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この世界は好きですか?  作者: ふう♪
第4章ナルメド収穫祭
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第31話 迷い、逃走、奇妙な物



 目を覚ますと、真っ先に見えたものは白い天井だった。


 背中にふかふかな感触が伝わること、を考えるとどうやら俺はベッドに寝かされているようだ。あれ? もう起きてしまったのか?


「和樹さん!」

「和樹! 大丈夫!?」


 2人の少女の叫び声が聞こえる。

 その声の方を振り向くとそこには心配そうに俺を見るフィアスとエルシィ王女の姿があった。

 てか、俺気絶するの多くね?


「……あぁそうか」


 そういえばあの鳥の魔物はなんだったんだ?


 そんなことを考えていると急に体を揺すられた。


「和樹!? やっぱりどこか調子が悪いのよね!? 早くお医者様に伝えなきゃ!」

「わー待て待て待て! 大丈夫だから!」


 と、俺は慌てて部屋を出て行こうとするエルシィ王女の手首を掴む。


「っ、良かった……」

「またあの時みたいに気絶したからびっくりしました……」


 安堵する2人。


「どうやら目が覚めたみたいだね」


「っ! 兄様!」

「ナルタス王子……」


「ちょっとここで待ってもらえるかな」


 ナルタス王子は護衛にそう言うと部屋の中へと入ってきた。


「また君に助けられたね。ありがとう」


「っ! そんな、俺は……」


「いや、君がいなかったら後ろにいた僕はあのゴーレムにやられていたよ。それと、君があの時召喚した鳥の魔物の魔障壁、見事だった。あんなに綺麗で頑丈な魔障壁は初めて見たよ」


「私もあんなに綺麗な魔障壁は初めて見たわ」


「私もです」


 この場にいる全員の話があの鳥の話に集中する。


 あの鳥の魔物、俺の魔力ほとんど吸い取ったよな。てことはかなり強い魔物か?


 その時、兵士らしき人数人が部屋の中へと入ってきた。


「これはナルタス王子殿! お会いでき、光栄です!」


 兵士達が敬礼のポーズをする。

 それに対し、ナルタス王子は手を挙げて返した。

 この国の兵士達にも尊敬されてるのか。ナルタス王子って顔が広いな。あ、そういや毎年収穫祭に来てたんだっけ。


「ありがとう。それで、どうしたんだ?」


「はっ! 3つご報告があります! 1つ目はナルタス王子殿の警護をしていた兵士達は一部軽傷で全員無事でした」

「そうか、良かった」


 兵士の報告を聞いたナルタス王子が安堵の表情に変わる。


「2つ目は、暴れていたゴーレムはエルシィ王女殿の護衛達の活躍により、捕らえることが出来ましたが、バルサ博士には逃げられてしまいました。現在指名手配中です。とり逃して申し訳ありません」


「いや、いい。君たちが悪いわけじゃないだろう」


「ありがとうございます。現在、ナルメド国王の命令によって捜索する兵士達を増員したので見つかるのは時間の問題かと思われますが……」


 あのハゲ鷹爺さん逃げたのか。性格悪そうな顔してたしなぁ……


 後々これが大きなトラブルを引き起こしそうな気がするのはラノベの読みすぎだろうか。


「それで3つ目なんですが……」


 そう言うと、兵士は申し訳なさそうな俺の方を向く。え? 何?


「こちらの方の召喚魔術に興味を持った方がおられまして……その、今すぐにでも来てほしいそうで……」

「はぁ……分かりました」


 俺の召喚魔術に興味? そんな物好きな人がいるのか……俺は話に応じ、その人の元へ向かうことになった。


 護衛の兵士数名、エルシィ王女、フィアス、そして俺だ。


 ナルタス王子は何やらナルメド国王に話があるようで一度ナルメド国王の元へ向かうそうだ。




 少し歩くと、青白い建物が見えてきた。ドーム型の形をしており、まるでカプセルハウスのようだ。


「こちらです」


 兵士がドアを開け、中に入る。俺が先頭なのは気のせいだろうか……


 そう思った次の瞬間、ガシィッ! と、俺の肩を誰かに強く掴まれた。思わず振り向くと、そこには金色の髪をした長髪の女性がキラキラとした目で俺のことを見ていた。



「やぁ! 待ってたよ! 和樹って言うんだってね! 話は聞いてるよ! 君、面白い召喚魔術が使えるんだってね! 早速だけど見せーー」

「早過ぎて何言ってるか分かんねぇ!」


 俺はエルシィ王女とフィアスの方を向き、助けを求めるがーー、


「わぁ……」

「っ……」


 2人は唖然としていた。




 その頃、捕らえられたゴーレムは護衛の兵士達によってナルメドの研究員に引き渡された。


 目的は1つ。なぜゴーレムが突然暴走したのか。本来ならバルサ博士に聞くのが一番手っ取り早いのだが、逃げられてしまっている以上捕まるまではどうしようもない。

 だからまずはゴーレムに何があったのか本体を解剖して調べるようだ。


 とはいっても、このゴーレムは魔法によって作り出されたものなので医療具などは使わずに魔術を用い、順番に組み立てられた術式を外し、分解していく。


 やがてゴーレムのエネルギーの元である心臓へとたどり着く。


 最後の術式を外し、中を開ける。


 そこに今回の暴走の原因となった何かかあるはず。そう研究員たちは考えていた。


「なっ……!?」

「これは……?」


 この場にいた誰もが驚いた。

 なぜならーー、


「これはいったい何なんだ!?」


 そう言い指差す研究員。その先には、紫色に光る怪しげな結晶、クリスタルのようなものがゴーレムの心臓に埋め込まれていた。


「……分かりません、私はこんなクリスタルを見たことがありません」


 その研究員の言葉に続き、私も僕も、と、次々と声を上げる。


「こんなものをバルサ博士はいったいどうやって……?」


 研究員の誰もが見たことないと言う未知のクリスタル。


 その時、恐る恐る紫色に光るクリスタルに触れる研究員がいた。


「っ! 迂闊に触れるな! 何が起きるか分からんぞ!?」


 クリスタルに触れようとしているは研究員にそう叫ぶ研究員。

 だが、一足遅かった。


「っ!? ぐああああああぁっ!」


 クリスタルに触れた研究員は途端、断末魔のような叫び声を上げた。

 それと同時に研究員の身体から黒いオーラが滲み出す。


「全員このクリスタルに触れるな! こいつは危険だ!」


 そう言うと研究員は苦しむ研究員に駆け寄ろうとする。


 だがーー、


「おいっ! どうした!? っ……!」


 仲間の研究員が呼びかけた時にはすでに彼は動かなくなっていた。


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