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攻略対象者なのに悪役令嬢を溺愛中  作者: のあ
第一章【学園入園前)】
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学園入園前 シャルル13歳

リセドール学園。

俺達が通う学園の名前だ。

ゲーム内ではなんの説明もなかったが、俺が産まれたサファリア王国と、隣国アカサンドリア王国の中間に位置し、両国の貴族が通う学園だ。


この事実を知ったのは最近だ。

ゲーム内ではシャルルは王国の第一王子、という設定で国名なんか出てこなかったし学園名も出てこなかった気がする。

オープニングは1回目しか見ずに2周目以降はスキップしていたから覚えていなかっただけかもれしれないが。


俺はずっと、自国が抱える学園だと勘違いしていたので、特に調べもしなかったのだ。


ある日の夕食の際、父からアカサンドリアは我が国とは少しマナーや法律が違うが、勉強しているか聞かれた際に、隣国なので当然勉強してはいるが、まだ訪問したこともないし、要人が来国する話もないのになぜ突然そんなことをきくのかと、父に尋ね、会話を重ねてようやく学園が二国の共同運営だと知ったのだ。


父には呆れられたが、俺はショックでそれどころではなかった。


思い返すと、確かに我が国一国ではあり得ないほど、ゲームの中でのモブキャラというか群衆として現れる貴族の子息の数も多かったし、まだ会えていない攻略者も、どちらかは肌の色が違った気がする。

我が国サファリアは、地球でいう欧米人、特に北欧系の肌が白い人種だ。

肌の色が違うこと自体は田舎の領地で日焼けしたから、とか、まあゲームだし、と思っていたがそもそも国が違ったのだと思えば納得できる。


水と土の攻略者と夜会でも全く会えなかったのも、恐らく他国の貴族だったからだろう。

マリアは設定上サファリアの者だと思うが、、、。

自信がない。

一国の話だと思いこんでいたから、光の乙女の楽園ノートもその前提で記していた。

もしかすると他にもこういった思い違いが存在して、あとで取り返しがつかない事態になるのではないか、と背筋が寒くなる。


おれは改めて現世の世界について、勉強し直した。


*****


我が国サファリアは、王族が光属性。

それに対してアカサンドリアは王族は土属性。


アカサンドリアは前世のグランドキャニオンのような大渓谷の国だ。岩壁に開いた洞窟を利用するような形で街が作られている。

渓谷の谷間には川があり、年に一度雨で増水し、氾濫が起きるため街を谷底に形成することができないのだ。

鉱石を主軸の産業としているため、鍛治技術が高い。

一方で、食料自給率が低いのが欠点で、サファリアや、他国に依存する形となっている。

渓谷は切り立った崖だけではなく、段々畑のようになっている箇所もあるが、乾燥地帯なので作物の種類が限られ、穀物は栽培できない。

水を殆ど必要としないジャガイモのような芋が主食で、川に生息する魚、渓谷を飛び回るヤギのような魔物もいるが、人口が多く食料は自国では賄いきれていない。


この世界に存在する国はサファリアとアカサンドリアだけでなく、他に五国の国が存在しているが、いずれも戦争をしておらず、平和な世界だ。


サファリアは、アカサンドリアとは昔から友好関係を築いており、同盟関係でもある。

各国の国力向上と、友好関係の証明、技術相互交換を目的とし二国間での学園設立が果たされた。


アカサンドリア王太子は既に学園を卒業しており、残念ながら顔を合わすことはない。

ただ、第五王子の名がテール・ロドリック。

名前が同じこと、土属性ということから彼が土の攻略者だろう。

俺の光の乙女の楽園ノートでは不良キャラらしい。

王族とはいえ、王位継承権も低く、捻くれた人生を送っているのだろうと推測する。


*****


学園所在地が両国の中間地にあり、各国王都から遠方になるため、学園在学中は寮生活となる。


寮、といっても、前世のイメージとは全く違う。

二国の貴族が通う学園なので、各人に数部屋が与えられ、侍女が住む部屋も付属している。


護衛は個人ではつけられないが、寮にも学園にも衛兵が配備されている。


貴族の子息、子女が通う重要拠点なので、学園の周りにはかなり高価な魔法陣による結界が施されている。魔法は各人の能力と魔力量に依存するが、魔法陣は魔石で魔力を供給できるので、学園内の魔道士の質や魔力量に依存しない。

一方で、魔法陣の効果や範囲を大きくするためには複雑な紋様が必要になり、複雑になればなるほど高価なのだ。


学園内部には衛兵、外部には魔法陣の結界があり、学生の安全性は保証されているのだ。


明日には学園に向かうため、騎士団と王宮魔道士護衛の元、一度に全生徒が輸送される。

馬車での移動でおおよそ2日がかりの道程だ。

街の周りは魔物討伐で出ることも多くなったが、ここまでの遠出は現世では初めてなので楽しもうと思う。



次回から第二章に入る予定です。

引き続きよろしくお願いします!

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