お茶会にて
次の日。ウィリアム様がいらっしゃった。
お庭でお茶を、と約束をしていたので晴れていてよかった。
婚約破棄をするには持ってこいの良い天気ね!
「ベラ、久しぶり。会いたかったよ。」
「ウィリアム様、ご無沙汰しております。」
私が挨拶を返すと「ウィルでいいのになぁ」と言いながらもニコニコと微笑まれていた。
うーん、本当に太陽みたいな人だ。
いつも通りたわいの無い話をしたあと、おずおずと話題を切り替える。
「あの、ウィリアム様。」
「どうしたの?」
「あの、婚約のことなんですが……考え直しませんか?」
後ろで控えてた侍女のジゼルが「ヒッ」みたいな声を一瞬出した気がした。
「どういう……意味かな?」
「その、婚約と言っても正式な約束をしたものではないですし……春からは学園に入学もしますし、心機一転、関係をリセットするのも良いかな……と……。ウィリアムさ……ま?!」
いつもニコニコしていたウィリアム様の目がカッと開いてる。え、ちょっと、怖い怖い怖い。
「誰か……好きな人でも?まさかダビとか……?」
「ちちちち違います!そういうわけではございません!!」
ダビはいとこだ。ウィリアム様とも仲が良くて、小さい頃はよく3人で遊んだりしたよなぁ。
とかダビのこと考えてのほほんとしてるわけには行かない。目の前の開眼してるウィリアム様に目を閉じて頂かなければ。いや、いつもニコニコしてるだけで目は開いてるとは思うけどね?!
「そうじゃないんです、なんというか、本当に心機一転!新しい場所に行くので色々変えたかったというか……ウィリアム様が嫌というわけでもございません……。」
全然、言い訳になってない気がする。
けれど、ウィリアム様はいつものニコニコ顔に戻って「なるほどね」と呟いた。
「ベラの気持ちはよく分かった。」
「それでは……!!」
「婚約破棄はしないよ?」
その代わり、と言いながら、私の手を握っていつも以上に微笑まれた。
「心機一転、僕たちの関係をもっと深くしようか。」
「ウィリアム様、手、が…。」
「これまで婚約者と言いながらも、手さえあまり握らせてもらえなかったからね。学園に入ったら、もっと婚約者らしくなっていくことにしよう。」
勿論今からでも構わないさ、とウィリアム様。
何が心機一転なんでしょうか。
よく分かりません。
「あの、でも婚約破棄をしたかったらいつでも気軽に仰って下さいね!」
私がにっこりこう告げると、ウィリアム様は思いっきりため息をつかれた。ウィリアム様、お疲れなんですね。
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ウィリアム様をお見送りした後、ジゼルにはめちゃくちゃ怒られた。
「寿命が縮むかと思いました。」
うん、私もあんな開眼ウィリアム様見たことなかったから寿命縮みそうだった。断罪される前に死ぬかと思った。




