兄達からの誘い
「「ベラー、いるかー??」」
「兄様!」
数日後、昼の休憩がはじまって直ぐに、一つ上の兄様"たち"がクラスを訪ねてきた。
お兄様は双子なのだ。
長男のアーミル兄様と、
次男のアーロン兄様。
二人ともそっくりで家族以外で見分けられる人は少ないんじゃないかなぁと思う。私はもちろん見分けられるわよ!
「どうしたんですか?」
キョトンとしていると、兄様たちは大袈裟に片膝をついてポーズを取ってくる。
いつものことだ。クラスメイトは少し引いているけど。
「ちょっとついて来てくれないか?」
「兄様たちは可愛い妹と昼ごはんが取りたい。」
「え?えぇ……。」
そう言って連れて来られたのは生徒会室。
兄様たちって生徒会の役員だったの……?
不思議な顔をしていると「今日はここでご飯を食べるぞ!」とアーミル兄様。
アーロン兄様が座るように急かすので、近くにあったソファに座る。
兄様たちも私を間に挟んで座る。
「あの、兄様たち、向かいのソファはご利用にならないの?」
「ああ、諸事情でな。」
「……ベラ、俺たちはベラを何よりも尊重する。」
兄様たちがとても真剣な顔で喋りだす。
間に挟まれてるからたまにハモる時、サラウンドスピーカーの間に立ったような気持ちになる。立体音響すごい。
「はい?」
「まあそれでも」
「「権力に逆らえないこともあるー!」」
その二人のハモリが合図なのか?と思うくらいのタイミングで生徒会室のドアがガチャ、と開いた。
入ってきたのは赤い髪の、そう、裏庭で会った……。
「アラベラ、また会えたな。」
「殿下……?!」
「ブルーノ、と呼んでくれ。アーミル先輩、アーロン先輩、どうもありがとうございます。」
「いえいえ。」
「大したことではございません。」
わざとらしく礼をする兄様たち……不敬!とか怒られないの……?
「その、私は生徒会役員になることを決めたんだ。」
「そうなんですか。」
「それで……アラベラ、よければ君も生徒会役員になってくれないか?」
「私が……ですか?」
生徒会は毎年希望者制。
入りたい人が入って活動してくれればいい。そんなスタンスだった。
しかし、今年は殿下……ブルーノ様が入ることになって、ブルーノ様目当ての希望者が殺到してしまったらしい。
これでは仕事そっちのけの役員ばかりになってしまう、となり、今年は現生徒会役員からの指名制になったらしい。
来年がどうなるかはまだ未定だとか。
「兄様たちもね、生徒会役員の中で3人もコルソン家がいるってどうだろ?って思ったんだけど。」
「ブルーノ殿下が是非に、と言うから連れて来たんだよ。」
「そうなんですね……?」
「因みブルーノ殿下、妹にはウィリアムという婚約者がいますよ?」
「「手強い婚約者が。」」
「……知っています。」
「生徒会役員には婚約者がいると、何かまずいのですか……?」
3人の会話の意図がイマイチ理解出来ずにいると、頭をポンポンとアーミル兄様にされた。
「それで?ベラはどうしたい?」
「そう!ベラがやりたくないなら兄様たちはそれを尊重する。」
「い、いえ!私、兄様たちと一緒に生徒会役員やりたいです!ブルーノ様も、どうぞよろしくお願いします!」
私がペコリと頭を下げると両隣のお兄さまたちは嬉しそうに笑っていた。
「あ、そしたらあいつもいれるか。ダビ。」
「いいねぇ。ライバルは多い方が楽しい。」
「恋のハードルは高ければ高いほど」
「「燃え上がる!!」」
「嗚呼、アラベラ、君はどうしてアラベラなんだい……?」
すっかり二人の世界になっている兄様たち。いつものことだから私は気にしないのだが、ブルーノ様が取り残されている。
「ブルーノ様、申し訳ありません。兄達はいつもこんな感じなんです……。」
「気にしていない……いや、気にしていないと言ったら嘘になるか。ライバルは婚約者だけではないようだな……。」
「?」
「とにかく、これからは同じ役員同士だから、もっと楽にしてほしい。」
「ぜ、善処します……。」
うーん、ロイヤル相手に楽にするのは難しいわよねぇ……。
キャラクターがそこそこ増えてしまったので、
今のところの主要キャラの紹介です。
アラベラ(15):主人公。悪役令嬢ヴァネッサの祖母
ジゼル(21):アラベラの侍女。
ウィリアム(15):アラベラの婚約者。ニコニコ細目だけどたまに開眼する
ダビ(15):アラベラのいとこ兼幼馴染。ウィリアムとも仲が良い
ブルーノ(15):第一王子。
アーミル(16)・アーロン(16):アラベラの兄で双子。




