表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『最強暗殺公爵の異世界定食屋〜『ネット通販』と現代兵器でスローライフを満喫してたら伝説の種族が常連客になった件〜 』  作者: 月神世一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
111/119

EP 2

「ウィスタの違和感と、武装する農家たち」

 ファミレス『ルナキン』を出たユートとリリスは、肩を組んで夜のポポロ村を歩いていた。二人の間には、共にルチアナという共通の災厄に立ち向かう「底辺の絆」が芽生えていた。

「いやぁ、ポポロ村の夜風は心地いいですぅ。借金のことは忘れられませんけど」

「ああ、全くだ。……だが、なんだかこの村、妙に空気が澄んでないか?」

 ウィスタが愛用の魔導ライフルを指先で回しながら、鋭い眼光を村の周囲へと向ける。彼はエルフ特有の敏感な聴覚と、魔力探知能力で周囲の「異常」を感じ取っていた。

「どうしたのウィスタ?」

「……おかしいんだよ。この村、緩衝地帯のど真ん中だろ? 三大国の国境付近なんて、普通ならならず者や野盗が闊歩していてもおかしくないはずだ。なのに、今の今まで『殺気』の欠片も感じない」

 ウィスタがふと視線を横の農家へと向けると、窓からおじさんが顔を出した。

 おじさんはくわの代わりに、重厚な『魔導誘導バズーカ』を肩に担ぎ、ニコニコと微笑んでいる。

「おや、旅の人かい? 夜道は危ないから、タローマンの反射ベストを着て行きなさいよ」

「……あ、ああ、ありがとう……(な、なんだそのバズーカは)」

 ユートが引きつった笑顔で頷くと、今度は向かいの納屋からおばちゃんが勢いよく飛び出してきた。彼女は洗濯物を干すような手つきで、肩に『対空長距離魔砲』を担いでいる。

「あら、ごめんよ! ちょっとそこ通るから道を開けておくれ!」

「……お、おばちゃん、それ……」

「ん? これかい? 最近、村の上空をワイバーンが飛び回ってうるさくてねぇ。ちょっと撃ち落としてくるだけだよ。気にしないで!」

 ドォォォォンッ!!

 おばちゃんが空に向けて引き金を引くと、遥か上空を飛んでいたワイバーンが黒焦げになって落ちてきた。

「「「……ひぃっ!?」」」

 ユート、リリス、ウィスタの三人は、顔を見合わせて絶句した。

「……ユート、あんたの見た『田舎の農業村』っていう概念、速やかに修正したほうがいいぜ。ここ、ただの村じゃない。**『村全体が歩く要塞』**だ」

「わ、私のエターナル(理想郷)製作計画、ここの自警団に任せたほうが絶対効率いいですぅ……!」

 ウィスタはライフルのマガジンを軽く叩き、不敵な笑みを浮かべた。

「面白い。この村の裏側、もっと深く掘り下げてみたい気分になったぜ。……だがな、今はそんなことより『月末』だ。俺たちの嫌な予感は、大抵の場合、外れない」

 ウィスタの言葉通り、平和に見える村の地下深くからは、キュルリンのラボの稼働音と共に、何か重厚な金属音が響き渡っていた。

 空には、不吉な暗雲が立ち込め、静かに「回収の時」が近づいていることを告げていた。

「……来たぞ。天界の『アレ』と、地上の『アレ』が」

 ウィスタが空を見上げたその瞬間、ポポロ村の上空で次元の裂け目が音を立てて発生した。

 黒いスーツを纏った屈強な回収人たちと、ルナミス裏社会の取り立て業者が、同時に姿を現したのだ。

「あああぁぁっ! 来ましたぁ! 借金回収人ですぅぅ!」

「マジかよ、勘弁してくれ……! まだ借金返済のメドすら立ってねぇぞ!!」

 二人の悲鳴が響き渡る中、ウィスタは愛銃を構え、ニヤリと笑った。

「さて、撃たなきゃいけない瞬間が来たみたいだな。……ユート、リリス、迷うなよ」

お読みいただきありがとうございます!


評価・ブックマークで応援いただけると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ