↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
59/74

無縁になったもの

ドジ、どこまでもドジ。

映画のワンシーンのように、自分自身がゆっくりと落ちていく気がした。


ビダーン!と床に思いっきり叩きつけられる音がした。

ひんやりとした床は、当たり前だけど柔らかくはない。


「った……。」

「アラベラ様?!大丈夫ですか?」


真っ青な顔したリタ様が陰から現れた。


「リ、リタ様?!」

「ああ、どうしよう、先生を呼ばないと……。」

「い、い、え、大丈夫です。何ともないので。」

「何とも?!」

「は、はい……。」


嘘ではなくて、落ちた瞬間はとても痛かったけれど、不思議と今は何処も痛くないのだ。

よいしょ、と立ち上がってみたけれど、立ち眩みも、歩きづらさも何もない。


「本当に何処も、痛くないんですか?」

「はい……。」

「一応、保健室に行ったほうが……。」

「そうですね、念のため行ってきます。ご心配をおかけして……。」

「あ、アラベラ様。私、ずっと謝りたくて。……お気づきかと思いますが、ずっと尾行していました。」

「え。」


全然、全然気付かなかった。


「私、本当こういうの初めてで、自分の気持ちが上手くコントール出来ずに、アラベラ様に当たって……すみません。」

「そんな……私こそ、リタ様の気持ちを知りながら、すみません。」

「いえ、アラベラ様が謝ることでは……。」

「いえそんな。」

「いやいや。」

「いえいえ。」

「っふふ。これじゃあ、いつまで経ってもキリがありませんね。」

「ふふ、本当に。」


二人で目を合わせて、笑う。


「仲直りさせてもらっても、いいですか?」

「ええ、それは私からもお願いします。」


握手をして、それから、ポケットに入れていたリボンを渡す。


「ありがとう、ございます。」

「いいえ、こちらこそ。」

「……保健室行きましょうか。」

「はい。」


仲良く笑いながら二人で保健室に行ったものだから、保健室の先生には何か変な魔法をかけられたのでは?!と心配された。

事情を説明すると青ざめた顔で、色々と観てくれた。


「何も、問題ないね。特に異常はなさそう。というか……。」

「というか?」

「何か、防御魔法のようなものをかけられている、みたい。」

「え?」

「結構、高度なものだと思う。心当たりがない?」

「いいえ、全く……。」

「恐らくその防御魔法で、今の君は怪我をしにくい身体になっているんじゃないかな。」

「はあ……。」

「心当たりがないのは不思議だけど、君にとってはプラスのものだから大丈夫だよ。」


保健室の先生はそう言ってにっこりと笑った。

お礼を言って保健室を後にしたものの、心当たりが一切ない私は頭を悩ませる。


「この間は私、怪我したのよねぇ。」

「そうですよね……。」


馬車から降りるのを失敗して、捻挫をした時は確かにずっと痛かった。

少しの間二人で悩んでいたものの、予鈴がなったので、パタパタとお互いのクラスルームへ戻った。

……話さない期間は数日程度ではあったけれど、こうやってまた一緒に話せて嬉しかった。

私は少しニヤつきながら廊下を早歩きした。

今の私なら、色々出来るかもしれない。

一部ページ、誤字修正させていただきました。いつも、ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。