第18話 ドラゴン
「ーーニャ、起きろニャ!!」
ハッ!
俺、いつの間に寝て…あ、夢じゃないよな!?よかった…… 。ちゃんとMAXだ。
「ずっと寝てたから、つい起こしちゃったニャ」
「そうか、寂しかったのか」
頭を優しく撫でてやると、ルイは嬉しそうに喉を鳴らす。可愛い。でも、こいつ俺より頭良いんだよな…何か複雑な気分…… 。
しかし、まだ寝足りないな。今からでも寝よ……いや、ルイが起きてるしやっぱやめとこ。
それよりも、今日は何しよう。取り敢えずはミーアさんにお礼しにいって、後は魔道具屋でも探すか?
「ちょっと外出するんだけど、一緒に来る?」
「いくニャ」
即答してくるルイ。意外と楽しみなのかもしれない。扉を開け外へ出ると、外はもうお昼時で賑わっている様子だ。
「主、何かお肉焼いてる人がいるニャ!」
「それが仕事だからね。あ、そうだ。もう昼なんだし朝食……いや、昼食にしよう」
俺は少しフラフラとした足取りで屋台に向かう。
「あの、これ4本もらえますか?」
「らっしゃい!串4本、銅貨6枚だぜ」
おぉ、ちゃんと言葉が通じてる。……確か、銅貨なら持ってたはず。
俺は前の酒場で金を払い、そのお釣りとして手に入れてた銅貨を店主に渡す。
「毎度ありぃ!」
そして手渡される串肉、それをルイに2本与え、俺は案外覚えているミーアさんの家へ向かう。
「あぁ、あなた達ね。時間はあるし…今日も教わりにきたの?」
「いや、もうマスターしたのでそのお礼に」
「!?」
ミーアは目を見開きのけぞる。良いリアクションだ。
「え、嘘!普通早くても一ヶ月はかかるのよ……?」
ふふふ、俺にはポイントっていうブッ壊れ能力があるからな。これを使えば……どんな馬鹿でも俺みたいになれるだろう。
「うん、これもミーアさんのお陰だ。ありがとう」
「そ、そう。それはよかったわ」
「じゃあ、また縁があれば会おうね」
若干引いてる様子のミーアさんに別れを告げ、俺は大通りに戻る。
次の予定は……魔道具屋だな。マジックポーチとか後々買いたいし、一度どんな感じか見ておきたい。
「分かったニャ」
ギョッとした俺は「だから何でお前心読めるんだよ」と言うが、スキルの効果と返される。一心同体は俺もMaxにしているが、流石にそこまでの効果はない。まぁ……そういう事もある、か?あるか。
深く考えるのを諦めた俺は、魔道具屋を求めて辺りを歩き回ってみる。だが、魔道具屋は見つかるどころか影も形もなかった。
く、やはり地図が欲しくなる。……どっかの掲示板とかに貼っておいてくれればいいのに。
見つからないので世の不平にボヤいていると突然、後方から喧騒が聞こえてくる。気になって耳を澄ませると……
「おい、早く知らせろ!!」
「応援を呼べ!」
精度の高い俺の猫イヤーは、そんな叫び声を聞き取った。
応援……?なんかあるのか?
疑問を持ち声の方を見ると騎士っぽい人達がいて、何やら上を見ている。俺もつられて上方向に視線を移す。
「ガァァァァァ!!!」
ーーーすると空にザ、ドラゴンって感じの大きな赤いドラゴンがいた。
はぁ!?何でドラゴンが……?
驚愕した俺は、急いで鑑定を発動。
ーーーーーーーーーー
種族:レッドアイズレッドドラゴン(隷属)性別:メス レベル:263
ステータス
力:92,500
魔力:85,000
防御:73,000
魔防御:72,500
敏捷:56,000
器用:32,000
スキル:〈レッドブレス10〉〈レッド鉤爪10〉〈レッド装甲7〉〈飛翔9〉〈魔法操作6〉〈魔力操作6〉
ーーーーーーーーーー
いやレッドの主張激しいな!しかし、これ不味くない?
レベル263とか……しかも隷属っていう裏で誰かが糸を引いてそうな状態異常。この街の人だと多分無理だぞ。
「ガァァ!!」
「ぐぁぁぁぁ!!?」
あ、やばい。もう被害出てる。
俺の脳内に大量虐殺される獣人の図が浮かび上がる。
それは、流石にダメだな……助けよう。それが出来るだけの力があるんだし、使わなかったら宝の持ち腐れだ。
人化のスキルで服をフード付きにして……と。怪しさMAXだけど、これで顔バレの心配はない。
「ルイ、俺だけで行くから少し待っててくれ」
「気をつけろニャ?」
「分かってる。もし怪我したら切腹して詫びるわ」
まずは、遠くから治癒術で隷属解除を試みる。だが、光るだけで効果はなさそうだ。
なる程……隷属って厄介だな。仕方ないけど、これ以上被害出る前に倒すか!
ダッ!
地面を蹴り、爪に魔力を纏わせた俺はまだ気づいてない様子のドラゴンに不意打ちする形で……腹を切り裂く。
ザシュ!
「グガォァォァ!!!?」
「何者だ!!?」
人化で弱体化されてることもあり、切断こそできなかったがドラゴンの胴体には深々と引っ掻き傷ができていた。それでもドラゴンは倒れず、その場で大きく息を吸い始める。
「ブレスが来るぞ!!退避……」
ブレス?それならーーー
「こうじゃい!!」
ドゴォ!
隙だらけだったので俺はブレスとやらが来る前に、息を吸っている奴の顎を蹴り上げる。すると、相手の口が爆発した。予想外なことにビクつくが、これはチャンスだ。
「グルルゥ……!」
「よし、これで止めぇ!!!」
最後に、爆発によって怯んでいるドラゴンの腹を爪で引っ掻く。そうした事で胴体が別れ、相手は力尽きた。
ずずん……
『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と思ってくださった方は、よければ感想・ブックマーク登録・広告の下辺りにある☆☆☆☆☆から評価をお願いします。大変励みになります。




