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攻略対象者なのに悪役令嬢を溺愛中  作者: のあ
第一章【学園入園前)】
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シャルル12歳の冬

シャルル 12歳の冬。


次の新年には13歳となる。学園入園の年だ。

まだまだ先だと思って過ごしていたが、いよいよゲーム開始だと思うと緊張してくる。


俺とフエゴの剣の腕は騎士団の団員よりも上がっている。いまだ騎士団長のアランには勝てないものの、12歳で、百戦錬磨の騎士団団員より上、というのはすごいことだ。


ラファルとベアトリスも、既に高等魔法を習得している。もちろん俺が習得するのが1番早かったが、2人もたった2年の勉強で目覚ましい成果だ。実はベアトリスも、屋敷に引きこもっている期間に、こっそり魔導書を読んでいたらしい。


フエゴは呪文を覚えるのが苦手だが、中級魔法までは習得している。ゲーム内では、武器に火の属性をつけて戦うだけだったので、より戦略の幅が広がっている。


そして俺たちは勉学を一緒に行ってきたのでかなり打ち解けた仲になっている。


最初の頃、ベアトリスは俺以外とは話さなかったが、俺を含めて話すようになり、今ではフエゴの言葉遣いを嗜めたり、逆に武器の扱い方を習ったりもしているようだ。俺に聞いてくれれば良いのに、と思ったが、どうしても俺と話すと緊張してしまうようで、フエゴの方が聞きやすいらしい。


フエゴとラファルは、あまり話し込むことはないが、魔法の使い方をフエゴが尋ねたりしているので、仲は悪くなさそうだ。


ラファルはおっとりしていて、12歳になっても身長はベアトリスと変わらず、髪もセミロングで女の子みたいだからか、読書という共通の趣味があるからか、ベアトリスとは話が弾むようだ。2人が話しているのを見ると、女の子同士が話しているみたいだ。

ベアトリスは俺の婚約者となってから徐々にお茶会にも参加している。お茶会に参加するようになって女性の友人も何人か出来たらしいが、ラファルと話している方が楽しいらしい。

その話を聞いた時は、ほんのちょっと、いや、結構嫉妬してしまったが、悪びれもなく俺に嬉しそうに話してくれるベアトリスを見ると、友人ができて喜んでいるだけだとはっきりとわかり、胸を落ち着かせた。一応、ラファルにも探りを入れたりしたが、ラファルにも恋愛感情が全くなかった。


ベアトリスはこの2年で益々綺麗になった。

この世界の人々の12才は、日本人の感覚からすると16才くらいにみえる。ゲームでも、13で学園入園、卒業は16歳になるが、スチルをみると16から20歳くらいにみえていた。欧米人のような容姿が基本となっているからだろうか。


ベアトリスは既に16歳くらいにみえる容姿で、すらりと伸びた身体は嫋やかで、それでいて胸も膨らみ、女性らしい身体つきになっている。淑やかな佇まいは優雅で、将来の王妃となる規範と風格を感じさせる。たった2年で幼い少女から女性へと変貌している。


俺でも、ベアトリスを見ると緊張してしまうようになったくらいだ。夜会等、人が大勢集まる場所では皆の視線がベアトリスに集まってしまう。

俺の婚約者が皆を魅了してしまうのは、誉でもあるのだが、

「皆、ベアトリスを見るのを止めよ!」

と、言ってしまいたくなる。言わないけど。


ベアトリスは、皆の視線を「第一王子の婚約者だから受けている」と思っているが、そうではないことは見ているものの顔を見ればわかる。赤い顔で熱い視線をむけ、溜息をつくものもいる。

歳の近い貴族の子息ばかりの学園にベアトリスが入園することを考えると頭が痛い。


かといって、第一王子である俺も入園することが決まっている通り、貴族は入園が義務付けられている。

国を成り立たせるのは人。

学園生活を通じて、貴族同士の人としての結びつきを強めることが円滑な国の運営に必要不可欠、という考えが根底にある。

実際、過去まだ学園制度がなかった頃には、国の各部署、運営機関の間がギスギスしていて、軽い内紛のようなものやストライキ、権力争いが横行していたらしい。

学園制度を取り入れ、学友同士が全く別の機関で働く仲で国の運営がうまくいくようになっていったのだから、学園制度が重要な役割を担っていることがわかる。

そういう意味では、マリアのような平民が入園する目的は、円滑な国運営とは関係なく、平民は魔法が使えず、平民の学校では魔法を教えられないからだった。俺の在学中では存在しないが、過去数名はそういった特例がいたことを学んだ。

平民でも魔法が使えるものは、成績次第では城内で働くことができるものもいるらしいが、貴族に囲まれた中では肩身が狭いだろう。


そこまで考えた俺は1人呟く。

「いよいよか、、、」


「光の乙女の楽園」のメイン攻略対象者の俺は悪役令嬢ベアトリスを溺愛している。


悪役令嬢ベアトリスは性格がねじ曲がることもなく育っているため、マリアを虐めることはないだろう。ということは、他の攻略対象者との仲を深めるイベントのいくつかは消滅している。


学園に入学してから親交を深めるはずだった俺たち4人は既に仲が良くなり、剣と魔法について数年間学んでいる。



この、俺が転生したことで発生した、少なからずゲームとは違う事象がどう影響を与えるのか。



そして、入園してからマリアは誰を選ぶのか。



フエゴかラファルと仲良くなってくれれば、自然と5人パーティーが組めるので有り難い。

俺的にはフエゴのツンデレが見てみたいのでフエゴルートに入って欲しい。


俺は、学園での行動指針を考える。


1.マリアが誰を攻略対象にするのか監視する。ただし、接触は最低限にして、決して俺に惚れさせないようにする

2.まだ会っていない2人の攻略対象者に接触し、親交を深めた上で彼等の能力向上に努める

3.状況次第では俺ら4人でドラゴンと戦うことになるため、4人での訓練を随時行っていく


こんなものかな。


あとは、数十年ぶりの学園生活と、学園内でのベアトリスとの交流を楽しもう。





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