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攻略対象者なのに悪役令嬢を溺愛中  作者: のあ
第二章 学園編
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学園一年生22 読書週間

読書の期限として置いた2週間、空いている時間の大半を読書に費やした。

史実系の資料は貸し出し不可の資料が多いため図書館に行き、物語は自室で読んでいた。

2回日曜日を挟んだが、休みの日も読書と資料まとめに時間を費やした。


スルスから頼まれた写本は1週間で終わったが、魔法陣の写本は勉強になるため、授業の合間を縫って研究室に顔を出し、急ぎではない写本を手伝ったり、スルスが持っている本から役に立ちそうな魔法陣を書き出したりすることが日課になっていた。


この2週間、昼食や夕食時、テールとフエゴにはほぼ毎日会っていたものの、ラファルとベアトリスは数日に1回程度しか会えず、2人とも会う度に顔色が悪くなっていったため、読書に没頭し過ぎなのではと心配になり、本を減らすか、期限を延ばそうと提案したが、2人ともに断られた。


今日もテールとフエゴと、3人での夕食だ。

「ベアトリスとラファルが心配だな、、、」

「昨日見かけた時、2人とも目の下に隈ができてたよー。」

「ラファルも昔から本に熱中して寝食を忘れると聞いていましたが、ベアトリス様も同じタイプかもしれませんね。」

「明日が期限だからなあ。2人とも大丈夫かなー?」

「責任を感じるな、、、」

「明日が終わればぐっすり寝てもらいましょう。ところでお2人は終わられたのですか?」

「ああ、もう終わっている。」

「俺もー。役に立つ内容があるかはわからないけどね。」

「俺も手伝えれば良かったのですが、、、」

「その事は気に病むなと言っただろう?もう言うな。ところで、フエゴは休日は何をして過ごしたんだ?」

「皆んなが読書をしている中遊んでいるのも気がひけるので、授業の復習と予習をしていました。」

「よくお前が机の前にいられたな。」

「流石に1日中勉強は無理なので、一人で剣を降ったりしていましたよ。」

「俺も体が鈍っちゃいそうだよー。流石に自室では無理だしねー。」

「あ、誘ったことがなかったな。男子寮の裏にいいスペースがあって、俺とフエゴはそこを使っている。」

「なにそれ、酷い。何で誘ってくれないのさ。」

「2人での剣の練習は、王国にいた時からだったからな。すっかり失念していた。」

「じゃあさ、夕食食べ終わったら早速やろうよ。あ、2人は徒手で戦ったりはしない?」

「俺は経験がないな。剣だけだ。」

「俺は多少は親父に仕込まれてます。」

「じゃあたまにはやってみない?ドラゴン相手には無理だけど、対人戦では使えるし、武器を落とした時なんかにも役立つからさ。授業外で剣を使って大怪我しても困るしさ。」




夕食後、動きやすい服装に着替えて再集合した。

テールの提案通り徒手での戦いを学ぶため、剣は持参しなかった。


まずは経験者の2人、フエゴとテールが軽く戦う。

フエゴは長身でリーチが長く、拳がすぐテールに当たりそうなのに、テールはくるくると回りながら器用に受け流していく。

フエゴが突き出した腕に軽く腕を当てると、力が逃げてしまい、フエゴは毎回バランスを崩してしまう。その隙にいつでも簡単に拳を返せそうだが、テールはカウンターを打たない。

しばらくそんなやり取りを繰り返して、間合いを取ると、テールが言う。

「徒手だと、俺が1番かな?」

フエゴはなにが起きたかよくわからない、という顔をしている。

「カウンターを打つ機会は沢山あっただろう?なぜ防戦一方だったんだ?」

「すぐ終わっちゃ運動にならないでしょ?」

といけしゃあしゃあと返すテールにムッとするが、実際その通りなので言い返せないフエゴ。


「俺にも教えてくれるか?面白そうだ。」


その後はテールから俺とフエゴは拳の受け流し方を教えてもらった。

剣とはまた違う体の使い方をして汗を流すのは楽しかった。



その後風呂で話をしていて、テールが剣以外にも徒手での戦い方を覚えた理由は暗殺対策だったということを聞いた。

「こちらが武器を持っていない時に襲われることもあるからさ。基本的には初動を避けることと、数分粘りさえすれば護衛がなんとかしてくれるからそこまで逃げ切れるかが勝負だったよ。こちらは子供だったし、倒そうとする戦い方ではなく、逃げの戦い方を最初に学んだんだよね。」

とこともなげに言う。

「まあ、今は倒そうとする戦い方もできるけどね。2人とも風呂にいる時なら俺でも暗殺できちゃうねー。」

とにやにや笑う。


「よし、命を狙われたら敵わんからテールと風呂に入るのはやめよう。」

「じ、冗談だよ!貴重な風呂友達が!」

「確かに、危険ですね、シャルル様。テール様に勝てるようになるまでは風呂は2人で入りましょう。」

「フエゴ!それはわざとだよね?!」


などとテールを揶揄ってやった。

まあ、テールに命を狙われるとは思っていないが、風呂は確かに危険な場所ではあるな、と認識する。

どうしても俺は日本で過ごしていた時の価値観や常識が抜けきらないところがある。たまに、無防備だと突っ込まれるのはそのせいだろう。王族である以上命を狙われることもある、というのは頭ではわかっていても、日本もサファリアも平和だったので意識としては抜け落ちてしまう。

テールの境遇をきいて、初めて実感する、というのは王族としてどうなんだ、と自分を戒める。

仕事が繁忙期に入ってきたので毎日更新難しくなりそうです。毎日更新できなかったらごめんなさい!

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― 新着の感想 ―
[良い点] フエゴくん、二人だけで入りましょうというのはからかい以外に自分の願望が混ざってないかな? シャルルさまと二人きりで入りたいっていう願望が(笑) [一言] 体調を崩してもいけませんから、お仕…
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