2章―1 失われた再会
「あとキャベツと……」
姫奈は家から徒歩5分程度で来れるスーパーにいた。
結局はあの後、長秋(予想)が見つかるわけでもなく、謎の生物が襲ってくるわけでもなかったので姫奈は普通になりすまして暮らしていた。中村を殺したくせに。
「お会計4500円になります」
店員が元気よく言う。
お釣りを貰い、レジ袋のなかに買ったものを入れ、店を出る。姫奈は乗ってきた自転車のかごにそれらを入れ、家に向かおうとした。でもそこで姫奈の行動が一時停止する。
光の速さで言葉にしにくい感情が姫奈の胸につき刺さった。
長秋(推定)がそこに存在した。
姫奈の感情が暴発しそうになる。
――――――落ち着け落ち着け落ち着け。
自分を押さえつけようとする。でも無理だった。
「慎ちゃん!」
「梓ちゃん……」
長秋(80%)から返答が来た。
「あ……うぅ……」
言葉が出ない。代わりに嗚咽のようなものは出るのに。
「姫奈、元気だった?」
「な、何で生きてるの?」
姫奈が感じていた疑惑を聞いてみた。
「俺にもよくわからないよ、でも生きてる」
姫奈は嬉しいという感情を顔に満面に見せた。
「じゃあ、今から一緒にどこかへ遊びに行こう!」
何年以来かの笑みが姫奈に戻ってきた。幼かった頃のあの笑顔。
「いいよ。でも荷物いっぱいあるからさ、一旦家に帰ったほうがいいよ」
「うん、分かった!先に公園に行っててね」
姫奈はある店の店員のように元気よく言った。
胸が踊るような感覚をもって姫奈は公園に向かった。長秋(90%)はベンチに座っていた。
「本当に慎ちゃんなの?」
姫奈はあらためて疑問を聞いた。
「うん」
長秋(99%)は短く返事した。
「私、寂しかったんだよ。ずっとずっと……慎ちゃんいなくなってから」
姫奈はこれまで心に溜めていた言葉をどっと吐き出した。
「ごめんね……でもこれからは――――――」
そこで長秋(ほぼ確定)は少し間を空け、昔言ったみたいにその言の葉を発音した。
「俺はお前の近くにいてやれるから」
一度破ってしまった約束。でも、今度は絶対破りたくないからっていう意志を示したくて言った言葉。
姫奈は今日でおそらくその言葉を聞けた時が一番喜べたのだろう。
――――――でも
そこに
生じてしまった
気づいたところで
いい結果になんか結びつかない
いわかん――――――
やばいです。長秋のキャラクター設定がぐちゃぐちゃになってきました!




