ジゼルの休日 side:J
ジゼル視点です。
リタがアラベラ様を訪ねてきてくれた次の日。
私は急遽お休みになった。
アラベラ様が「たまには姉妹でのんびり過ごして。」と休暇をプレゼントしてくれた。
夏季休暇中、かなり休暇は頂いているから大丈夫だと断ったのだけれども……。
それに、まだアラベラ様のことが心配でもある。
リタも同じようなことを思っていたみたいで、コルソン家の庭を借りてお茶をさせてもらおう、と二人で決めた。
万が一、何かがあってもすぐに駆け付けられるように。
私物のお茶とお茶菓子を部屋から取ってきて、それを二人で食べながら話をしていた。
学内でもたまに会っていたけど、リタは前よりもとても明るく元気になった。
今でも緊張したり、慣れない場所に入れられると、人一倍オロオロするみたいだけど……。
昨日のコルソン一家の中に放り込まれたリタは、目を回しそうになっていた。
けれど、リタのお陰でアラベラ様が部屋から出てきてくれて、旦那様も奥様もお礼がしたい、と言っていたのだ。
リタへの好感度がコルソン一家の中でかなり上がっていることを、本人は知らない。
「アラベラ様、大丈夫かなぁ……。」
「早くウィリアム様と仲直りできるといいわね……。」
「それにしても、ミライって子、そんなに私にそっくりなの?」
「そうねぇ、見分けが付かないほどではないけれど、とても似ているわね。」
ウィリアム様にご執心のミライという女の子。
何故ウィリアム様はあんな子を近くに置いているのかがよく分からない。
アラベラ様は何か知っているようだけど……。
「ウィリアム様、アラベラ様以外の女子が得意ではない、ってお話し下さったのよねぇ。」
だから不思議なの。とお菓子を頬張りながらリタは言った。
「何か事情があってのことだとは思うけど、ウィリアム様だから……。」
「そうなんだけどね、ウィリアム様が大丈夫でもアラベラ様がね、耐えられなさそうで。」
「そうね、その時はリタ、支えてあげてね。」
「うん、頑張るけど……私で務まるかなぁ。」
「昨日、務まったじゃない。」
「そうかなぁ、えへへ。」
「ええ、だからこれからもアラベラ様のこと、よろしくね。」
「勿論!」
にっこりと笑うリタはやっぱり可愛い。姉の贔屓目ではない、はず。
「でも面白いね。」
「ん?」
「私たち、ずっとアラベラ様の話してる。」
「そういえば、そうね。」
「姉妹揃ってアラベラ様のこと大好きって、なんか嬉しい。」
「ふふ。」
こんな風に姉妹で笑ってお茶をできるのも、アラベラ様がいたから。
アラベラ様がいなければ、私はここにいないし、リタもここにはいない。
姉妹の交流はあっただろうけど、こんなにもリタが明るく笑っていたかは分からない。
今はそんなアラベラ様が、心から元気になってくれることを願っている。
「あ、今からアラベラ様呼ぼうよ!なんか姉妹水入らず、とか遠慮されてたけど。」
「そうね、アラベラ様さえよければご一緒して……」
「「僕らが呼んでくるよ!」」
「ぎゃあ!」
「アーミル様、アーロン様、いらっしゃったなら声をおかけください!」
少し騒がしいけど、これが私の大切な一家。




