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第19話 臨時収入



シーン


 皆んなが静まり返っている。何となく居づらい俺は、ルイを連れ急ぎその場を離れた。


「わぁぁぁぁぁぁ……」


 遠くで歓声が上がっている。


「ふぅ、ここまで来れば大丈夫」


 路地に身を潜めた俺は、元の格好に戻り路地を出る。


「お疲れニャ」

「うん、疲れてる。特に眠い」


 他愛のない会話をしながら、どうなってるかが気になって、ドラゴンが出現した場所に戻ってみた。


「ん?貴殿は!」


 すると、突然ドラゴンと戦っていた騎士達に詰め寄られる。


 何だ……?冤罪か?


 警戒していると「ドラゴンを倒してくれたものではないか!!」と言われ動揺が駆け巡った。


!?



「え、ひひ、人違いでは?」


 噛みまくって何とか誤魔化そうと喋る。


「いえ!その場で早着替えした貴殿を私はしかと見ていた」

「騎士団長、それは誠か!」

「早くこの者に報奨金の準備を!!」

「こんな幼いのがドラゴンを?にわかに信じがたい……」


 気づくと囲まれていた。沢山の視線に慣れてない俺は、早く逃げたいと考えている。


「待て、騎士達よ。英雄が困っているではないか」


 ピシャリと、騎士達の声が止む。声の方を見ると、そこには堅牢そうな鎧に立派な大剣を持っている筋肉マッチョな犬耳の男がいた。


「す、すみません領主様!」


 領主?なんでそんな地位の高そうな…って、もしかして戦う気だったの!?やば……いや、しかし失敗だったな。次からはちゃんと隠れてから着替えるようにするか。


 同じ失敗を起こさぬよう反省していた俺は、領主と名乗る人の前に連れられていく。


「あの?そんな引っ張らなくても……」


 騎士達の逃すまいとする意志が伝わってくる。半ば諦めた俺は領主の前に出た。


「いやすまないねぇ……君らにとっては鬱陶しいだろうけど、私はこの街の被害を最小限に抑えてくれた君に、どうしてもお礼がしたい。申し遅れたが、私の名前はカタパールト、ここエドル街を任されている領主だ。君は?」


 などと言いながら領主は、両手に花ならぬ両手にずっしりとした袋を持って前に出てきた俺に押し付けてくる。


「え、ちょっ何これ……!あ、自分はネコメと言います。この袋は一体ーーー」


 脳裏にこんだけ受け取ったんだから〇〇しろよ、と脅される未来が見え少し怖くなるも、礼儀として自己紹介をする。


「あぁ、それは正式な報奨金だ。あんまし多くはないが…受け取ってくれ」


 報奨金……か。


 チラリと、かなり大きな袋の中を覗いてみると、円状の金色がキラキラと輝いていた。数えるのが億劫おっくうになりそうな程ある。


「ふっ……合計にして約500金貨。不満だったかい?」

「え、そそそんな事ありません!」


 あまりの数にびっくりしてしまう。これなら魔法袋が5枚も買える額だ。


「それは良かった。では次に、このドラゴンの素材だが……どうする?強力な武器や防具が作れるよ。でも出来れば私に譲って頂けると嬉しい……1000金貨は出す」


 金貨1000枚、もはや感覚が麻痺して驚かなくなってきた俺は、その言葉に少し考え込む。


 ドラゴンの素材……何とも胸の躍る響きだ。でも、俺ぶっちゃっけ戦闘面なら猫状態の方が力出せるし、武器とか防具とかは別に要らないんだよなぁ……よし、金にしよう。


「譲るよ。使い道あんまないし」

「そうか!それは良かった!ではこれを」


 またもや追加される金貨袋、俺だから軽々と持てているが、普通の人なら骨が折れるだろう(物理)。


「さぁもう帰っていいぞ!ハァハッハッ!!ドラゴンの素材!新しい武具!闘いが楽しみで仕方がないわ!!!」


 領主は上機嫌に筋肉をピクつかせながら背を向けて去っていく。


 うわぁ……何だったんだあいつ。獣人ってみんなあんななのか?


 もっと何か勧誘とか、利用しようとか、そんな感じものがあるかと思ってたらあっさり解放されたし何か拍子抜け……いや、それはそれでいいんだけどさ。


 俺は、この世界の人たちは良い人が多いのかもしれないと……そう思うことにした。


 さて、切り替えていくか。取り敢えずはこの金貨たちで魔法袋を買っーーー


「なぁ俺と戦ってみねぇか!!」

「あの攻撃はどうやったんだ!!?」

「斬り捨てごめ……」


 領主がいなくなった事で多くの人たちが押し寄せてくる。


 ァァァァァ!邪魔だ!!!押すなぁ!!


「ルイ!逃げるぞ!」


ダッ!!


 俺はスキル暗殺術の気配隠蔽を使用し、人のいない所まで走り顔バレ防止の為にフードをかぶる。まるで有名人…いや、実際そうなのだろう。


「ふぅ……面倒くさい事になったな」


 やっと安心でき一息ついた俺は「面倒くさくなったのはアホな主のせいニャ」とルイに正論を言われ心にダメージを負う。


 その代償としてか、街角であるお店を発見した。


「あれ、か?」


 ーーー魔道具屋だ。店の看板にはそう書いてある。


 もっとグルグルするハメになるかと思っていたが、運がいい。善行を積んだお陰なのかもしれない。





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