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この世界は好きですか?  作者: ふう♪
第4章ナルメド収穫祭
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第24話 神様の頼みごと


 眠りについたはずの俺はなぜか立っていた。

 数日ぶりだろうか? 俺は4度目となる真っ白な空間にいたのだ。


 そして俺の目の前にいる神様は橙色の髪の女性ーー、


「久しぶりね。って、言うほどでもないかしら?」


 ルミ姉だ。それにしても今回は何の用なんだろうか。


「ごめんね、急に呼んで。迷惑じゃなかったかしら?」


「いや、そんなことないけど……」


 とは言いつつも確か今の俺は寝てたんだよな……まぁルミ姉には助けられているからお呼び出しくらい構わないけど。


「それより何かあったのか?」


「そこまで大したことじゃないわ。ただ少し気になることがあってね……」


 ルミ姉はふぅ、とため息をつき、話を再開した。


「実は最近、バイヘイム王国付近で不審な動きがあるの」

「不審な動き……?」


「そう、その王国付近っていうのは隣国にあるナルメド王国のことなんだけど近々そこで収穫祭が行われるのは知ってる?」


「ん? 収穫祭ってなんだ?」


「文字通りよ? 作物の無事の収穫を祝う為に行われる祭行事のこと」


 なるほど。あ、そういえばエルシィ王女が今度祭りがあるからフィアスと一緒にナルメド王国に来いって言ってたな。あれは収穫祭のことだったのか。


「それでね、本題に入るけどここ最近、そのナルメド王国内に大量のゴーレムが持ち込まれたのよ」


 あ、なんかルミ姉が言おうとしてることが分かった気がする。ラノベに良くありそうな展開だ。恐らく……


「もしかしてナルメドの様子を見てきてほしいとか……?」

「正解!」


 パチンと両手を叩くルミ姉。あっ、今笑った。ルミ姉は笑顔が似合ってるな。


「って、こんなこと頼むのは普通可笑しいわね。あなたには何も関係ないのに……」

「いや? いいよ?」

「えっ?」

「実は3日後に収穫祭でナルメド王国に行くことになってたんだ。だからいいよ」


 そう言うと驚いた表情をするルミ姉。


「……そう。あ、ありがとう。本当は私が見ていないといけないんだけど今手が空いてなくて。助かるわ。様子を見に行くのはあなたが行く日と同じでいいわよ」


 ラノベを読んでて思ったがどこの世界の神様も大変だな。それぞれの使命がある。ま、ルミ姉には世話になってるからこれくらいたやすいことだ。どうせそこに向かうし。


「具体的に何かするか?」


「……そうね。出来ればそのゴーレムを作った人を見つけて次に私と会った時に報告して欲しいかしら。あっ、話しかけなくていいわよ」

「分かった」


 そしてどちらからともなく会話は途切れた。

 やがて口を開いたのはルミ姉だ。


「あっ、そういえばお礼と言ってはなんだけど何かある? 出来る限りのことには応えられるわ」


 んー、今何が欲しいんだろ。特に無いんだよなぁ……おっ、そうだ!


「ルミ姉、1つ聞きたいことがあるんだけどいいか?」

「ええ、なんでも聞きなさい」


 ドンと胸を叩くルミ姉。


「俺が最初に出会った神様から一応全属性の魔法が使えるようにしてもらってるんだけどそれが全然使えないんだ」


 前にユーフィの前で試したけど全然上手く使えないんだよなぁ……発動自体は一応するんだけどな。


「……もしかしてその辺のこと私に会うまでに会った神様から何も聞いてない?」


 俺は頷く。するとルミ姉は頭に手を当て、ため息をついた。


「……っ、そういえばあの姉妹両方とも抜けてるとこがあったような……まぁいいわ。今から私が簡単にだけど説明するからよく聞きなさい。まず、属性魔法には適正というものがあるわ。あれば当然、魔法が使えるけどそれが無い人にはほとんど使えないから何をやっても無駄だわ」


 そんなものがあるのか。あぁ、でも魔法系ラノベの話でなんか聞いたことあるな。

 ん?


「ってことは俺は……」


 まさか俺には魔法の適正がない!?


「……例え神の力で属性魔法が使えるようになる力を授かっても、その人自身に生まれ持った適正が無かったら全く使えなかったのがほんの少しだけ使えるようになるだけよ。って、どうしたの!?」


 俺はいつの間にか膝をついて聞いていた。それほどショックだったんだ。異世界に来て、しかも神様から属性魔法が使える力を授かったにもかかわらず適正という事実を知って。自分にはその適正がないということを知って。


「っ……」

 するとルミ姉はなぜか無言で俺のおでこに手を当てた。温かいぬくもりが伝わる。


「まだ諦めるのは早いんじゃないかしら?」

「え?」


 そう言って手を離した。俺には彼女が何を言っているのか理解出来ない。


「今、あなたの身体を調べさせてもらったわ。あなたには無属性の適正とほんの少しだけど闇属性の適正があるわね」


「っ!? てことは……」


「無属性と闇属性の魔法なら使えるかもね?」


 右目をウィンクするルミ姉。その行動には頑張ってという言葉が込められているように思えた。


 その後、俺は意識を失った。





 真っ白な空間にただ1人残った未来神ルミ。


「……さてと、私もそろそろ行動しようかしら。【サーチ】」


 途端、彼女の右目が輝きを放つ。


 ……豊かな自然が広がる大森林都市、メルザナ。そして……


「……あら?」


 右目を抑え、首を傾げるルミ。

 彼女は今、未来を見ようとした。だが、途中で遮断された。

 それは何者かが意図的に邪魔をしているからだ。

 けれどそれは誰? 自分は干渉しているわけではないのだから神々が邪魔をしたとは考えにくい。


「……まぁいいわ。それでも私は諦めない」


 全てはあの子を見つけるために……


 しばらくしてルミは空間から抜け出す。


 抜け出したその先には先程未来を見たときにあった光景が広がっていた。


 大いなる自然。その先には時計塔のようなものが見えていた。確かそこに街があるはずだ。


「ふふ。何年振りにここに来たかしらね」


 そう言うと彼女はパチンと指を鳴らす。

途端、彼女の姿が変化する。


「こんなものかしら」


 茶色のロングヘアにベージュ色の瞳。上着は地味な焦げ茶色で下は黒いスカートに黒いソックス、ブーツへと変化していた。


 その後、彼女は隠密に行動を始めた。


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