もうすぐ競技祭
ミライ様は、ウィリアム様と同じ隣のクラスになった。
それと、同じ図書委員にもなったとか。
本当、いつも一緒にいるのね……。
合同授業で一緒にはなるけど、挨拶をするくらい。
新学期に入ってからは一緒にご飯も食べてない。
……私が二人と、その二人の噂を避けて、あれから裏庭で食べているっていうのもあるんだけど。
はぁ、と食べかけのサンドイッチを持ちながらついてしまった。
一緒にお昼を取ってくれるいつもの二人が、心配そうに私を見ていた。
「ああ、ごめんなさい、無意識だったの……。」
「……。」
「ため息つきたくなる気持ちも分かりますわ、もう競技祭ですもの。」
ダビは黙ったままだけど、リタ様が言葉を返してくれた。
「あ、え、ええ。そうね、競技祭も憂鬱ね……。」
「私は障害物競走?に出ることになりました。」
「あら、そうなの。楽しそうね。」
「アラベラ様はご存じなんですか?障害物競争。」
「見たことはないんですけど、網を潜ったり、粉の中から飴を探したりとか色々な試練を乗り越える競争だったかと……。」
「不思議な種目なんですね……。」
言ってみたものの、それって前世の記憶だよりの話だし、魔法が使えるこの世界だともしかしたら全然違うかもしれない……。
でもゲーム中でも競技祭ってあって、ヒロインが参加した種目が障害物競走だったような。
競技祭イベントはヒロインがその時点で好感度一番高い相手に、借り物競争で選ばれるのよね。
手を引かれて一位でゴール。そんなスチルあったっけ。
「アラベラ様は何の種目に……。」
「私は1000m走に出ることになりました。」
「大変そうですね……。」
「ええ、でも誰も立候補者がいなくてね……。」
嫌だったんだけどね!
でもいつまでも決まらないのも嫌だったから、仕方なく、ね。
「その代わり、他の競技は免除になりましたので、後はゆっくり応援席から見させてもらいますの。」
「クラスは違いますけど、私の勇姿見ててくださいね!」
二人できゃっきゃと話をしていると、ダビがため息をついた。
「……お前ら、生徒会役員としての競技のこと忘れていないか?」
「「あ。」」
「リレー、あるからな?」
「はい……。」
「そうでした……。」
今年の競技祭の委員会ごとの種目はリレーになったらしい。
競い合うといっても、エキシビジョンマッチみたいなもので、勝っても特に何かあるわけではない。
何もないなら、やらなきゃいいのに……!って思ったけど、クラス対抗の競技祭だって別に勝ったからって何かあるわけじゃないのよね。
生徒会役員は多くないので、全員参加だそう。
……やっぱり夏季休暇中、少しは走る練習すればよかった……。
いや、今からでも……。
「変に練習して、また怪我するなよ。」
「ぐっ……。」
ダビに釘を刺され、その通りだった私は呻き声しか出すことが出来なかった。




