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先生とあたしの恋愛化学方程式  作者: 角 秋也


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2/20

He

 鍵を開けて家へ入った。いつも通りの無人の家。冷蔵庫には冷たい夜ご飯。それをレンジで温めて食卓へ置いた。そしてこれまたいつも通り漫画アプリで無料の漫画を読みながらご飯を食べた。

 お母さんとはもうしばらく顔を合わせていない。今日は何時に帰ってくるんだろう。まあ、どうでもいいや。どうせ会っても大して話さないし。

 お母さんは私の事を腫れ物のように扱う。どうせ家を継がせるのを諦めたのならそう言えばいいのに。回りくどい言葉で現状を聞かれるのはどうも嫌だ。今のお母さんの事は、あんまり好きじゃない。

 これからどうしようかなあ。

 ぼんやりとした不安を抱えたままベッドに横になって漫画の続きを読んだ。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆


「んぅ……」

 知らないうちに寝てしまったらしい。携帯で時刻を確認すると、1時になりかけていた。

 面倒な状況になっちゃったな。お母さんも流石に帰ってるだろうけど、お風呂には入りたいし。いっそこのままお母さんが寝るまで待ってからお風呂に入ろうか。それも面倒だなあ。まあいいや、さっさとお風呂入って寝なおそ。

 リビングの扉を開けるとお母さんが真剣な顔でノートパソコンを使っていた。こんな時間まで仕事なんて。こんな無理、いつまでも続くはずないのに。潔く病院閉めて勤めになった方がよっぽど楽だと思うけどな。

「……遅くまでお疲れ」

 一応声をかけると、

「ありがとう。……こんな時間まで起きていたの?」

 もう叱る気力もないのだろう。腫れ物に触るような、その声色が嫌だ。

「寝てた。お風呂、先入るね」

「そ、そう。ええっと……湯舟、まだ追い炊き終わってないから、少し温いと思うけどそのうち温まると思うから」

「……分かった」

 結局この日もこれ以上の会話は無く、私はすぐに寝た。

 パパはいつも,、大事なのはしっかり話して気持ちを伝えること、なんて言っていたのになあ。


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