第25話 新たな仲間
…………
気がつくと、何故か俺は転生の時の白い空間にいた。そこにはあのクソ女神の姿がある。
何であのクソ女神がここに……丁度いい。
何かを忘れているような気がするが、今の俺には復讐心しかない。
一回ぶん殴ってッッゴホォ!!
だが、俺は逆に女神に腹パンされ……痛みから
目を覚ました。
「んぁ?ここはーー」
視界に広がるのは背の高い木々が立ち並ぶ森。さっきまでダンジョンにいたはずだが、多分ルイが外まで運んでくれたんだろう、と推察。
「目覚めたか」
って、なんだこのオッサン!?
目の前には白髪の痩せこけた謎の人物が立っている。
「オ、オッサン……失礼な。お兄さんと言いなさい」
「お兄さん……?いや待て、そもそもお前誰だよ」
そう、俺は今森にいる。そして目の前には見知らぬおじさんが……全く持って意味不明である。
「今説明する。実はーー」
略すと、目の前の人はルイがあのダンジョンから復活させたアランという運命神らしく、俺たちを強くする為について行くことにしたらしい。
何でも悪魔は世界の危機になりうる存在らしく、倒すのに協力して欲しいのだとか。俺的には、ルイと2人で生涯安泰なぐうたら生活を送るという計画遂行のためにも協力を惜しむつもりはない。
それに強くなれれば今後の旅が楽になる訳だし、むしろ大歓迎だ。断る理由がない。
「では、そういう事だからこれからよろしく頼む」
「あ、あぁ……こちらこそよろしくお願いします」
色々と混乱することはあったが、取り敢えず話は纏まった。
これからはこの人アランが、俺たちを鍛える為に特訓をつけてくれるそうで特訓なんて今までした事がない俺は少し楽しみにしている。
「ん?二人とも進化できるみたいだが……」
「あ、そういえばそうだったな」
「今するニャ」
忘れるところだった。俺はステータスを開き進化できる種族を表示する。
規定条件レベル70を満たしているので、進化先を選べます。
↓
ーーーーーーーーーー
武闘猫:勇士猫の進化系。接近戦に滅法強く、持久力、耐久力にも優れる。評価B+
格闘猫:特殊派生種族、格上を倒すことで発現。特別強くはないが、のちの進化でより強くなることが可能。評価B-
猫もどき:一見猫にしか見えないが尻尾には猛毒、目には魔眼、毛は針のように鋭く凶暴性が強い。非常に危険な為、討伐隊が組まれることがある。評価A-
ーーーーーーーーーー
ぅわ、猫もどき怖。まぁこの中なら……格闘猫にしようかな。目先の利益だけに囚われちゃいけないっていうし、選択は間違っていないはずだ。
ポチ
肉球で格闘猫をタップ。
ていうかこれ、レベルが上がったらその分一気に進化する訳じゃないんだね。このシステムなら、俺が1レベル上げたらまた進化しそうだ。勿体ないからしないけど。
「きた……ん?」
進化が始まるが、変化が少ない。だからか今回は特に痛みや気持ち悪さを味わうことなく進化することができた。
ピロン♪
スキル:格闘術を獲得!
説明:実戦に特化したスキル。レベルを上げるごとに格闘技術が上昇。
スキル:気の心得を獲得!
説明: 気とは魔力と相反する力で、鍛えれば鍛えるほど魔力が扱いづらくなる。しかしその分得られる力も大きい。魔力の方が万能なため好んで使う者は少ない。
ステータスが上昇します。
筋力:370,000→ 430,000
魔力:335,000→ 340,000
防御:355,000→ 410,000
魔防御:185,000→ 210,000
敏捷:410,000→ 460,000
器用:190,000→ 230,000
おぉ!何かすごい使えそうだ!特に気の心得とか面白そう。でも、魔力が使えなくなるのは致命的すぎるな…… 。
折角得られたスキルだけど、使う機会はなさそうだ。俺はワクワクしていた分意気消沈してしまうが、仕方ないとさっさと切り替えてステータスの確認へ移る。
↓
ーーーーーーーーーー
名前:猫目瑠衣 性別:オス レベル:784 種属:格闘猫
ステータス
力:430,000
魔力:340,000
防御:410,000
魔防御:210,000
敏捷:460,000
器用:230,000
スキル
生活: 〈猫語10〉〈爪研ぎ10〉〈惚れ惚れする香箱座り1〉 〈グルーミング1〉〈真理眼10〉
耐性:〈魂耐性10〉〈オール超耐性10〉〈痛覚耐性5〉
パッシブ: 〈癒しの波動10〉〈本能6〉〈武器の心得10〉〈超速再生10〉〈高速思考10〉〈獅子奮迅10〉
物: 〈威嚇10〉〈身体強化10〉〈ベクトル変化10〉〈暗殺術10〉〈体術10〉new〈格闘術1〉new〈気の心得1〉
魔: 〈魔カ操作10〉〈魔法操作10〉〈幻惑の魔眼1〉
支援:〈治癒術10〉
特殊:〈偽造〉〈一心同体10〉〈人化〉
残りポイント82,600
ーーーーーーーーーー
着実にステータスが上がってきたな。完全に近接寄りだが、うちには魔法係のルイがいるからバランスはとれてるはずだ。まだまだ進化はできそうだし、これからの成長が楽しみだな。
「終わったか。では手っ取り早くやるべき事を提示しよう。まずは、エドルの街から出る。悪魔どもの仲間を倒した訳だし、確実に調査が入るだろうからね。
次に、王国へと向かってそこにいる悪魔を殺す。王国にいる悪魔のランクまでは見えなかったが、そこに根城を構えていることは間違いない。以上、何か質問は?」
「ありまくりだよ。そもそも俺、ついさっき低位悪魔相手にすごい苦戦してたぐらい弱いのに、勝算はあるのか?」
「私には勝つ、というビジョンが見える。いづれは上位の悪魔を相手にしても、勝てるぐらいにはしてみせるさ」
成る程……正直不安だけど、未来が見れる神様にそんな豪語されては黙るしかない。
それに、運命神が勝つというのならなんか俺も勝てるような気がしてきた。
「という事で、早速だが訓練を始めよう」
「え、今からやるの?」
「そうだ」
アランの手から眩い光が放たれる。そして徐々に視界が薄くなり、気づけばあの……女神の所と似ている真っ白い空間にいた。
「地上には悪魔どもがいるからね。ここならバレても場所を変えればいいだけで楽だ」
「何か嫌になる空間だな……」
「? まぁいづれ慣れるさ。じゃあ始めようか」
よし、やるのか。やはり楽しみだな。
俺は準備運動がてらに体をほぐす。
「何をやってるんだい?」
「え、今から動くんだろ?」
「動かないよ。学ぶんだよ」
そう言うアランの右手には、何かの本が握られている。
「強くなる為には、大前提として知識が必要だ。だから君たちにはたくさん勉強をしてもらうよ」
俺の中に勉強は嫌だ。という思いが生まれる。が、案外楽しいかもしれないしと紛らわす事によって、俺は楽観を保つことができた。
「まずは進化についてだが…これにはある条件によって分岐先が変わり……」
「例えば、君が今後進化するであろう魔王は名を知らしめレベルが300になる事で覚醒できる。だが、弱い進化先もあり……だから君にはしっかり強い進化先になるようサポートさせてもらうよ」
「スキルには獲得条件がある。君たちに今後覚えてもらうものは……」
「悪魔たちの使う黒魔術は魂の耐性を上げる事で対策できるが、魔力を使って行き先を逸らす事でも対策でき……魔力の使い方には多くの研究が……etc」
1時間が経過した今、俺は仰向けで床に倒れていた。
「もう疲れたのかい?ルイ君の方はまだまだ余裕がありそうだけど……もうやめにしておこうか」
「すみません……」
「無理にやらせても効率が悪くなるだけだからね。謝る必要はないさ」
くっ、やはりルイは優秀だな。何であれ聞いてまだピンピンしてるんだ。確認テストでは満点取ってたし……これが格差社会ってやつなんだろうな。
そんなこんなで初めての訓練は、終わりを告げたのであった。
『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と思ってくださった方は、よければ感想・ブックマーク登録・広告の下辺りにある☆☆☆☆☆から評価をお願いします。大変励みになります。




