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第17話 言語2



 内装は広いのに、中は冒険者が使いそうなポーションとか道具やらで埋まっていて足の踏み場がない。どこに寝所があるのかすらも判別できないほど、物が溢れ返っている。


 ゴミ屋敷とは違うと思うが、こんな光景は初めて見た。


「とりあえず上がって頂戴」

「っ……分かった。そういえば俺、人の家に上がるとか何気に初めてだな……」


 友達がおらずいつも猫に夢中だった俺は、少し緊張しながら中へ入る。


 俺からするとこの光景は異常だが、他人の家なんて見たことないし……案外こういうのが一般的なのかもしれない。


 それに、見る目を変えればゴミy……機能的な内装だ。


「……あの、これ何処どこを歩けば?」


 床には何かの道具たちが散乱していてほぼ足場がない。


「適当にどかして。それよりも、言葉を教えてほしいのよね?教えるのは苦手だけど頑張るわね」

「うん、今日はよろしくおねがいします」


 礼儀を重んじる日本人が発動している俺に隙はない。どんな困難(言語習得)も礼儀を持って接すればどうにかなる筈。


「この文字はこういう意味で、組み合わせとしては………」

「?????」


 ーーしかし、どうにかなる事はなかった。


 それでも俺は頑張って謎の記号や文字みたいなものを、猫語で翻訳して少しづつ記憶していく。だが、もともと頭が弱い俺にとってそれらは苦行。


 覚えるのには、かなりの時間がかかりそうだ。


 そしてミーアさん、苦手って言ってる割には教えるのが普通に上手い。そのお陰で少しづつだが、確実に覚えていく事ができる。


「ふぁ……」


 勉強すると眠くなる現象が発生、多分3時間ぐらい経っただろう。


「眠いの?私も眠いし……今日はここまでにしましょ」


 やった!じゃない。俺は頑張って勉強しなくてはならない。今日はミーアさんがわざわざ紙に書いてくれたものを少しやってから寝よう。んで明日また教えてもらおっと。


「そうする。今日はありがとね。また来…」

「zzZZ」


!?


 は、早いな。時間にして3秒?く……完敗だ。


「ふにゃぁぁぁ……終わりかニャ?」


 ミーアを見て敗北感を感じていると、ずっとゴロゴロしてたルイが伸びをして立ち上がる。いつも通りだが、少し退屈そうだ。


「あぁ、帰るぞ」


ガチャ


 扉を開けて外に出た。周りはもう暗くなっており、空を見上げると現世では見たこともないような無数の星空に凄く大きな月?がある。地球の月と比べると、5倍以上の大きさだ。

 

 あれ、落ちてきそうで怖いな…… 。


 おののきながらも、その綺麗な景色に思わず見惚れる。星空というものは、やはりいつ見てもいいものだ。


「そういえば主、ニャン国際言語?って言うの習得できたニャ」



ーーだが、そんな落ち着く時間は一瞬にして崩れ落ちる。


「まじ?ルイ、聞いてただけだよね?」



 しかも、俺の膝の上で寝てた気がするんだけど…… 。


「意外と簡単だったから、聞いてたら覚えたニャ」


!!???


「何だとぉぉ!!?」


 く、俺の知能は猫に負けるのか?必死に勉強してた俺は、一体何だったんだよ…… 。


「主はどうニャ?」



 ほ、本当のことは言いたくない!ここは何とか誤魔化さなくては!


「も、勿論、覚えられたよ。いやー、確かに簡単だったよね」



 凄く、難しかった。ていうか今もあんまし分かってないし……なのに嘘をついてしまった。こいつの主としての威厳を保つべく。(既にない)


「流石主ニャ!だったら、スキルのレベルを上げて、一回喋りあってみないかニャ?」

「そ、それは明日にしない?俺今凄く眠くてさ」


 絶体絶命とは、この時のことを言うのだろう。


「眠い、寝るのは大事…… 。そういう事なら分かったニャ」


 ふぅ……助かった。しかし、明日ねぇ。


 ーーー頑張って勉強するか!


 今日俺は、言語習得するために一夜漬けする事を決心する。


「お、あそこか?」


 無事泊まる場所を発見した俺は、宿に泊まりたい時どう言えばいいか言語を思い出し、ジェスチャーを交えながらも頑張って宿をとる事に成功した。


「んじゃ、おやすみ」

「おやすみニャ」


 部屋に入り灯りを消し、ルイが完全に寝るのを見計らって俺はガバリとベッドから起き上がる。


「おぉ……見える」


 猫の夜目は良いと聞くが、本当にその通りだ。昼とあんまし変わらずに周りが見える。これなら、困ることはないだろう。


「紙よし、ペンよし…と。ふっ、時は満ちた」


 それから、俺はずっと勉強をした。気づけば外は明るくなり始めている。時間にして5時と言った所だろうか。だが、まだ覚えられていない。


「やばい……眠すぎる」



 頭が痛くなってきた。そしてとんでもない眠気が俺を襲う。そんな地獄の中で勉強を続ける。



ピロン♪


スキル:国際言語を獲得!

効果:この世界の主流とされる言語。スキルレベルによって上達していく。



「あぁ……!!」


 よっしゃァァァァ!!!覚えたぞぉ!即レベルをMAXにしてやるぅ!!



…………



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