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女性  作者: VISIA
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6/13

不安

 友人は、無言のまま部屋に入ってくると、体重3桁の頭を踏んで通り過ぎ、此方を向いてそばに屈んだ。


 今日は、C型装備だった。

 友人は、瞳孔を全開に開かせながら此方を見ていた。いつにない表情が恐く感じられた。


「…朝から何をしているのかな?」

「え、えと…その…急に女性が倒れてきて…」


「体重3桁を押し倒したとでも?」

「…はい。」


「…私に、その話を信じろと?」

「…僕が嘘を言ってないという真実の、つぶらな瞳を見て下さい。」


「……。」

「……。」



「…もう少し、目は開かないのかな?」

「…えと、…限界です。」


「……。」

「……。」



「……ところで、」

「……?」



──友人の顔色が悪い事に初めて気がついた。



「女性が、両手で首のマッサージをしているように見えるけど?」

「…えっ?」


「……私にされてたら、安らかに逝けたと思う。」

「……。」


「……女性の赤い爪が食い込んでいるけど、大丈夫?」

「……。」




「……寝ているのか?」

「……お、起きてます。」


「…普段の時も寝ている時も同じ顔してるね。」

「…目が細いだけです。」



「目、見せて。」

「…こんな感じ?」


 体重3桁に不釣り合いな¨鏡のカラコン¨をキラリと御披露目する。

 暫くの間、友人が手を振って楽しんでいた。


「凄い。私が写っている」

「目力アップです。」


──その目力で、女性を見つめた。


「何だか、女性が凄くイラついているように見えるんだけど?」

「……?」


 女性の顔が、体重3桁のモアイ顔にゆっくりと近づく。

 あの時の表情の顔に、少し殺気が感じられた。


「瞳を閉じたほうがいいんじゃない?」

「……そうし……ま…」



──ぶふぇっくしょんっ


 今年最大級のくしゃみが、体重3桁の頭を激しくバンギングさせた。

 そして、その頭が女性の顔面に直撃してしまった。


 女性は、その衝撃で後ろに転がっていき、トイレの便座に頭をぶつけてそのまま横に倒れた。

 トイレのドアが、独りでに閉じていった。

「……。」

「……。」


「トイレのドアを開けたら、また…」

「…来るかな。」


「これから…どうするの?」

「…女性が素手なら大丈夫かと。」


「この部屋に刃物は?」

「確か無いはず。…でもトイレブラシで撲殺されるかも……」


「それは無いよ。」

「…そうかなあ。」

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