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閑話 ロッド視点



「はぁ……くそ。昼寝なんかしなきゃよかったぜ」


 いつもなら気付けるのだが、この日は魔物を多く狩っていた為疲れている。その為、寝ている間に食料を奪われてしまっていた。


「こんな話、恥ずかしくて出来ねぇな。ハハハッ」


 そう軽く笑ってみせるが、状況は少し不味い。水不足で汗は流れ、疲労もあり意識は朦朧もうろうとしている。王国までは5キロ以上もあるし、このままでは本当に死んでしまう。


「く、こんな間抜けな死に方……は、嫌だったな」


ドサッ


 そして遂に熱い砂の上に倒れる。感覚は薄く、意識もだんだんと遠のいていく。




 そして意識が目覚めた時ぼんやりとしていてよく見えないが、目の前に人影が見えた気がした。


「み、水……」


 だから助かるために精一杯声を出し助けを求める。すると冷たい感覚を覚えた。全身に水をぶっかけられたようである。そして喉には水が通り、それを俺は貪るように飲む。


ガバッ!


 元気になったので立ち上がり、自らの間抜けさに笑う。誰だかは分からないが、これで完全に復活できた。目の焦点を合わせ助けてくれた人を見ると、意外なことにかなり若く、保護者はどうしたんだと少し思ったが、後ろに仲間だと思われる人たちがいて納得する。


 そうして俺はこのまま行き場が同じという事で一緒に行くことにしたんだが、アランとかいう奴にお礼をせがまれた。恩人だし別にいいんだが…その内容がギルドの規則に反した内容だった為、俺は少し葛藤を覚える。


 だが、自分にも利益があるしアランは隠蔽出来るって言ってるし、俺はその言葉を信用し話に乗った。


 それからようやく王国に到着し、あの恩人たちには俺のいる場所を伝えて無事帰還する事に成功。


「あぁ……」


 国の中に入った途端、緊張が解れたのかドットした疲れが押し寄せ、生きているという実感を覚える。冒険者をやってると多い事だが、やはり慣れる事はない。


「こんな時は酒だな」


 疲れたら酒を飲み頭をクリアにして寝るに限る。だが、クエストの報告をする為にギルドに行く必要がある。運のいい事にマジックポーチは奪われていなかった。だから討伐した魔物はきちんと入っている。


ガチャ


 ギルドの中はいつものように酒臭く、申し訳程度の換気はあまり役割を果たしていない。俺はそのいつもの光景に実家のような安心感を覚えーー


「報告は……後でいいか」


 本当はクエストの報告をしなくてはいけないが、ここには酒飲み場があるしちょうど良い。だからいつものように注文をしようとしたのだが、ドアが開かれた事でそれは中断される。


 そう、あの恩人たちが入ってきたのである。


「マジックポーチはあるか?」


 用件は予想した通りのものだったので、換金をするためにバレないようコッソリとマジックポーチをネコメから受け取る。


「!?」


 マジックポーチは触れる事で大体何があるかはわかるのだが、その中の魑魅魍魎ちみもうりょうさに俺は驚いた。なんせ、そいつらは俺でもチームを組まないと倒せないほどの奴らばかりだった為である。


 入ってる魔物のランクは全員Aランクに近いBランク以上、中にはパーティで上級冒険者に近い実力の俺たちがどう足掻いても勝てないようなAランクまである。もしかしたらあの集団はヤバい奴らなのかもしれないと戦慄しーー


 だが、今やってる事の方が犯罪だしヤバいことなので深呼吸して自身を落ち着かせる。


「じゃあ、俺たちは上で待ってるね」

「おう」


 という事で受付に向かうのだが、流石に緊張する。確かに、Bランク以上の魔物を狩る事は多い。だが、それはチームの時だけである。


 だが、もう話は決まった事。勇気を出して受付に話しかける


「魔物の換金を……」


 中身の魔物たちをチラつかせながら話す。


「っ……!?失礼ながらどのように?個人では中級冒険者ですよね?」

「前に仲間たちと狩ってきた奴で、ずっと中に放置してたんだ。驚いたか?」


 嘘を言うのは慣れないものだ。理由を聞かれた時の返しは決まっていたので、俺は出来るだけ自然に返す。


「成る程……まぁロッドさんなら信頼できますね。分かりました。」

「いやこれだけじゃないんだ。後何匹もいるんだ。これと同レベルなのが」

「え、それ本当?」

「あぁ……」


ダッ


 受付の人は何やら急いで後ろのドアに駆けていった。俺はそれを見て心労を覚える。


 くそ、なんでこんなに入ってやがんだ。この先が不安で心臓がバクバク言ってやがるぜーー。


 いつボロが出てもおかしくない。そういった状況は今まで体験したことがない為、冷房が効いているというのに汗が自然と流れ出てくる。


「お待たせしました。ついてきて下さい」


 そしていつもは受付の人がマジックポーチに入れて解体場へ渡した後に戻って換金をしてくれるのだが、今回は違った。


 受付の人は後ろの扉に入り、俺を案内してくれる。そして階段を降りると、そこには大きな解体場が広がっていた。


「ここは様々な作業をする場所なのですが……流石にあれだけあると多額すぎて公に晒してしまうと強盗の恐れがある為ここで換金させて頂きます」

「な、成る程」


 ならば安心だ。これなら面倒くさいのはないだろう。だが何故だか、嫌な予感がーー


「あ、この換金が終わったら最高権限者…ギルドマスターが呼んでおりますので出来るだけ早く行くようにお願いします」

「っ……!」


 やはり俺の感は良く当たる。こうなるのは分かっていた事だが……憂鬱だ。


 そんなこんなで俺は…あの時に何で引き受けてしまったんだと、心労から後にそう後悔したのであったーーー。



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