんです!なんて、そんなこと誰が言えるのよ!


「だから、待っていただけると……。」

「分かった。嫌な話じゃないならいいよ。ベラが言えるようになったら言ってね?」

「はい……。」


返事をすると、微笑みながら頬をそっと撫でてくれた。

優しい顔。

この人を守るためにも、よくわからないけど、私はウィリアム様とキスをする必要があるらしい……。


理由くらい、教えてくれてもいいのに。

そう思いながら、ウィリアム様の撫でてくれた手に触れて、私も微笑んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。