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【完結】もしものチャーリー 〜最強捜査官の隣で、ハロウィンまで俺だけ人類側なのはなぜですか〜  作者: 久茉莉himari


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【4】精鋭プロファイラーに囲まれて、渾身のカボチャを心配される男、爆誕。〜原因はチャラ男の幻影〜

チャールズは絶望の淵に立っていた。


何故なら、もう、カボチャの顔は完成済み。


つまり、カボチャを切ってしまっているということだ。


どうすればイーサン・クロフォードに似ていないジャック・オー・ランタンに作り直せるというのか。


方法が全く分からない。


そもそもチャールズには、自分が精魂込めて作り上げた"恐怖のカボチャ"の顔が、イーサンには1ミリも似て見えないのだ。


だが、そこは自称『情報の海を泳ぐマーメイド』。


お洒落男子チャールズは、ヘアパック中に何となく見ていたSNSの動画で閃いた。


それは、小さな子供のいる家族が、青い空の下、楽しそうにジャック・オー・ランタンを作っている動画。


チャールズはヘアパックの透明なキャップを被ったまま、「これだーーー!!」と一人バスタブで雄叫びを上げていた。




そして、翌日の夜7時。


またもチャールズに呼び出されたカリスタとベックとヴィヴィアンが、イーサン専用の尋問室の扉の前に立っていた。


チャールズが得意げに宣言する。


「みんなには悪いけど、俺のジャック・オー・ランタンは、恐怖だけじゃないんだよね!」


そして、ふわっとセットした黒髪をかき上げるチャールズ。


「みんなの知らないイーサン・クロフォードを俺は知ってしまった……。

もちろん極秘事項だから言えないけれど!」


ベックの喉がゴクリと鳴る。


「……俺も、知らないことなのか……?」


そう言うベックの声は、僅かに震えを帯びていた。


チャールズは哀愁を帯びた目でベックを見上げ、一言答える。


「たぶん、そう」


ヴィヴィアンが「……そうなの……!?」と小さな悲鳴のような声を上げる。


チャールズは深く頷く。


すると、カリスタの冷静な声がした。


「それとハロウィンのカボチャがどう関係するの?」


チャールズがやれやれと肩を竦める。


「見れば分かるさ!

さあ!オラクルのジャック・オー・ランタン完成だよ〜!!」


そして、チャールズが扉を開けて、灯りを最小限に点ける。


そこにあったカボチャの顔は、何とも言えない顔をしていた。


そう――

チャールズが存在していると思っている『チャラいイーサン・クロフォード』を再現したのだ。


カボチャの口元は、片方が上がり、ニヤリと笑って見える。


そして、サングラスの代わりだろうか、目元を覆う四角い形の黒いパラフィン用紙。


それに、ベタベタとハートマークのシールや、星の形のシールが貼られている。


何よりもチャールズが拘ったのは、ジャック・オー・ランタンを内側から照らす灯りだ。


動画内でシールを貼ったりしていた家族が、普通のランタン仕様ではない灯りを使っていたのだ。


ベックのカボチャには、ショッキングピンクのLED電球を。


ヴィヴィアンのカボチャには、ゴールドのLED電球を。


そして――

チャールズのカボチャには、虹色のLED電球を。


そして、その電球たちはくるくると回るのだ。


「どう!?

これぞハッピーハロウィンだよ〜!!」


満面の笑みで3個のカボチャの後ろに立つチャールズは、ショッキングピンクとゴールドと虹色の灯りに照らされている。


カリスタとベックとヴィヴィアンが素早く目配せする。


カリスタが小さく拍手をすると、美しい笑顔で言った。


「本当に素敵!

写メを撮って良いかしら?

それと、チーフには私から報告しておくから、

チャーリーは先に、ベックとヴィヴィアンと一緒にお祝いのお食事に行ってて」


チャールズの顔がパーッと明るくなる。


「ありがとう!カリスタ!」


ベックがやさしくチャールズの肩を抱く。


「良くやったな、チャーリー!

疲れただろう……本当にお疲れ様……!」


その瞳には、薄っすらと涙が浮かんでいる。


チャールズが照れくさそうに笑う。


「嫌だなあ、ベック!

感動しすぎだって!」


ヴィヴィアンも穏やかな笑みを浮かべて言った。


「……ううん……!

私たちがいけないの……!

チャーリーだけに押し付けたのよね……!

今夜は好きなもの食べてね!

そうだ!

明日から二〜三日休暇を取るのはどう!?」


「……休暇……!?大げさだよ〜!」


達成感に満ちたチャールズがニコニコと笑い、

ベックとヴィヴィアンに挟まれるように、

尋問室から出て行った。




そして、翌日。


チャールズは昨夜のことを思い出しながら、るんるん気分で出勤した。


(昨夜は楽しかったなー!

カジュアルなフレンチでさ〜♪

みんなでワイワイ❤️

チーフは水しか飲んでなかったけど、心なしかいつもよりやさしい目をしていたみたいだったし❤️


チーフもあのジャック・オー・ランタンの画像を見て、分かってくれたんだな♪


チーフの本当の姿は、チャラ男だってことを理解している俺の気持ち❤️

チーフ!ハロウィンもご存分に❤️)


だが、そんなるんるん気分も、一歩オラクルのオフィスに入った途端吹き飛ぶ。


イーサンの低く鋭い声で。


「ハーパー。俺のオフィスへ」


チャールズが足早にイーサンのオフィスに入った途端、イーサンはドアに鍵を掛け、ブラインドを全て下ろした。


その尋常ならざる様子に、チャールズが真っ青になる。


イーサンが一言告げる。


「座れ」


チャールズがぽすんとイーサンのデスクの前のソファに座ると、イーサンは立ったまま、話し出す。


「君は、どうやらカボチャをくり抜く作業で精神的ストレスを感じているようだな?」


「……へ……?」と間抜けな声が出てしまうチャールズ。


イーサンは淡々と続けた。


「君の"完成したカボチャ"を見たチームの意見は一致している。

君のカボチャは一度目で完璧だったのに、作り直した。

しかも、二度目はハロウィンという概念から、かけ離れてしまっている。


だが、我々プロファイラーは同僚をプロファイルはしない。

午前10時にオラクル内のカウンセリングの予約を取ってある。

そちらで話をするように。

以上だ」


そうして、イーサンは全てのブラインドを開け、ドアの鍵も開くと、いつもの通り、ドアを明け放したままにしてデスクに着く。


チャールズは「失礼します」と言って、イーサンのオフィスを出る。


カリスタとベックとヴィヴィアンは何事も無かったかのように、普通に仕事をしていた。


チャールズは自分のオフィスに入ると、大型パソコン3台に囲まれているデスクの前の椅子にぽすんと座って、呟く。


「……なんで……?」


精鋭プロファイラーしかいないチームはやりにくい。


そして――

チャラ男イーサンは、地球のどこにもいない。



〜fin〜

こまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)

次回も読んで下さると嬉しいです!


毎日17時更新☆


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自作のキービジュアルやキャラクターカード貼ってます♪


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