なんでもできる
クラスルームに戻ると、次の授業はタイミングよく自習。
声がかけづらかったけど、ダビを呼んでささっと教室の外へ。
「この間は、逃げてごめんなさい。」
「俺こそ、いきなり、悪かった……。」
バツが悪そうにダビは少し下を向いていた。
自分の手をグッと握り、私はダビの方を向いて決意表明を口にする。
「私ね、多分これからもウィリアム様が好き。例え、お心が変わられたとしても。」
「それじゃあ、お前は……。」
「ウィリアム様が幸せなら私も幸せなの。」
「だから俺が……。」
「ダビじゃ私は幸せになれないし、私じゃダビは幸せになれないの。」
きっと、代わりにしてしまう。
ウィリアム様の仕草をダビに探そうとしてしまう。全く違うのに。
それは、どちらに対しても失礼だ。
「不幸せでもいいから、アラベラの傍に居たいのは、駄目なのか?」
「駄目ね。私はダビにも幸せになって欲しいの。幼馴染として、友達として。」
「そう、か……。」
「だからね、ごめんね、ダビ。」
「うっせー、何度も謝るなよ。傷付くだろうが。」
「ふふ。でも、ダビさえよければ、これからも友達でいて欲しい。」
「……当たり前だろ。」
「よかったー!」
「し、しばらくは無理だし、ウィリアムにだって俺はめちゃくちゃ当たるぞ。諦めることだって、簡単には……。」
「ウィリアム様に当たるのはやめて頂きたいわね。私が当たりにいくから。」
「……は?」
フンッと私は鼻で笑ってみせた。
「この私とタダで婚約破棄出来るなんて、思わないことね。」
「お、お前……何するつもりだ?」
ダビが少し焦った顔をしている。
こんな表情、中々見ないからビックリした。
「何でもないわ。ただ、ご挨拶をするだけ。」
今の私なら何でもできる、気がする。
友人たちとこうやって仲直りできた私は無敵だ。
単純なのかもしれないけど、いつまでもうじうじしているよりはいいでしょ?
新しいゲームルートが、出来ている。
結のリボンで、ウィリアム様は主人公ヒロインとの接触率をめちゃくちゃあげられている。
あれは好感度もあがるんだったかは覚えてないけど。
……もうそんなのどうでもいい。
私はゲームの中の悪役令嬢キャラクターになったのかもしれない。
でも感情がある、こうやって生きている。
これも仕組まれた感情ことなのかもしれないけど、やってやろうじゃない。




