友達を作ろう
一週間後、私はリタ・リナレス様とお話しが出来た。
……というのも。
ジゼルは次の日にリタ様に話を伝えてくれたらしい。しかし。
リタ様は思った以上に奥ゆかしい方のようだ。
クラスルームを覗く見慣れない女子生徒がいたので、声をかけようとするとすぐに早歩きで去られる。
最初、誰だか皆目検討がつかなかったが、もしかしてリタ様なのでは……?と思うようになった。なっただけで、声をかけようとしたら逃げられるのだけども。
それを見かねたダビがその女子生徒の後ろに回り込んで「どうしましたか、リナレス子爵令嬢。」と声をかけてくれた。
少し強引だったからリタ様は怯えてたけど、ダビナイス!
ダビは「コルソン子爵令嬢に何かご用でも……?」とまだ圧をかけていたので、どうどう、とダビを落ち着かせて(俺は馬じゃねーよと怒ってたけど)リタ様に声をかける。
「リタ・リナレス様ですよね?私、アラベラ・カーラー・コルソンと申します。」
「あああああはい、コルソン様、リタ・リナレスと申します、いつも姉がお世話になっておりますうう……。」
「こちらこそ、いつもリタ様のお姉様にはよくしていただいています。」
「姉?」
「ああ、ジゼルがリタ様のお姉様なのよ。」
「へぇ。」
「全然似てはいないんですけど、ね。」
リタ様は俯き、少し小声で自嘲的に笑った。
確かにジゼルとはあまり似ていない。ジゼルは美人な感じだけど、リタ様は私より小柄で可愛らしい感じ。
少し、ヒロインの作画に似ているような……。もしかしてヒロインのお祖母様だったりとかするのかな……。いや、ヒロインは平民だし。うーむ。
「でも、どちらの顔面も羨ましいけどなぁ……。」
「えっ。」
「あ。」
心の中の声が出てしまったみたいだ。
「あ、いや、その、私目つき悪いでしょう?だからジゼルやリタ様みたいな優しいお顔を出来る方、羨ましいなぁと……。ごめんなさい、嫌な気持ちにさせてしまいましたよね……。」
ブルーノ王子の時といい、初対面の相手の見た目について口を出すのは、少し気が緩んでいる証拠かもしれない。
深々と頭を下げるとリタ様が慌てて「顔をあげてください!」と声を出す。
「そもそも私が、自虐的なことを言ってアラベラ様を困らせたのがいけないのです。どうぞお許し下さい。」
リタ様が勢いよく頭を下げる。
私も慌てて頭を下げ返す。
「いつまで二人とも頭下げあっている気だよ……。」
近くにいたダビが頭をかきながら声をかける。
「そもそも、俺がリナレス子爵令嬢に失礼な態度を取ったのが悪かった。」
「それもそうね。」
「いえそんな……私がしっかりしてないから……。」
「ダビ・リュルだ。さっきはすまない。」
「あっ、リタ・リナレスと申します。お二人とも、よければリタ、とお呼び下さい。」
リナレスと呼ばれるの、あまり好きじゃないんです。
とぼそりと呟いた。
「分かりました、リタ様。私のこともアラベラとお呼び下さい。」
「俺のこともダビで構わない。」
「ありがとうございます……!!」
その時、初めてリタ様は微笑んだ。
えっっっ可愛い……。笑った顔、主人公にそっくりじゃない……。
「リタ様、よければ本日一緒にお昼をとりませんか?」
「いいんですか?是非!」
「ええ、では、また後ほど、ここでお会いしましょう。」
「はい!」
更に明るい顔で笑ったリタ様は眩しかった……。
悪役令嬢の祖母にはダメージになるとかないよね?アンデッド系にはヒール魔法が攻撃になるとかそういう……。
と、とにかく、まだ友達と呼んでいいのかは分からないけど、女の子の知り合い作れて嬉しいわ…!!




