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魔王と魔法使いはかくて勇者を殺し、世界を破滅へと導いた  作者: 変愚の人
第2章(花街動乱編)
21/92

第14話

ミカエル・アヴァロン。名前だけは聞いたことがあった。父上と対立していた、イーリスの大司教。

そして、「サンタヴィラの惨劇」後、一気に魔族弾圧を展開した「聖人」。……「四勇者」と並ぶ、不倶戴天の敵だ。


俺は運命の悪戯に感謝した。こんなにも早く、奴に出会えるとは。魔族の、そしてズマの国民のためにも……奴は俺が殺さねばならない。


俺の様子に気付いたのか、ジャックが渋い顔になった。


「入れ込み過ぎだ。ちゃんと読んだのか?」


「……もう一度読む」


俺は目録に改めて目を通す。……これが「グロンド」か。


#


「冥杖グロンド」

等級:特級

場所:イーリス・ユングヴィ大聖堂

初出:初版(聖歴402年)、第3版にて補遺(聖歴445年)

概要:ユングヴィ教団に代々伝わる神宝の一つ。他にも神宝があるようだが、公になっているのはこれのみ。

大司教の継承式のみ持ち出されるものであり、持ち主に多大な魔力をもたらすとされる。

古の勇者の一人も、これを使い世界を平和に導いたとされるが、詳細は定かではない。

補遺:聖歴444年、大司教マックス・マクシミリアンが乱心。私情から、対立していた司教ジェイムズ・ハーグリーブスとその部下17人を「消失」させる事件が発生した。

イーリス王国軍が彼を拘束した際に彼がグロンドを持っていたことから能力が判明。本人ごと空間転移を行うことが可能になるというもの。

範囲は最大半径50メドにも及び、かつ発動までの時間は転移術より遥かに短い。転移先からの帰還はグロンド所持者のみが可能である。

なお、ハーグリーブス司教らは行方不明になってから1ヶ月後、ズマ魔候国の山中で魔獣に喰われて殺害されていたのが判明した。


#


「なるほどな。やはりエストラーダ邸を消したのは、このグロンドの力ということか」


「特徴とも合致するから、間違いないな。とはいえ、いかに『特級遺物』とはいえ、その力を引き出すのは本人の資質がないと意味がない。

アヴァロン大司教自体も、相応の使い手と見るべきだろう」


小娘がはっと何かに気付いた。


「……って、これって……エストラーダ侯とかは、今別の所にいるってことですよね??だとしたら、助けられるんじゃ!?」


「どうやって探す?イーリスからズマまでは300キメドは優に離れている。それぐらいの距離を転移できることからして、探す範囲は膨大になるぞ?

転移先が魔獣の棲み処なら、辿り着くことすらままならん。この目録のハーグリーブスのように、食われて死ぬのが落ちだ」


ジャックの言う通りだろう。デボラの表情も険しい。


「ってこれ……帰還できるのは一人だけかい?」


「俺も詳しくは分からないが、この目録を読む限りではそうだな」


「となると、モリブスのネリドもついでに消されたことになるね。あんな奴どうなったって構わないけど、これはこれで大変なことになるんじゃないか?」


その通りだ。改革派のミリア・マルチネスが殺されただけでなく、旧守派で無頼衆との繋がりも深かったルイ・ネリドも消えたとなれば、モリブスのユングヴィ教団は大混乱に陥るだろう。

状況はどうも俺たちだけの話では済みそうもない。とっととこの国を去りたいが、小娘の修行をジャックにつけてもらわないと始まらない。

それは多分数日では終わらないだろう。厄介なことになった。


「だろうな。ジョイス……モリブス統領、ジョイス・ベーレンがじきここに来ることになるだろう。プルミエールは一度会っておいた方がいいな」


「ベーレン候か」


会ったことは1度ある。人間としては、まあまあ信用の置ける印象ではあった。

ワイルダ組の後援者でもある。表立っての支援は望めないが、何かしらの後添えがあるかもしれない。


「これは紛うことなき政変だ。7貴族の序列2位と、ユングヴィ教団の首魁が消えたわけだからな。

クドラクの件は、むしろこの前振りでしかなかったとすら言える。で、お前の修行だが」


小娘が封書を差し出した。


「その前に、これを。アリス教授からの手紙です」


それを受け取ると、ジャックはピッと切断魔法を使い封を切る。

中身を読み出すと、愉快そうにクックックと笑い出した。


「……面白い。あの女、この状況を読んでいたな」


「え?」


「何?」


アリス・ローエングリン。小娘の師に当たることは聞いている。精霊魔法の第一人者であり、40そこそこにしてオルランドゥ魔術学院教授という異例の出世を遂げている、らしい。


ジャックは手紙をテーブルに広げた。


「大分前に、奴はオルランドゥを出ている。今あそこにいるのは、途轍もなく精巧に作られた傀儡だ」


「「は?」」


プルミエールが手紙を手に取る。俺も横からそれを覗き見た。


#


ジャック・オルランドゥ殿


御無沙汰をしています。お身体はどうでしょうか?

既に私の学生2人が、そちらにお邪魔していることかと思います。2人の指導、よろしくお願いします。


私は今、テルモンに向かっているはずです。デイヴィッド・スティーブンソンが動いたのは確認しました。

エリザベートをそちらにやりましたが、状況は切迫していると認識しています。

私もこのままでは命が危ういと重い、精霊を宿らせた傀儡に私の影武者をさせています。思考、行動の癖など全て私に忠実ですから、余程でない限り看破されないでしょう。

私の側にいたエリザベートすら、恐らく気付いていないはずです。今頃仰天しているのではないかしら。


テルモンに行くのは陽動のためです。エリック・ベナビデスとプルミエールが力を付けるだけの時間を稼ぐには、多少の無茶が必要です。詳しくは話しませんけれども。

私のことを案じられるかもしれませんが、その点の心配は無用です。私が分の悪い賭けをしないのは、よく御存知でしょう?


一服したら、会いに行きます。そう時間は掛からないでしょう。

くれぐれも、身体はご自愛下さいませ。


貴方の


アリス・ローエングリン


#


「ぴゃあ!!!」という声が外から聞こえた。さしものエリザベートも、全く予想だにしてなかったようだ。

小娘はというと、プルプル手を震わせている。信じられない、とでも言いたげな表情だ。


「教授……一体どういうことなの??」


「ジャック、ひょっとして初めから」


煙草を加えながら、ジャックがニヤリと笑う。


「その通り。あいつに情報は流してたのは俺だ。プルミエールが狙われるであろうことも、お前が彼女を『浚いに』来るであろうこともあいつは分かっていた。

黙っていて悪かったが、あいつもお前らの支援者だったってわけだ。勿論、俺がプルミエールの『追憶』を知っていたのもアリス経由だ」


「どういう経緯だ?そもそも、お前とこのアリスって女はどういう関係だ」


「元嫁だ」


「……はぁ??」


「ええっっ!!?」


俺と小娘が叫ぶ。デボラだけは「ああ」とさほど驚いた様子はない。


「確かにいたねえ。思い出したよ、あのひとかい」


「お前ら姉弟が居候していた時はまだ一緒に住んでいたからな。別れたのはそれからしばらくしてからだな」


「まあ、魔法馬鹿同士だったからねえ。別れたって話を聞いた時はさほど驚かなかったけど、付き合いはまだあったんだねぇ」


「嫌い合って別れたわけではないからな。よく連絡は取っていたし、エリックの話もしている。もちろん、こいつが何を望んでいるのかも」


流石の俺も驚いた。人間側に協力者がいたとは。


「六連星のことも把握してたようだな。陽動っていうからには、何かしらでテルモン方面に連中の注目を集めようという考えだろう」


「陽動って……危険じゃないんですか!!?」


「無茶はするが危険は冒さない、それがアリス・ローエングリンという女だ。まあ、やるからには成算があるってことだろ」


「解せないねえ」


デボラが口を挟んだ。


「何で教授様がこんな厄介ごとに首を突っ込むんだい?あんたの役に立ちたいからといっても、こいつはちと度が過ぎるよ」


ジャックは煙草を灰皿に押し付けた。


「俺もアリスも、20年前の『サンタヴィラの惨劇』には疑念を持っている。

ケインとの付き合い上、理由無しにあんなことをするはずがないと確信しているからな。旧友の汚名をそそぐというのが理由の一つだ。

そして、六連星が出張ってきて確信したが、これは間違いなく国家絡みでの陰謀だ。そうじゃなければ、プルミエールは狙われない」


ジャックはコフコフ、と軽い空咳をした。少し、話しているのが辛そうにも見える。


「……事の背景がろくでもないことは、察しが付いてる。このまま、『歴史の真実』が明らかにされないままのほうが、世界は平和なんだろうが……ゴフッ」


「ジャックさん!!大丈夫ですかっ??」


「ん……まあ、まだ大丈夫だ。とにかく、アリスが時間を作ってくれている間に、お前らを鍛えないといかん」


「時間……どれぐらいだ」


俺の問いに、ジャックが黙った。


「分からん。ただ、最低1週間、恐らくは2週間までは粘れるだろう。どの程度グロンドの転移に融通が利くかにもよるが、あれを頻繁に使えないならアヴァロンは陸路でテルモンに向かうはずだ。

ここからテルモンは往復に2週間はかかる。その間に、『追憶』の使い勝手を向上させないといかんな。無論、奴を討てるだけの力も身に付けたいところだ」


「……たかが2週間でできるのか?」


「それはお前がよく知っているだろう?」


ニィというジャックの笑みに、俺は初めてここに来た時のことを思い出して身震いした。体術にはある程度自信があったが、魔法はからきしだった俺に根本から魔法の基礎を叩き込んだのが彼だ。

その修行は思い出したくもない。あの苛烈なのを、もう一度やるのか?


クックック、とジャックが面白そうに笑う。


「冗談だよ。課題は明白だ。お前は『加速』の持続時間、プルミエールは『追憶』の効果範囲の拡大。エリザベートにもちと稽古を付けてやるかな。

課題が明白だから、そこまで時間はかからんよ。まあ苦労はしてもらうが」


「あたしにも……頼めるかい」


「……お前もか」


デボラが頷く。


「誰が父さんと母さんの仇かは分からない。ファリスの母親なのかもしれない。

だけど、もしもの時のためだ。もう一度、あたしを鍛えてはくれないかい?」


「いいだろう。じゃあまず手始めに、俺の家の掃除をしろ」


「は?」


「俺の他に4人も寝泊まりするんだ。幸い、この家は相応に広い。散らかってる本を整理すりゃ、それなりに何とかなるだろ」


#


「何だか妙なことになりましたねぇ……。あのアリス教授が偽者で、ジャックさんの元奥さんというのにも腰を抜かしましたけど」


パタパタとはたきで塵を払いながらエリザベートが言う。額には汗が滲んでいる。


「皆ここに滞在するのは仕方ないさ。あたしらを匿う意図もあるんだろう?」


デボラの言う通りだ。俺たちがジャックを頼る可能性は、少し考えれば分かりそうなものだ。それでも、アヴァロンという男がここを襲わないだろうと確信できるのには理由がある。

それは単純に、ジャックが当代一の大魔導師だからだ。彼の知名度は高くはないが、彼以上に魔術の腕が立つ男は父上以外に見たことがない。

アヴァロンがジャックのことを知らないとは思えない。とすれば、こちらに追手は迂闊には来ないはずだ。


俺は魔道書を持ち上げた。やたらと重い。横の男は背の高さを活かしてひょいひょいと片付けている。


「……さっきから思っていたが、何故お前もいる?」


「そりゃあ姫のお守りだろ。てか俺も命は惜しいんでね、一人でモリブス市街に残る選択はねえよ」


ランパードが本を片手に言う。ジャックは酷く渋い顔をしていたが、安全面から結局こいつも泊めることになってしまった。「俺が人質に取られたらまずいだろう?」とはこいつの弁だ。


「にしても、どれも面白そうな本ですね。読み耽ってしまいそう」


「そりゃあ天下のオルランドゥ家の正統後継者だからね。蔵書の質は魔術学院の大図書館に勝るとも劣らないさ。

あたしやウィテカーも、よくここに入り浸ってたものだよ」


俺は魔道書が微かなマナを帯びていることに気付いた。なるほど、ここのマナの濃さはそういうことか。

昔極端に濃い濃度のマナの下で鍛練をさせられ閉口したが、これはそれの亜種ということのようだ。掃除をしろと命じたのには、相応の理由があるということだ。



片付けは半日がかりで終わった。幸い外に異変はない。今日のところは逃げ切ったと言えそうだった。


「ふえぇ、疲れたぁ……お腹空いたぁ……って誰が作るの?」


「そう言えば……ジャックさん、足悪いし誰が身の回りのお世話してるんだろう?」


俺は辺りを見渡した。そういえば「あいつ」にまだ会ってないな。


「ここから街まではかなりありますものねぇ。食糧の調達とかも必要だし。どうなんですそこのとこ」


「あたしに話を振るのかい?あたしらが居候してた時は、普通にアリスさんが食事作ってたけどねぇ。まだジャック先生も五体満足だったし」


デボラが困惑したように言う。


「……召し使いがいる。ただ、今日は見てない」


「いるのかい?こんなに散らかってて?」


「散らかってるのが好きな奴だ。というか散らかしたのは多分そいつだ。どこに行っているのだか……」


ニャァ、と黒猫がドアから入ってきた。


「あら、猫ちゃん。……この子、どこかで見たことがありますねぇ……」


「そうね。アリス教授のとこにいた猫も黒猫……」



「それはそうだにゃ。それがボクだからにゃ」



「「「???」」」



猫が喋る。そしてクルッと宙返りすると、12、3ぐらいの少年の姿になった。半ズボンに半袖で、褐色の肌をしている。


「な゛??」


「やはりいたか、『シェイド』」


ニシシ、と笑うと奴はプルミエールに抱き付いた。


「えっ!!?」


「んー、やっぱり美人さんだにゃ。このおっぱいに埋もれ……」


スリスリとプルミエールの胸に頬擦りする奴に、ゴスッ、俺は拳骨を脳天に食らわす。「あだっ」っとシェイドは飛び退いた。


「何するにゃ!!このチビ!!」


「お前もだろう?相変わらず女癖の悪い奴だな」


「おっぱいは正義にゃ!!それに、ボクの可愛さに落ちない女の子はいないにゃ!あ、あっちにも狐耳のお姉様がいるにゃあ!」


シェイドはデボラに向けて駆け出す。それを彼女は前蹴りで吹っ飛ばした。


「あぐ……暴力反対にゃあ……」


「頭の弱いガキは嫌いだよ。というか何だいこいつは。亜人かい?」


「いや、こいつは……」


車椅子の音がする。ジャックだ。


「シェイド、飯の支度をサボって何油を売ってる?」


「あ、御主人!!ただいまにゃ、買い出しは終わってますにゃ」


「女漁りの間違いだろ?ったく、お前が仕事しないから家がいつまでたっても片付かん」


「あのぉ、この子は……」


「俺の召し使いだ。『偽猫』を基にした魔術生命体だな」


「にゃ!!シェイド・オルランドゥ21歳だにゃ!絶賛お嫁さん募集中にゃ!!」


「ガキが何言ってやがる。せめて召し使いとしての仕事を最低限できるようにしろ。飯はどうした?」


「あぐ、今から作りますにゃ……ちょっとお待ちを」


そう言うとシェイドはパタパタと厨房に向けて駆け出した。


「何だいありゃあ。そもそも21って」


「13年前に偽猫を捕まえてな。俺の身の回りの世話をするためにアリスが残した。偽猫としての年齢を足すとあんな感じだ」


「にして騒々しい奴だねぇ……」


デボラが眉を潜めている。プルミエールは呆気に取られた様子だ。


「……人に化けるんですね……」


「『人化術』だな。あれは学会にも発表されてない。ユングヴィの奴らが五月蝿いからな」


ジャッ、ジャッと鍋を振る音が聞こえる。香ばしいスパイスの薫りが漂ってきた。やっと飯にありつけそうだった。


#


「どうぞ召し上がれにゃ!!」


テーブルにはバターと鶏の「バー・レー」、そして鶏と長魚のスパイス炒めがある。俺が好きな辛口の「カシ・レー」ではないが、仕方ない。シェイドは辛いのが苦手だ。


「あっ、美味しい!!食べやすくて」


「本当ですねぇ!モリブス料理ってクセがある印象だったけど、これなら大丈夫かも」


「喜んでもらえて光栄ですにゃ。ささ、取り分けますにゃ」


シェイドはプルミエールの皿にばかり料理をよそっている。……気分が悪い。

それはどうもエリザベートも同じようだった。理由は違うが。


「えっと、私にはないんですかねぇ?」


「おっぱいない子はダメにゃ、出直して来いにゃ」


「な、なんですってぇ!!?」


パシッとジャックがシェイドをはたき、ランパードがエリザベートを押さえる。


「馬鹿者がっ。こいつらは客人だ、手を出すことはまかりならん」


「えー」


「第一、礼をちゃんと学べと言っているだろう?何年俺の召し使いをやっている?」


「だって……これは耐えられませんにゃ」


ジャックが深い溜め息をついた。


「すまんな。どうも理性は獣のままのようだ。遠慮なく突き放して構わん」


「は、はぁ」


エリザベートはまだ額に青筋を立てている。まあ、当然だが。


「何ですかこの侮辱。私は貴方より大分歳上ですよ?ランパードも何か言ってやって下さいよ」


「ま、まあまあ。貧乳は希少価値と……いでっ」


ランパードが激しく痛がった。脛でも蹴られたか。


「おふざけはこの程度にして、だ。モリブスの様子は」


「やはり緊迫してましたにゃ。ラミレス家主導で厳戒態勢が敷かれてますにゃ。

彼らがエリックたちに気付くのは、あのままだと時間の問題だったはずですにゃ。ここに逃げたのは大正解にゃ」


「他に気付いたことは」


「ユングヴィが荒れてますにゃ。後任を誰にするかで」


「当然だな」


ジャックがナプキンで口を拭く。


「明日早くに、多分ベーレンが来る。修行はその後……」



一瞬のうちに、ジャックの表情が変わった。



「……誰か来る」


「何っ!!?追手か」


「いや、それにしては人数が少ない。3人、それも……」


「一般人にかなり近いマナですねぇ」


エリザベートは怪訝そうに窓の外を見る。どういうことだ?


「一応、応対は俺がする。異変があったら出て構わん」


「……分かった」


ジャックが車椅子で玄関へと向かう。一般人が、たった3人?


「誰だろう?」


「見当も付かないね。ここは隣とは相当離れてる。理由もなしに来るとこじゃない」


窓をそっと見る。玄関に来た男たちは……



「あっ」



プルミエールが声をあげる。俺もすぐに気付いた。


3人のうちの1人に見覚えがあった。モリブスに来て、ミリア・マルチネスの死の状況を見た時に対応した、あの若い男だ。



キャラ紹介


シェイド(21)


男性(雄)。身長164cm、54kg。黒髪に褐色の肌の猫耳少年。笑うと八重歯が見える。

元は魔獣「偽猫」だったのをジャックとアリスが手を加え、魔術生命体とした存在。倫理には反しているが、2人ともその点は無頓着である。

アリスが離婚の際に生活能力がないジャックのためにと残した存在だが、シェイド自身は料理以外の家事はあまり得手ではない。

こっそりと(?)魔術書を読み漁っており、片付けないので家は散らかり放題である。


街に出る時は亜人のふりをしている。女好きであり、特に巨乳で歳上の女性が好み。ナンパのためよく家を空けている。

自分の見たくれの良さを自覚しており手を付けた女性も多いが、あまりに浮気性なので長続きはしない。

また、貧乳には価値がないという信念があり、エリザベートには全く関心がなかった。


ジャックとアリスのメッセンジャーのような役割もしており、第1話ではエリックについての情報を伝えに来たところだった。

なお、この際は猫に化けている。この姿での移動速度は恐ろしく速い。

またオルランドゥ姓を名乗ってはいるが、当然養子ではない。本人はジャックの跡を継ぐつもり満々ではあるが。

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