周りを固められる
「お前、ウィリアムに婚約破棄持ちかけたんだって?」
数日後。
お兄様方に用事があったというダビが、私を見つけると声をかけてきた。
「ウィリアム様から聞いたの……?」
「執事から、な。」
「ああ、あの方……。」
先日のお茶会には侍女のジゼルが居たように、ウィリアム様の専属の執事も居た。
誰彼構わず喋るわけではないが、ダビみたいなウィリアム様とも仲が良い相手にはお喋りになると聞いた。
「お前、ウィリアムにそういう冗談はやめておいた方がいいぞ?」
「冗談じゃないのよ?私は真面目だったの。」
「俺にまでとばっちりくるんだからな、こういうの。」
はぁ、とため息をついたダビはそのまま去ろうとしたので、「お茶でも飲まない?」と引き止めたのだが「日が悪い。まだ死にたくないからまた今度な。」と断られてしまった。
失礼な。お茶だってお菓子だって毒なんか入れてないわよ。
後ろ姿のダビを心の中で悪態を付きながら見送った。
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夕食時。
父が寂しそうに「ベラとこうやって一緒に過ごせるのもあと少しかぁ。」と呟いた。
「休暇には帰って来ますし、3年後には戻ってくるんですよ?今生の別れみたいな言い方なさらないで。」
お父様は大袈裟なんだから、と笑った。
「いやぁ、卒業後はアーチボルド家にお嫁に行くんだし、戻って来てもバタバタしてるだろう…。」
寂しそうに、でも微笑む父の言葉を聞いて私の食事の手は止まる。
「あの、お父様、今なんと……。」
「ああごめん、言い忘れていたね。先日、アヴァン卿からベラとの婚約を正式なものにしたい、と告げられてね。」
アヴァン卿はウィリアム様のお父様だ。
えっ……タイミング悪……。
「それで、お父様は。」
「勿論、問題ありません、よろしくお願いします!と答えたさ!」
笑顔で親指を立てるお父様は、眩しかったです……。




