学園一年生47ベアトリスとのデート
更新遅くなりました。
88学園一年生47ベアトリスとのデート
スルス先生、テール、フエゴの助言もあり、ベアトリスにもきちんと話をしようと思った。
思ったのだが、なかなか2人きりになる機会が持てず、月1回のデート日に話すことになった。
今日は街中で人気のカフェに来ている。
石畳の道路にもテーブルが並び、多くの客で賑わっている。認識阻害の腕輪は勿論発動させているが、念のため端の席にしてもらう。周りの客も自分達の話に夢中で俺たちの話を聞いているものはいないことを確認し、切り出した。
「……というわけで、学園内で会う機会を増やすべきか、それともこれまで通りの方が良いのか、ベアトリスの意見が聞きたい。」
俺が考えていることを延々と話す間、ベアトリスは言葉を挟まず、所々驚いた顔をしたり、顔を赤らめたりしながら相槌を打ちつつ聞いてくれた。
「シャルル様のお考えはわかりましたわ。少しお話を消化するまでお待ちいただけませんか?」
「ああ、勿論だ。10分くらいか?」
「……いえ、数日いただきたく存じます。」
え?そんなに!?
「シャルル様、私の心配をしていただけたのは嬉しく存じます。でも、ラファルは心配し過ぎでしてよ?私がシャルル様の婚約者だということはサファリアの者だけでなく、アカサンドリアの方々もご存じですし、私みたいな髪と瞳が珍しいだけですわ。シャルル様が色々と気にかけてくださったことがわかりましたし、私がどうしたいかも落ち着いて考えてみます。勿論シャルル様と過ごす時間は大切にしたいですが、おっしゃる通り、今だけしか気軽にお話できない方々との時間も大事ですものね。そのバランスについて、まだ頭がこんがらがっているので落ち着いて考えたいです。」
……ベアトリスは自分に他人が興味を持つのは髪と眼の色が珍しいから、としか思っていないんだろうな。小さい頃に揶揄われ続けたことが尾を引いてしまって いるんだろう。
自分がどれだけ魅力的な女性かわかっていない。
まあ、わかって、振り翳してくるような女性なら好きにはならなかったと思うがなんとも不安だ。
ラファルに釘を刺されなければ、こんな素敵な彼女が他の男にアプローチされるという可能性を考えていなかったことにゾッとする。
勿論、彼女に惹かれる男は多いだろうとは思っていたが、まさかサファリアの第一王子である俺の婚約者に手をつけようなどと考えるやつがいるとは思っていなかった。
「……シャルル様?」
いかんいかん、考えすぎていた。
「わかった。この話は考えておいてくれ。すまん、紅茶が冷めてしまったし、ケーキにも手をつけていない。せっかくのデートが台無しになるところだった。」
店員に紅茶を再度頼み、俺たちはケーキとおしゃべりを楽しんだ。
ベアトリスの女友達の話を聞いて、挨拶したいというと顔を曇らせてしまった。
これはよくある女性心理だと思って、
「ベアトリス以外の女性に心を動かしたりしないよ?」
というと慌てて「そういう心配はしてませんわ!」と顔を真っ赤にしながら否定された。図星だったのかな。必死で何か言いたそうにしているベアトリスをニコニコ(ニヤニヤ)しながらからかえて楽しい時間を過ごした。
帰寮後、まだニヤニヤしている俺に侍女のデリアが、
「ベアトリス様と楽しい時間を過ごされたのですね。」
と微笑ましい顔で話しかけてきたので、ベアトリスが嫉妬してくれた件を事細かに話したらなんだか微妙な顔をされた。
なんでだ。
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数日後、約束通りベアトリスが考えた結果を話してくれた。
基本今まで通り学友との時間を大切にしたい、という内容だった。
ベアトリスも社交的な方ではないが、これも勉強だと思い、数年間しか通えない学園生活、精一杯社交を頑張るとのことだ。
ただ、多少今までより学園の中で2人でいる機会を設けることになった。俺たちの関係が良好だと皆が思うことで、ラファルの危惧も軽減できるだろう、と言ってくれたが、俺としてもその方が安心できる。
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ベアトリス視点
この数日は本当に疲れましたわ。
シャルル様のお考えがズレていることには友人一同ヤキモキしておりましたが、まさかこんなお考えだったとは。
数日前のデートの際にお聞きして内心パニックに陥ってしまいました。
平静を装っていたつもりでしたが多少顔に出てしまっていたかもしれません。
ラファルがわたしのことを気にしてくれていたことにも驚きましたし、沢山の男性からのアプローチを阻んでくれていた、というのは彼の勘違いだと思うのですが。物珍しくて話しかけようとしていただけだと思います。
それより、シャルル様が、私の交友関係や、学園生活が豊かになるように考えてくださっていたなんて。本当に素敵な方。
思わず涙ぐみそうになりました。
私とシャルル様の交流が少なくて周りの方にいらぬ心配をかけてしまう可能性がある、というマイナス面もありますが、やはりこの時期にしかできない交友関係の構築の方が大切だと考えました。
シャルル様のお話を聞いた際はこんな風に考えていてくださった、と、理解するだけで頭がこんがらがってしまいました。感情が先走り、何かを思考することができない状態でしたので、数日の猶予をいただきました。
落ち着いて考えると、シャルル様も悩んでいらっしゃる通り、シャルル様が新しいご友人を作られることは難しいと存じます。
もちろんそれは彼が考えている理由とは真逆の理由なんですけれども、結果としては同じです。
それでしたら、王妃になる……王妃!自覚すると恥ずかしいですわ。
コホン、王妃となる私がシャルル様を支えるためにも社交に精を出す必要がございますわ。
あまり社交は得意ではないのですが、シャルル様の婚約者になってからはお茶会や夜会にも参加して、頑張ってきました。
学園生活の間しかない機会、シャルル様のために頑張ってみせますわ。
そういえば、デートの際、私がシャルル様に女友達を会わせたくない理由について、シャルル様に嫉妬だと誤解されてしまいました。
言わずもがな、私の友人達はシャルル様との直接対面を断固拒否してきます。それを思い出してのことだったのですが、嫉妬だと思われると、醜い感情にシャルル様が嫌悪されるかと思ったのですが、なんだか嬉しそうにされていたので否定しながらも最終的に折れることにしました。
嫉妬されて喜ぶなんて、シャルル様は少し変わった方なのかしら。
シャルル様と私の仲が良くないようにみえるというのは問題なので、もう少し学園の中で2人の時間を設けて他の生徒に仲の良さを見てもらおう、なんて、都合の良い理由をつけてしまいました。
本当は社交なんか放ったらかして、2人でいれたら幸せなのです。そんなことは恥ずかしくて言えませんけれど。
シャルル様は私の交友関係を広げるために気をつかってくださっていたのに私ばかり会いたいと思ってしまっているみたい。
卒業すればずっと一緒にいれるのに、欲張りですわね。




