75話
*
「こんにちは」
翌日の昼過ぎ、ギルドに顔を出した。クマ肉の引き取りに来たのだ。この時間を選んだのは他の冒険者が少なくなる時間帯を狙ったため。今日は休日と決めているのでのんびりしている。
「こんにちは、ヒロヤ君。査定が出ているので、確認お願いしますね」
「はい、ありがとうございます」
カウンターにすっと用紙を滑らせてくるだけで、余計なことは一言も漏らさないセルビナさんに、にっこり微笑み返して査定用紙を確認する。
「……」
うわ、黒クマ高い。いいお値段になるんだなぁ。えっ、虹の花の手付金が書かれているよ…たっか。ひとつ銀貨3枚、3万だって。花だよ? 途中で枯れたらどうするんだよ。
「…いつものようにお願いします」
そ知らぬふりでサインを入れ、カードとともに渡す。
「はい、しばらくお待ちください」
入金手続きをささっと済ませたセルビナさんから、青銅1のカードが戻ってくる。
「もう、引き取りできますか?」
「はい。ご用意できていると思います」
セルビナさんがカウンターに離席中の札を出したところをみると、一緒に裏まで行ってくれるということみたいだ。
2人で裏の解体所へ行く。
「ミンダオさん」
セルビナさんの声に振り返った親父が「おう」と応えて何かを放った。ナイスキャッチしたセルビナさんに連れられ、昨日入った解体部屋に入る。
「5番…ここね」
鍵のかかる棚に保管してあるみたいだ。
セルビナさんが先ほどミンダオさんから受け取ったカギで保管棚の扉を開け、場所を譲ってくれた。
「ブラックベア、レアの塊肉よ。場所の指定がなかったから上から下まで片側半分を確保してもらったわ」
「あ、そうか。すみません、どこが美味しいか分からなくて…助かりました」
部位ごとに分かれているのか、塊肉がごろごろ入っていた。
「パーティでも開くの?」
「いえ…その予定は残念ながらありません。大半は干し肉に加工したりして、楽しみながら食べますよ」
「残念、パーティはないのね」
「あ、ご希望でしたらひとつプレゼントしましょうか?」
セルビナさんは嬉しそうに目を輝かせた。
「ホントに? 私、遠慮しないわよ」
「どうぞー。数が少ないのだけ遠慮してもらえたら、この大きいのでも構わないですよ」
「そこ、モモよ。いいの?」
さすがだ。ブロックになって、しかもハキロの葉で包まれているのにどこの部位か分かるのか。俺は鑑定しないと分からないのに。
「いいですよ、はい」
自分からは手を出しにくいかと、手渡しすると「ありがとう」と言った傍から肉が消えた。セルビナさんのアイテムボックスの中にしまわれたのだ。
残りは俺のマジックポーチに全て入れた…フリをしてアイテムボックスへ。ここにいるのはセルビナさんだけだから、ポーチに入りきらない量の肉が消えても知らん顔してくれている。
「ありがとうね」
「こちらこそ、お付き合いありがとうございます」
こっそり肉の受け渡しが出来たから、俺がブラックベアを討伐した情報は漏れないだろう…と思いたい。
「今日、明日は休みにします。明後日からまだ行ったことがない方面へ行く予定なので…帰りが遅くなったらその翌日になる可能性もあります」
「行先は決めているの?」
「河の方へ行ってみようかと…」
「それじゃあ、次のお土産はバッファローかしら」
「狩りませんからね。当分、大物からは逃げ回りますから」
「あら、残念。…持ち込むときは私がいるときにしてね。お休みの間に納品したら…拗ねるわよ」
「あはは。分かりました。セルビナさんがお休みの時に納品しません。草と鳥だけにします」
「お願いね」
そうか、セルビナさんもおやすみの時があるよな。俺が初めてギルドに来た時も、そう言えばお休みの日だった。登録がセルビナさんじゃなくついていないわねとヒナヒーラに言われたことを思い出した。
あの日から間もなく2カ月。いや…まだ2カ月も経っていないと言った方がいいか。
お休み宣言も済んだし、肉も回収できたし…おっちゃんの屋台に久しぶりに行ってみよう。
ギルドを後にしていつもの広場に行ってみた俺は驚いた。
おっちゃんのガレットの店は繁盛していた。それはいい。問題ない。
問題があったのは、おっちゃんの店で手伝いをしている子供だ。
…なんで、いるんだ?
驚いたことに、レリー村で出会った目つきの悪い子供がいるではないか。ボロボロだった服は普通に見られる服に変わり、きちんと髪も洗って櫛を通したようになっていて見違えた。
離れたところからしばらく様子をうかがっていると、行列の最後の客がガレットを受け取り離れていく。昼時を過ぎている時間だし、今日の前半の分は完売したのかもしれない。
客がいないならいいか、と屋台へ近づいた。
「あっ!」
屋台の横で後片付けをしようとしていた子供が、俺に気がついた。
「お兄ちゃん!」
あんたと生意気そうに俺を呼んでいたガキはどこへ行った?
「…なんでいるんだ?」
俺の声に気がついて、おっちゃんが屋台から顔を出す。
「おう、師匠! 久しぶりだな。…って、お兄ちゃん?」
こいつが、お前の? と指さし確認するおっちゃんの目が丸くなっていた。
「はぁ? どういうこった? 師匠」
「知らないよ。護衛任務でレリー村へ行った時、出会った。それだけで血縁関係じゃない」
お兄ちゃん呼びはどうでもいい。
「なんでここにいる? 村を出てきても良かったのか?」
あれからまだ一週間にもならないぞ。
「うん、いいんだ。オレ、来月にスキル確認の儀を受けられる。10歳になったら冒険者ギルドに登録できるって教えてもらったから…一カ月ぐらい早くなってもいいかなって…」
まだ8歳ぐらいかと思っていたら、チビでガリガリだっただけでもう10歳…来月10歳だったのか。
「お前、あてもなく1カ月も…どうするつもりだったんだ?」
「街の中なら野宿できる場所なんてどこでもあると思ったんだ」
「怖いもの知らずだな。で、どうしてこいつがおっちゃんと?」
「それな。腹減ったーって顔をして屋台の側でじっと見ているんだよ。2時間も3時間もずーっとだ。しかもこれまで見かけたことのあるどのガキ共よりよりボロボロの服着てガリガリでさ。でも目が全く死んでないんだよな。むしろギラギラしてる。生きる力に溢れているというか、逞しいんだよ」
「あー分かるな、それ。でも…まさかこんなに早く来ると思わなかったから、街に入れる分のカネしか渡さなかったよ」
「そう、それ! 師匠のことだったんだな。親切な冒険者にお金をもらって街に来れば10歳から冒険者登録できると教えてもらったって言うからよ。ひと月も一人でどうするんだって、つい気になってなぁ」
おっちゃんは子供の頭を手荒く撫でた。子供も嫌そうにしながらも逃げないところをみると、すっかり懐いているみたいだ。
「家に連れて帰ったら婆さんがすっかりこいつを気に入ってしまってな。こっちもただ飯食わすほどの余裕もないし、人手が欲しいところだったからこき使っているんだ。…な?」
「思い切って村から出てきて良かったよ。寝る場所と食う物をくれる人に出会えた。ありがとう、お兄ちゃん」
あーコレ、ホント逞しいわ。
一カ月ぐらい何とかなるって…おっちゃんに拾われてなかったら、冒険者ギルドに来て俺を探してたな、こいつ。
「言ったはずだ。お前の生き方を決めるのは自分自身なんだから、頑張れ。…少しぐらいなら、手助けしてやる。少しだけな」
お人よしだと分かっている。頼られたら突き放せないと分かってて…でも、いい大人もいると教えたのは俺だから、少しぐらいは手を差し伸べてやりたいと思う。今の俺にはそれが出来るだけの余裕があるから。
「ありがとう、お兄ちゃん」
分かってて、お兄ちゃん呼びをしているな。甘えてもいいんだろ? と目ですがっているのに、本人…気がついているのか? ずる賢く、立ち回っているつもりでいるかもしれないが、同情を引く真似をしてもしなくても大人にはすぐに分かるぞ。演技しても、隠しきれない孤独は不思議なことに匂う。同じ孤独を抱えている者ほど、その匂いには敏感だ。
「師匠。今日はゆっくりできるのか?」
「お婆ちゃんにお土産もあるし、お邪魔しようと思ってきた」
「そりゃいい。婆さんも喜ぶ。師匠は次、いつ顔を出してくれるんだって楽しみにしていたからな」
「おっちゃん、急いで片付けるな」
「おう、頼んだ」
「売り上げの方はどう? 順調?」
「順調だ。まだどこにも真似されてないからな、昼も夜も毎回完売してる」
「そういや師匠ってことは…このうまいソースを開発したの、あんただったのか」
お兄ちゃん呼びはどうした、こら。
「そうだぞ。師匠に出会ってこのソースを教えてもらったおかげで、俺も借金返済のめどが立つようになった。師匠様様だ」
「へーすごいんだね。オレも助けてもらった。あそこで出会ってなかったら、今ここにオレはいないよ」
これはどうやら本心で言ってるな。
「いや…早いか遅いかの違いだろう。俺が背中を押さなくても村を飛び出していただろ?」
「…そうかもしれない。でも、知らなかった。10歳から冒険者登録できると知らなかったから…ずっと…あのままかと…。…そんで、もしかしたらあのまま…オレは……」
ギュッと唇を噛みしめて、彼は訪れたかもしれない未来を悲観した。
「良かったな、マルク。俺もお前もいい方向へ転がってる。道は行き止まりばかりじゃないってことだ。頑張ろうぜ」
「うん!」
屋台を引きながら歩く親子ほど年の離れた二人。出会ったばかりでいつまで関係が続くか分からないが、この出会いが彼らにとっても俺にとっても心穏やかに過ごせる関係になればいいと願わずにはいられない。
「ただいまー」
「ただいまー、お婆ちゃん!」
マルク少年が家の奥へと駆けていく。おっちゃんはいつもの場所へ屋台を置きに行った。
「お邪魔します」と小さな家のリビングに入れば「まあまぁまぁ」とお婆ちゃんが嬉しそうに笑いかけてくれる。
「よく来たねぇ。さ、こっちへいらっしゃい」
少し耳が悪いお婆ちゃんに聞き取れるよう近寄ってから、ゆっくりはっきりとした声で話しかける。
「今日は、お土産を持ってきたよ」
「まあ、何かねぇ」
テーブルの上に肉の塊を出すと、お婆ちゃんとマルクは目を丸くしてから喜んだ。が、遅れてリビングにやってきたおっちゃんは眉を顰めた。
「師匠…まさか、また…とんでもないものじゃないだろうな」
「え?」
何のこと? と可愛く首を傾げておく。
「コレ、俺もまだ食べたことがないんだけどすごく美味しいらしいよ」
「すげぇー。ねえ、オレも食べていい? いいよね?」
ほう、年相応の反応も出来るのか。素直に喜びを表現できるようになってるなんて…。わずかな時間を過ごしただけのはずなのにいい影響が出ているな。お婆ちゃんパワーだな。
いつもニコニコ笑っているお婆ちゃんにいい子いい子されたら、いい子になってしまうものだ。俺もすっかりおばあちゃん子だ。夏休みいっぱいを過ごす間に本当のお婆ちゃん以外に、あちこちにもお婆ちゃんやお爺ちゃんが出来た。みんなに育ててもらったと思っている。
「おっちゃん。食べたくないなら、鳥もあるよ」
「食べないとは言ってねぇ」
「そっか」
「…って、出したもんしまうな。くれるなら、鳥も貰う」
「ちゃっかりしてるね」
「すまないねぇ、我儘な子で…」
「いいんだよ、お婆ちゃん。おっちゃんが我儘なの。知ってるから」
「俺は我儘じゃねぇ」
「じゃあ、文句言わない。…罰として、料理してきて。ご飯終わっているから、味見程度でいいから」
「おぅ、待ってろ。ソースのデキも確認してもらいてえからちょうどいい」
おっちゃんは俺が出した鳥とクマの肉の両方を抱えて台所に入っていった。
待っている間に…と少年の方を向く。
「来月になったら10歳になると言っていたけど、どうするんだ? 冒険者になるのか? おっちゃんの屋台の手伝いを続けるのか?」
お婆ちゃんには聞き取れないほど声を小さくしたが、隣の台所にいるおっちゃんには聞こえていると思う。
「少し…迷ってる」
ゆっくり、自分の考えを纏めようとしているように…マルクはゆっくり、しゃべった。
「もし、いいスキルがもらえたら…冒険者、やってみたい…かも、しれない」
「そうか」
「でも…戦いに使えないなら。冒険者は諦める、かも」
どのスキルをもらえるのか誰にもわからない。スキルによって人生が決まる。それはあるだろうなと思う。
「諦められるか? 欲しいスキルがもらえなくても、努力しているうちに手に入る可能性もある」
知らなかったのか、真偽を確かめるようにじっと俺の目を見てきた。
「剣のスキルがなくても剣を振り続けていれば、強くなれる。走る練習をしているうちに早く走れるようになるように努力した分だけ身体機能は上がる」
「………」
「スキルを持っている奴に比べたら確かに弱いかもしれない。でも、経験していくうちに戦い方が自然と身につくように無駄にはならない。いや、無駄にしなければいい」
「でも…スキルを持ってないと苦労する。弱いままなのは嫌だ。努力したって、スキルのあるやつにはかなわないんだろ? …親父が言ってた。スキルがない奴は負け犬だって」
父親なら、もっといいことを教えろよ。やる気になる言葉で子供に未来の希望を持たせろよ。
「いいか、比べるな。気になるだろうけど、比べても仕方がない。分かるだろ。他人と比べて何になる? 素振りをすれば筋肉がつく。だけど他人と比べたって筋肉はつかないぞ」
「…なんだよ、それ。おかしいよ」
「かけっこしてれば兎に追いつくかもしれない。でも、早く走っている奴をどれだけ眺めていたって、兎は捉まえられないぞ。走れ。自分で」
「…言いたいことは、分かった。でも、オレは…負けるのは嫌だ」
「スキルがないことを言い訳にするんだな」
「………」
「それならそれでもいい。自分でどうしたいのか、どうなりたいのか。自分で決めたのならそれでいい」
「………」
「難しい話してるなよ。腹が減るぞ」
いい匂いをさせて、おっちゃんが焼肉を持ってきた。
「そうだな。腹が減るから余計なことを考えるんだな」
「そうそう。…って、師匠。コレやっぱりヤバい肉だったな」
「美味かった?」
「端っこ味見しただけで、たまんない旨さだ。試食だけじゃなく、もっと焼いてきていいか?」
「いいけど、お婆ちゃんにも食べられそう?」
「焼いたのは無理だな。でも煮込みにすればいける。肉自体のうまみが強いから、ぜひ食わしてやりてぇ」
「いいね、煮込み。頼むね」
ふと気がつくと、マルクがそわそわしていた。お預けを食らった野良猫か。
「じゃあ、先に食べるよ」
一言断って、試食皿から一口サイズに切ってある焼肉を口に入れる。薄くカットされた肉は柔らかく、噛めば噛むほど肉の旨味が染み出してきて感動する。
「さすがだね、元料理人。火加減がばっちりだ」
「マルク、お前も遠慮せず食え」
おっちゃんが別の試食用の皿を差し出すと、許可が出た! とばかりに肉を手づかみして口に入れた。
「うめぇ!」
はぐはぐと噛んで、ろくに噛まないまま飲み込んだ。
「こんなうまい肉、食べたことない!」
「…あー俺もないな。コレが特別なんだ。いつも食わせるわけにいかないから、勘弁しろよ」
聞いているのかいないのか、マルクは皿の上の3枚の肉をあっという間に完食した。
「…まだあるはずだから、夜にでも食べさせてもらえるだろう。多分」
「あー心配するな。夜は夜で煮込みの旨いのを食わせてやるから、今はこれで終わりな」
「うん、分かった。…ごめん、がっついて」
そんな顔をしなくても、ここにいれば食べるものに困ることはないはずだ。多分。
「おっちゃんのソース、さらに美味しくなってる。もう完璧じゃないか?」
「そうか、免許皆伝か?」
「そうだね、基本はこれでいいから味変を用意するといいよ」
「基本…? 味変ってなんだ?」
「アレンジを加えたソースだよ。もう少し辛みを加えたソースを作ると、これから暑くなってくる季節にピッタリだよ」
「辛み…。暑いときに辛いのを食うのがいいのか?」
「そう。汗が出る季節に食べて汗が出るものって意外と合うんだよ」
寒い冬に冷たいアイスを食べるのも合うけど…この世界だと甘味は高級品になってしまうからおススメできない。残念だけど。
「あと、冷たいものもあるといいんだけど…」
マルクの方を見て言った。
「もしマルクが水魔法をもらえたら、おっちゃん、助かるね。変えの水も出してもらえるし、冷たい水が出せるようになったら客も喜ぶ」
「水魔法がもらえたら、冷たい水が飲めるのか?」
俺は近くにあったコップを手にして、中の麦茶を冷やした。
「飲んでみな」
木のコップだから伝導率が悪い。だけど、普段から飲み物を冷やしたり温めたりしている俺には造作もない。
「冷たい!」
「へぇ、俺にも飲ませてくれ」
おっちゃんのコップの中身も冷やしてやる。
「レベルが2になったらアイスニードルが使えるようになる。つまり、水が氷になるほど冷たく冷やせるということだ。練習次第で攻撃以外にも魔法は使える」
「魔法ってすごいんだな。こんなにおいしいものが飲めるなら、オレ水魔法が欲しい!」
願いが叶うかどうか分からないが、叶えばいいなとは思う。
「なぁ、剣は練習すれば練習しただけ弱くても身につくんだろ。魔法はスキルがないと使えないんだよな?」
「そうだな」
残念ながら、魔法はスキルなしじゃ使えないな。
「オレ、魔法が欲しい。水がダメでも他の魔法でもいいから魔法が欲しい!」
「だがなぁ、マルク。魔法はもらえる人、少ないぞ。そこの師匠は何でもないことのように魔法を使ってやがるが、そんなの少ししかいねぇから…もらえなくてもがっかりするなよ」
「……分かった。ちなみに、おっちゃんは欲しいスキル貰えた?」
「ああ、貰えたな。俺はちいせぇ頃から料理人になりたかったから神様にお願いしてお願いして、自分でも料理の真似ごとをしていた。そしたら10歳の時に料理スキルをもらえた。嬉しかったよ」
「そうなんだ。欲しいスキルをお願いして、貰ったんだ…」
「叶うかどうか分からないが、マルクもお願いしてみるのもいいんじゃないか。でも、貰えなかったとしてもがっかりするなよ。神様はマルクには別のスキルをプレゼントしたいって思ってくださったってことだからな」
「……分かった。神様のプレゼント、ありがとうって言うよ」
俺は1時間ほど過ごしておっちゃんの家を出た。彼らはこの後、夜の仕込みをしなくてはならない。また様子を見に行くから…といって別れたが、次に行くときにはマルク用に石筆と石板でもプレゼントするか。




