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攻略対象者なのに悪役令嬢を溺愛中  作者: のあ
第二章 学園編
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学園一年生23 読書まとめ会1

この2週間、俺、テール、ラファル、ベアトリスでまとめた内容をフエゴ含め共有しよう、ということで日曜日の朝から俺の部屋の応接室に集まってもらった。

各自の侍女もついてきていたが、お茶と軽食の準備だけしてもらい、内密な話だからと外に出てもらった。

デリアだけは控えの部屋にいてもらったが、各自の侍女が待機できるほどのスペースはないため、何かあれば呼びにいくと言い含め、各自の部屋へ帰ってもらうことにした。




やはりベアトリスとラファルはかなり頑張ってくれたようで申し訳ないことに、 2人とも目の下に隈が出来ていた。

無理をさせて申し訳ないと謝ったが、2人とも読書にのめり込んでしまったのは自分の責任だと言って恐縮してしまい、謝り合戦になった。俺が謝ることにより余計に2人の負担になりそうだったため、本題を進めることにした。



まず、俺とテールで調べた史実関係を説明する。

地理関係を分かりやすくするため、世界地図を広げる。

この世界は大陸と、大陸の南東に海を挟んで大きな島があり、島はエスタニアという一国が支配している。

大陸には6カ国が存在している。

大陸は逆三角形のような形をしており、北西の北側に半島のように飛び出した箇所がある。

飛び出ている部分は北国 ベルンディア。


逆三角部分の北部東端がサファリア、中央に森の国 シンフォニア。西端が砂漠の国 サラストリアである。サラストリアは南北に長く伸びており、北のベルンディア、北東にシンフォニア、南東にアカサンドリア、南にリカルディアと、4カ国に接している。


サファリア南部にアカサンドリア、更に南部の逆三角形の下部東西にわたり独裁の国 リカルディアとなっている。

リカルディアと大陸で接しているのはサラストリアとアカサンドリアだが、リカルディアの北部に東西にわたって大きな渓谷があり、完全に分断されている。アカサンドリア方面とサラストリア方面にはそれぞれ大きな橋がかけられているが、国交は殆ど絶たれていて、リカルディアの現状は分かっていない。




過去1000年超に遡り各国の史実に目を通した俺とテールだったが、リカルディアどころか、他国間でも戦争は起きていなかった。ドラゴンらしい目撃情報は、北国ベルンディアに700年前、森の国シンフォニアに300年前に記載があったが、どちらも詳細は記されておらず、ベルンディアの記述は、ドラゴンが海から現れてまた海に飛び去ったというもので、シンフォニアに至っては影が森を覆ったというくらいのものであった。


「シンフォニアがー。1番最近なのにー。情報少ないですねー。」

「シンフォニアは大森林の中に町があるからな。上空の様子は木の影になって見づらかったのだろう」

「この記述だと、ドラゴンじゃない大きな鳥とかの可能性もあるよね。」

「とは言いましても、流石にその大きさの鳥や空を飛ぶ魔物がいるとは思えませんわ。」

地上にいる大型の魔物はいるが、一般的に空を飛ぶ魔物の中で1番大きなものはワイバーンだ。広範囲が陰るほどのサイズではない。


「1000年前、700年前、300年前、全て本当だとしたら、今後、いつ現れてもおかしくありませんね。」

とフエゴが言う。


「史実は捏造されている可能性もあるが、一応全て本当だと仮定して対策を練っておきたい。」


ドラゴン自体空想の生き物とされている世界の彼等からすると荒唐無稽に聞こえるかもしれないが、俺はゲーム内でドラゴンが出現することを知っているので、恐らく全ての史実が本当だと確信している。


ただ、目撃されている周期が数百年単位というのは理解できない。

ドラゴンはかなり大型の魔物で、空を飛ぶという性質を持っているのに、少なくとも1000年前から存在しているとして、目撃情報自体がほとんどないというのは何故なのだろうか。



史実からの情報は少なかったため、小一時間で俺たちの話は終わった。




ベアトリスが担当したドラゴンについての話は長くなるということだったので、次にラファルがまとめてくれたリカルディア出身の作者が書いた本についての共有を行った。


「今回はー。ドラゴンが出てるかは関係なくー。リカルディアの本をまとめましたー。」


リカルディアから、他国に流れる人物が元々少なく、その中で本を書く者となると、ごく少数であり、リカルディア出身の作者の本は10冊程度しかなかった。

ラファルは自分の担当はわりと早くまとめ終わっていたが、ベアトリスの手伝いをしていて寝不足になったらしい。


ラファルがまとめてくれた本は8冊が騎士物語、2冊が戦術書、1冊が料理本だった。


「大体どの国の騎士物語でもー。ドラゴンがでてくるんですがー。リカルディアの本にはなかったですー。」

リカルディアの騎士物語は反逆者や魔物から国王を守るというストーリーになっている。国王が神格化されていて、精霊を祀る神殿は存在せず、国王の生誕祭を始め、国王関連の行事は盛大に執り行われ、国民が国王を神のように崇めているようだ。


「どの本でもー国王のことを太陽神としてー崇めていましてー。リカルディアの騎士団も太陽の騎士と呼ばれていますー。太陽神の忠実な刃としてー。発生する魔物やー、国民の反乱を抑えているようですー。」

リカルディアは独特の世界観を持っているようだな、、、。俺は何となく前世の古代エジプトを想像したが、リカルディアの騎士物語の挿絵からすると、武器と甲冑を纏った中世ヨーロッパの騎士のようだ。


「アカサンドリアから武器や防具を購入する際の発注は王国騎士団からのみなんだ。反乱が起きないよう、武具を民に持たせないようにしているんじゃないかな?」

と、テールが捕捉するように言う。

「騎士物語の挿絵では武具を揃えているように見えるが、アカサンドリアのものではなさそうか?」

「挿絵だと質感はわからないけど、昔からの発注量からして、アカサンドリア産だけでここまで揃えるのは無理だろうね。多分リカルディアは国産で武具を作っているんだろう。質はうちの方が良いと思うけど、質が落ちても国産で大半を賄っているんじゃないかな。」

ズラッと並んだ兵士の挿絵を見ながらテールが言う。


「ラファル、魔物とは具体的に何かわかるか?」

「はいー。多いのはワイバーンですねー。キマイラとかー。サイクロプス、ケルベロス、といった強い魔物が出てきますー。リカルディアはー。ワイバーンをー。討伐した後使役しているかもしれませんー。」

「なんだ、急に?」

ラファルが妙なことを言いだしたので驚く。


「このー挿絵見てくださいー。」


皆でラファルが示した絵を覗き込む。


ワイバーンに乗った騎士がケルベロスらしき魔物に対峙する挿絵だ。


「文章ではー。騎士がワイバーンに乗っているとは書いていないんですがー。ケルベロスを倒すためにー空からー谷を越えているんですよねー。橋を渡った記述はないのでー。ワイバーンに乗って渡ったのかとー。」


「あ!砂漠の国サラストリアの物語で、空から魔物に乗った騎士が訪れる恋物語がありますわ!」

とベアトリスがラファルの言葉から思い出した物語の話をする。

「異国の騎士と、サラストリアの貴族との恋物語なのですが、今回は読み直していないので大まかなあらすじしか覚えていないのですけれど、、、」

と前置きをして語ってくれた内容は、


サラストリアで砂漠の南部に大型のワーム系の魔物が出て、視察に出向いて遭遇し、危うく飲み込まれそうになった貴族女性を、魔物に乗った異国の騎士が空から颯爽と現れて助けてくれた。ワームを倒した騎士は飛び去ろうとしたが、御礼に貴族女性の屋敷に招き、色々あって2人は恋人となった。最終的には貴族女性は異国の騎士の国に行ってしまい、2人は仲睦まじく過ごした、という話らしい。


「その魔物がワイバーンだとすると、リカルディアの騎士の可能性がありますね。」

フエゴが言うことに俺も同意する。

「サラストリアは谷を挟んでリカルディアと接しているからな。ワイバーンを使役して足に使っているならその物語も本当のことかもしれん。ベアトリス、物語がいつ頃書かれたものかわかるか?」

「詳しい年代は覚えておりませんの。その本自体は古いものではなかったと思いますが、、、伝承を元に新しく書かれたかもしれませんので、古い話が元になっている可能性はありますわ。」

「その話かまいつ頃のものかはわからないが、ワイバーンを使役する方法は現在でも残っていると考えるべきか、、、」



「仮にワイバーンを使役できるとすると、ドラゴンも使役できるかもね、、、」

と、皆が思っているであろうことを口にするテール。


「とはいえ、簡単に使役できるのであればとっくに全世界に戦争を仕掛けられそうだがな。」

「簡単ではないから、数百年毎、なんですかね?」

「そうかもしれん。だが、1000年前もしかり、今までの情報だと、他国に戦いを仕掛けた、とはいえない行動だ。」

1000年前も、サファリアの街上空で咆哮をあげただけ、700年前、300年前にいたっては目撃情報だけだ。

可能性は色々と考えられるが、今は全てが想像の範疇だ。



ラファルから、騎士物語以外の戦術、料理本についても説明があった。

戦術本は、様々な地形を活かしている内容であり、先程の騎士物語ででる魔物にしても、料理本の素材にしても、リカルディア内に山や森、洞窟や湖等、様々な自然環境があることが伺えた。

長年他国との国交を閉ざしていても、食べ物だけでなく資材も自給自足が可能なのは多彩な自然環境を有しているからだろう。



ラファルの話が終わり、ちょうど良いタイミングなので、午後にベアトリスのまとめた話を聞くことにして、軽食を取ることにした。

侍女のデリアに声をかけると、各自の部屋に戻した筈の侍女たちが、昼食の時間を見計らって外に待機していたようで、一斉に入室してきた。侍女達は流れるような動作でお茶を取り替えたり、軽食の準備をしてまた立ち去っていった。


「皆手際が良いな」

と思わず感心して声が出る。


「 まるで皆で特訓したかのようですね。」

とフエゴも同意する。


「私達が仲が良いことを知っているので、侍女同士も日頃から情報交換をしているようですわ。」

「知らなかった、、、」

「俺たちが学園に行った後は片付けと情報交換の時間なんだろうね。」

「国の方にー色々と連絡もーしてたりでー忙しそうですよー。」


俺がいない時間はデリアは休んでいると思っていた。


デリアは俺が学園に行っている時に、彼女の娘と会っているとのことだったので、俺がいない時間は自由にしてくれていると思っていたのだ。


ちなみに、俺と同級生になるデリアの娘に、一言挨拶をしたいのだが、デリアに頑なに断られている。



「働き詰めってことはないだろうけど、国では数人で回していたのが1人だけだとかなり忙しいとおもうけどね。」

「洗濯や軽食の調理といったお仕事は寮専属の係の方にお願いできますが、彼等に指示をするのも段取りがありますので、私から侍女に伝えて、侍女から指示してもらっていますわ。気心の知れた侍女には着いてきてもらえて助かっておりますわ。」

「僕はー。任せっぱなしですー。」

「俺も、、、気付いたら全部やってもらってます。」

ラファルとフエゴと同じく俺も任せっぱなしだが、同意するのも恥ずかしいので発言は避ける。





「いつか、侍女の皆に慰労会でもするか、、、」


「いやいやいや、逆に気を使わせるって!」

「絶対ダメですー!」

「お考え直しくださいませ!」

「誰がその準備するんすか!?」


俺の思いつきは皆から盛大に突っ込まれ、流されるのであった。

真面目パートは時間がかかります、、、

フエゴデート回はサクサク進んだのですが。

繁忙期も重なり更新遅くなっていますが頑張ります!

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